空の話をしよう

源燕め

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序章

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「空の話をしよう」
 そう言って、その羽人はねひとは美しい白い翼を少し広げた。
「本当は、きみを抱いて空を飛んであげられたら良かったんだけど。まだちょっと痛くてっさ」
 広げた翼から、ふわふわと羽が抜け落ちる。
 抜け落ちたやわらかな白い羽が、小さな男の子の鼻のあたまにのっかった。
 彼は、ふふと小さく笑ってその羽を取ろうとしたけれど、男の子はその手首をつかんでとめた。そして、小さな指でその羽を大切そうにつまむと、日に透かしていた。
 彼は、その男の子の瞳の美しさを忘れることはなかった。
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