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第六章
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「ねえ、空を飛ぶって、どんな気持ち?」
「そうだね、風になったみたいだな。とにかく気持ちいいよ」
ふたりは、鉱山の町の立て坑の縁に腰をかけていた。
こんな田舎町にいるはずのない青銀色の髪の羽人と、こんな鉱山の町ならいくらでもいそうな、泥まみれの少年だった。
鉱山の穴の底から吹き上げてくる風は、埃っぽく、どこか重く、空の高い場所に吹く風とはあまりにも違っていた。
「ねえ、どうして羽人にだけ、翼があって、空を飛べるんだろう? なんで人間には羽根がないんだろう?」
鉱山の下働きの少年は、泥だらけの顔で、青銀色の髪の羽人の顔を見あげた。
「キールは、空を飛びたい?」
「もちろん!」
「そうだね、風になったみたいだな。とにかく気持ちいいよ」
ふたりは、鉱山の町の立て坑の縁に腰をかけていた。
こんな田舎町にいるはずのない青銀色の髪の羽人と、こんな鉱山の町ならいくらでもいそうな、泥まみれの少年だった。
鉱山の穴の底から吹き上げてくる風は、埃っぽく、どこか重く、空の高い場所に吹く風とはあまりにも違っていた。
「ねえ、どうして羽人にだけ、翼があって、空を飛べるんだろう? なんで人間には羽根がないんだろう?」
鉱山の下働きの少年は、泥だらけの顔で、青銀色の髪の羽人の顔を見あげた。
「キールは、空を飛びたい?」
「もちろん!」
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