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1章: Love is hate against itself.
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恐らくは式典を催すと思しき聖堂のような広間に、百人ほどの少女達が集められている。
いずれも今年、チハルと同期入隊した近衛兵の少女達だ。
国中から集めたのだからそれなりの数とはいえ、予想より多くの人間が集められたものだ。
毎年この程度の定員枠となると、近衛兵部隊の総員はおよそ八百人といったところだろうか。
「静粛に!」
近衛兵の先輩と思しき、厳しい声が一喝する。
とはいえ、年齢も職業も様々な少女の集まりだ。
ざわめきは簡単には収まらない。
ある人物が訪れるまでは。
「見て! 皇太子殿下よ!」
一人が正面を指さして、全員の注目が集中した。
それは、この世の人間とは思えないほど美しい青年だった。
白磁のように透き通る肌、輝く金髪、青の深い瞳。
中には彼を見た途端、恍惚として失神するものまであった。
「綺麗・・・・・・」
威勢を意識したことのないチハルでさえ、しばらくは何も頭に入らなかった。
「皆さん。この度王宮を守る親衛隊に入隊されたこと、お祝い申し上げます」
優しい声で、彼はその場の全員を意識しながら演説した。
その間、誰も何も言わない。
まるで、神かそれ以上のものを目にしているかのような、敬虔な態度で皇太子の話に聞き入っていた。
国中の乙女を集めて守らせる皇太子が、これほどの人物だとは思わなかった。
ただ、その高潔さのあまり、チハルにはやはり手の届かない存在であった。
あのような君主を守ることは光栄だが、あくまで自分の道を進むべきだ。
自室に戻る少女達がまだ余韻に浸る中、チハルはそう決意した。
いずれも今年、チハルと同期入隊した近衛兵の少女達だ。
国中から集めたのだからそれなりの数とはいえ、予想より多くの人間が集められたものだ。
毎年この程度の定員枠となると、近衛兵部隊の総員はおよそ八百人といったところだろうか。
「静粛に!」
近衛兵の先輩と思しき、厳しい声が一喝する。
とはいえ、年齢も職業も様々な少女の集まりだ。
ざわめきは簡単には収まらない。
ある人物が訪れるまでは。
「見て! 皇太子殿下よ!」
一人が正面を指さして、全員の注目が集中した。
それは、この世の人間とは思えないほど美しい青年だった。
白磁のように透き通る肌、輝く金髪、青の深い瞳。
中には彼を見た途端、恍惚として失神するものまであった。
「綺麗・・・・・・」
威勢を意識したことのないチハルでさえ、しばらくは何も頭に入らなかった。
「皆さん。この度王宮を守る親衛隊に入隊されたこと、お祝い申し上げます」
優しい声で、彼はその場の全員を意識しながら演説した。
その間、誰も何も言わない。
まるで、神かそれ以上のものを目にしているかのような、敬虔な態度で皇太子の話に聞き入っていた。
国中の乙女を集めて守らせる皇太子が、これほどの人物だとは思わなかった。
ただ、その高潔さのあまり、チハルにはやはり手の届かない存在であった。
あのような君主を守ることは光栄だが、あくまで自分の道を進むべきだ。
自室に戻る少女達がまだ余韻に浸る中、チハルはそう決意した。
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