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1章: Love is hate against itself.
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公式的な呼び方をすると、チハル達は皇太子の親衛隊という位置づけだった。
呼び名はどうであれ事実上の近衛兵には違いなく、翌日から訓練が始まった。
「整列!」
百人ほどの少女は十組に分けられ、チハルとアンリは同じ組に配属された。
一列に並んだ彼女達の前に、数人の親衛隊員が歩み寄る。
中心に立つ桃色髪をツインテールにした少女が前に進み出た。
「皆さん。今日から皇太子殿下の御身をお守りする親衛隊員です。ここに居る方は、第六小隊の配属です。私はエリー=ミルドレット。第六小隊を束ねる小隊長を務めさせて頂きます」
「小隊長に、敬礼!」
チハル達は見よう見まねで敬礼する。
無論、何の訓練も始まっていない彼女達の動きは不ぞろいだ。
敬礼でさえ、何人かは右と左を間違えている。
「ま、最初はこんなものですね。でも安心なさい。私が厳しく指導して、皆さんを殿下のお傍に置いても恥ずかしくないほどにして差し上げますよ・・・・・・さて、ではまずは服装検査から始めましょうか」
エリー小隊長は列の端に並び、一人目の新入隊員と向かい合う。
緊張した面持ちの親衛隊員に顔を近づけると、エリー小隊長はいきなり首筋に顔をうずめた。
「あなた、この香水の香りはよくないですわね」
「は? す、すいません!」
「殿下はこの香りがお嫌いよ。明日以降、決して使わないこと」
「き、気を付けます」
「次、あなた」
「はい!」
「その髪飾りは外しなさい。あなたには似合わないわ」
「で、でも・・・・・・これはお母さんの形見で」
「形見? 何を寝ぼけたことを言っているの? これは軍規なのよ」
そう言ってエリー小隊長は髪飾りを強引に掴み取った。
それを足元に捨て、ブーツで容赦なく踏みつける。
「あ!!」
新入隊員は泣きそうな顔で悲鳴を漏らした。
砕ける音がして、ブーツが下がった後には髪飾りは木っ端みじんになっている。
よほど大切なものだったのか、新入隊員はそれを見て泣き崩れた。
「立ちなさい。誰も泣いていいなんて言っていないわよ」
エリー小隊長はまるで面白がるように、次の隊員と向かい合った。
呼び名はどうであれ事実上の近衛兵には違いなく、翌日から訓練が始まった。
「整列!」
百人ほどの少女は十組に分けられ、チハルとアンリは同じ組に配属された。
一列に並んだ彼女達の前に、数人の親衛隊員が歩み寄る。
中心に立つ桃色髪をツインテールにした少女が前に進み出た。
「皆さん。今日から皇太子殿下の御身をお守りする親衛隊員です。ここに居る方は、第六小隊の配属です。私はエリー=ミルドレット。第六小隊を束ねる小隊長を務めさせて頂きます」
「小隊長に、敬礼!」
チハル達は見よう見まねで敬礼する。
無論、何の訓練も始まっていない彼女達の動きは不ぞろいだ。
敬礼でさえ、何人かは右と左を間違えている。
「ま、最初はこんなものですね。でも安心なさい。私が厳しく指導して、皆さんを殿下のお傍に置いても恥ずかしくないほどにして差し上げますよ・・・・・・さて、ではまずは服装検査から始めましょうか」
エリー小隊長は列の端に並び、一人目の新入隊員と向かい合う。
緊張した面持ちの親衛隊員に顔を近づけると、エリー小隊長はいきなり首筋に顔をうずめた。
「あなた、この香水の香りはよくないですわね」
「は? す、すいません!」
「殿下はこの香りがお嫌いよ。明日以降、決して使わないこと」
「き、気を付けます」
「次、あなた」
「はい!」
「その髪飾りは外しなさい。あなたには似合わないわ」
「で、でも・・・・・・これはお母さんの形見で」
「形見? 何を寝ぼけたことを言っているの? これは軍規なのよ」
そう言ってエリー小隊長は髪飾りを強引に掴み取った。
それを足元に捨て、ブーツで容赦なく踏みつける。
「あ!!」
新入隊員は泣きそうな顔で悲鳴を漏らした。
砕ける音がして、ブーツが下がった後には髪飾りは木っ端みじんになっている。
よほど大切なものだったのか、新入隊員はそれを見て泣き崩れた。
「立ちなさい。誰も泣いていいなんて言っていないわよ」
エリー小隊長はまるで面白がるように、次の隊員と向かい合った。
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