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2章: 最強への道

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 ティラが言い淀んでいるうちに、アミュは業を煮やしたのか、ティラのスカートを握りしめた。
「わっ! ちょっと!」
「自分の粗相は素直に認めるべきですよ、ティラさん!」
「い、嫌!!」
 ティラは中腰になって両手でスカートの裾を抑え、アミュと一進一退の攻防が繰り広げられる。
――ギリギリ見えそうで見えない、この瞬間がたまらないな
 醜い少女達の争いをシュロムは満悦気に眺めていた。そういえばティラはまだ替えのパンツを履いていないのでは。スカートをめくられたらすぐに事実が露見してしまう。
「ほらっ! 早く見せなさい!」
「や、やめ~~!! あぐっ!!」
 必死で抵抗するティラの後頭部にリーナの手刀が振り下ろされる。
 足元がふらついたティラはスカートから手を離し、均衡は一気に崩された。
「さあ、あそこの毛は・・・・・・ない?」
 アミュの表情が凍り付く。
「あちゃ~、まさかツルツルだったなんて」
「そ・・・・・・そんな」
 アミュはもう思考する気力すら失っていた。
「じゃあ、この毛は・・・・・・もしや、エナメス様のもの? でもエナメス様はずっとタイツをお召しでいらっしゃるのに。いえ、でももしかしたら、タイツの隙間からぽろっと」
「アミュ」
「はい、エナメ・・・・・・ぐっ!!」
 強烈な膝蹴りがアミュの腹部に食い込んだ。泡を吹き散らしたアミュはその場に突っ伏して動かなくなった。
「見苦しい所をお見せしたわね。忘れてくれるかしら」
「いえ・・・・・・別に」
「それで、大分話題は反れてしまったけど、話としては悪くないでしょ? 私の味方になってくれれば、明日から全校生徒のパンツがお目に掛かれるのよ」
「ふむ」
「あなたのような実力のある生徒を学院は求めているのよ。どう、悪くない話でしょ?」
「委員長? ちょっと待て下さ・・・・・・」
 異を唱えようとするティラは床にねじ伏せられ、肩を踏みにじられた。
 あざけるようなリーナの表情が彼女の頭上にあった。
「お前は黙っていなよ、負け犬が」
「は、放してください! こんなの絶対おかしいのです! グラン=アカデミーは高等の魔法学院で統制委員はその・・・・・・」
「実力のない人間に、それを語る資格はないわ」
 エナメスがティラの抗議を一蹴した。
「あなたこそどうなの? シュロム君の強さは例外として、Bクラスの生徒がFクラスの生徒に負けたのよ。グラン=アカデミーの厳正な審査に基づく秩序を破壊したのはあなたの方ではなくて?」
「しかもあんな、無様な負け方しちゃってさ!」
「そ、それは」
「そもそも前から鬱陶しいんだよね。弱いくせに自分こそが正しいみたいな顔しちゃってさ。ねえ、委員長、そういえばコイツの処遇はどうするの?」
「聞くまでもないことです。Fクラスの生徒に公式戦で負けたのだから、Fクラスに転落です」
「キャハハハッハ! やっぱりそうなるよね~。じゃあさ、次、私とティラちゃんの公式戦でどうかな?」
「は? 何を」
「それで次負けたら、アンタ除籍になるじゃない」
「ティラさん。リーナはそう言っていますが負けなければいいだけですよ」
 エナメスは冷たい笑みでティラを見放した。
「そんな・・・・・・」
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