お米大好き農家のおっさんが異世界転移した物語 〜とりあえず田んぼ作るか〜

りんご定明

文字の大きさ
3 / 17

3粒目

しおりを挟む
「うーいてて。私は何をしてたのでしょうか」

 龍に気化されて、おっさんは理性を取り戻した様子。

 そして、どこか見覚えのある扉が前に…



      ギィィィィィィィィ


「だ、誰で!?山田さん!?……なんでここにいるのですか!?まさか!神になったのですか!?」

 音のわりに重くない扉を開くと、そこには、おっさんの転生担当がいた。おまけとしてニニギノミコトもいたが。

(おまけじゃねえよ!)

 おっと。聞こえてた。

「えーと、上空から落ちたところまでは記憶があるのですが、それからがあいまいになってますね」

 なんと、おっさん。記憶がすっ飛んでいるようです。

「落ちて骨折?」

「いや、痛みはありませんでした」

「んー。なんですかね」

「そー言えば、いきなり燃えるように熱くなりましたね」

「燃やされた?」

「かもしれませんね」

「はー。仕方ない。これつかって」

「ん?なんですか?」

 ニニギノミコトはどこからともなく、巨大な鏡を取り出した。それは、彼?の身長を遥かに超える、ものすごい大きさの鏡だった。

「でか!」

「ふふん!これは、時翔の鏡タイムループミラーってもんで、任意の過去を映し出せる、神器のなりかけなんだ。神器になったら、未来とかもいけそうな感じだけど…」

「「ど?」」

「進化素材が足りん」

「ゲームか!」

 このツッコミを入れたのはもちろん転移担当であり、おっさんはというと、

(新家?惣菜?なんじゃそりゃ)

 全く関係のないことを考えていた。

「とにかく!見てみるべし!」



 そこに映っていたのは、アフリカの草原。アリがジャガーに踏み潰される映像だった。


「「「……」」」

「ノーカウントで」

「「激しく同意」」



 そこには、龍のブレスで気化するおっさんが映っていた。

「「「…………」」」

「よ、よく生きてたな」

「右に同じくです」

「ここにいるので死んでませんか?」

「「あっ」」











「ん?」

「「ひそひそ」」

「んん?」

「「ボソボソ」」

「あのー」

「「ぱさぱさ」」

「目の前に、復活リスポーンが表示されてるんですけど」

 半透明な板のようなものがおっさんには見え始めていた。

「「キターーーーーーーーー」」

「うるさ!」

「ごめんごめん。ちょっと、不老不死のスキル内容を変えてたんだ」

「どう変えたのですか?」

「死んだ時に、直前に寝た場所に復活するようにセッティングしといたよ。しかも完全回復状態で。もちろん、ペナルティは発生しない」

 幼女が胸を張ってドヤーしても、微笑ましいのみで、全くかわいい。

「ありがとうございます」

「そういえば、『亜空間倉庫インベントリ』も追加しとくねー」

「はーい」

「それじゃ!いってらしゃーい」

「いてきます」













「オロロロロロロロオロロロロロオロロロロロロロロロオッロロロオッロオロ」



 安定のリバース










     ピーピーピーピーピーピーピー

「え?なに?」

「管理盤、っと」

「「ふんふん、なるほど」」



「って、またゲロ!?」

「うーん。胃の中にはなにも入ってないはずなんだが」

「不思議なおっさんね」

「それな」




        ペコンペコン




「ほらね」

「なにがです?」















「うわぁぁぁぁぁっぁぁ!」


 また、落下。今度はぶっ壊れないといいな。






「あいててて。やっぱ、痛いなー」

 ほっ。今度は無事そうですね。



「ところで、ココドコ?」

 周りには、これでもかっ!というほど、木々が生い茂っている未開の地に着いた。

「んー。とりあえず、地図が欲しいな」

 何を隠そう、このおっさん。世界地図ワールドマップの存在を全く忘れてしまっている!

「まぁ、歩けばなんとかなるさ」

 解説のために説明すると、ここは 実り深き世界樹の大森林 なのである。この森は、半径30キロにも及ぶ、大森林の名に恥じない、巨大な森林なのである。その中心に構えている極大の木は、世界樹である。大人が万単位で手を繋いでも届かないほど、太い幹。宇宙空間にまで届くその先端まで、水々しい深緑の木の葉が輝いている。

 莫大な魔力を周囲に撒き散らすので、魔獣すら近づけられないほどである。故に神にすら届きそうな力を持っている。

 ちなみに魔獣とは、動物が甚大な魔力を貯めている、魔力溜りにふれ、突然変異したものである。ゴブリンは知能の低い亜人として捉えられている。決定的な差は、体内に魔石を持つかどうかである。

 話がそれたが、その影響で、周りには強力な魔物、やばい霊草、頭おかしい薬草が生えに生えている。

 大森林の大半が世界樹の種子によって生えた木である。

 その木の実は美味しく、一度食べれば病みつきになり、そこんじょそこらの麻薬なぞ屁でもないほどの、依存性を引き起こす。

 とある国の王様が、一度食べたばかりに、軍隊を派遣してまでも取りに行った。もちろん、全滅した。




________

りんご

今回は説明回になってしまった。

反省しなければ。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...