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番外編 すれ違う再プロポーズ
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「彩綾は生理不順ってわけでも、重いわけでもなかったよな?なのに飲んでるってことは別の目的で飲み始めたってことなんだろ?それってもう1つしかないじゃんか。……避妊目的で飲んでるってことだろ?」
悲痛な顔で拓斗くんは続ける。
「彩綾の身体なんだから、彩綾が決める権利がある。けどさ、避妊目的だったら、俺たち2人の将来にも関わることだろ?俺ってそんなに信用ない?俺に話せないほど、相談できないほど俺って頼りない?」
こちらに視線を持ってきたが、私は拓斗くんの顔が見れなかった。震え始めた唇を噛んでそれを止めた。
「確かに、しばらくは2人でいたいって言ったけどさ、子どもができたらできたでそれでいいと思ってた。子どもって授かりものだし。結局は結婚するんだし、同じことだって。でも、彩綾にとっては違ったんだろ?もしできちゃったらそのせいで俺が逃げられなくなって仕方なく彩綾と結婚することになっちゃうとか思った?それともできちゃったらまた俺が前みたいに戻っちゃうと思った?」
「……っ」
全部全部図星だった。私が考えていたことは筒抜けだったんだ。
どれだけ愛情を見せられても、不安がずっとそこにはあった。愛されてると感じても、いつかのことを考えしまう。捨てられるんじゃないかって。
そんな気持ちのまま子どもなんて作れない。作っちゃいけない。育てる自信なんてない。まして、また1人になって子どもと自分だけ残されたらって考えたらさらに怖かった。
私は弱い人間だ。本当に弱い。
離れたら生きていけなくなるのは私の方。もう、拓斗くんがいない人生なんてら考えられない。それなのに、どうしてか拓斗くんを信用しきれない自分がいる。
また拓斗くんが前みたいに戻ったらって考えたら、そして今度こそ振られたら、もう私は、生きていけない。怖い。怖いよ。
あなたのいない世界を想像しただけで身体が動かなくなって冷えていく。
そんな私の元に拓斗くんが近づく。冷えた涙を拭ってくれて、温かい手で冷え切った私の両手を包み込んだ。
「彩綾、愛してるんだ、お前を。子どもが出来ても離れていったりしないよ。結婚しても、子どもが出来ても、お互い年取っても、太ったって病気になったって俺は彩綾の側にい続けるよ。彩綾だけを愛し続ける。約束する」
こつんとおでこに拓斗くんの額があたった。
その言葉を信用できればどれだけ救われるか。
信じきれない私はどこかおかしいのかもしれない。だってこんなに、私のこと好きでいてくれるのがわかるのに。その腕の中に完全に身を委ねるのが怖いのだ。
「って言っても彩綾は信じてくれないよな」
はは、と自嘲気味に笑う拓斗くん。
「だったらもう、俺の好きにする。だってどうせ、彩綾はもう俺なしじゃ生きられないだろ?俺が彩綾なしには生きられないのと一緒で」
え?と拓斗くんのその言葉に私は顔を上げた。
「入籍は覚えやすいから結婚式の日と一緒にしようって言ってけど、やめよ。もう日曜に届けを出しに行こう。待っていられない」
そんな好きにするって……。
いきなり入籍?
突然のことについていけない。
「避妊薬出せよ、全部。そんでそこのゴミ箱に捨てて」
備え付けのすぐ手の届く所にある小さなゴミ箱を指さす。
「もう俺はセックスする時は避妊はしない」
ドキリと心臓が揺れた。
避妊しないってことはもうコンドームを付けてくれないってこと。
ピルを飲まずにゴムなしでセックスしたら妊娠する可能性はある。
「お前を繋ぎ止めておくにはもう子ども作った方がいいってわかった。余計なこと考えて悩まれるよりも俺のしたいようにする。いずれ子どもは欲しいと思ってたし、今できても変わらないよ」
教え込むように優しく私をさとす。
キスされそうなくらい近くで顔を覗き込まれた。
「ピル捨てて俺に抱かれるか、今日はこのまま家に帰るか」
どうする?と耳元で囁かれてうなじあたりがゾクゾクと痺れた。吐息が頬にかかり、唇がかすかに触れていった。
ぎゅうっと抱きしめられて、ぐりぐりっと熱く固くなったものが私のお腹あたりに押し付けられた。
「な、彩綾、俺のもうこんなになっちゃってる…、我慢できないって…」
熱い視線に射抜かれて、身体が熱くなる。
私に選択肢を与える拓斗くん。帰るという逃げ道も作ってくれている。
怖いけど、でも私にはあなたがいない方がもっと怖い。
震える手でピルをカバンから取り出して拓斗くんに渡そうとした。けれど拓斗くんはそれを受け取ろうとはしない。
「ダメ。自分で捨てて?」
そんな。自分で?
びくりとピルを手に持つ腕が大きく揺れた。
ぐるぐると頭が回ってどうしたらいいかわからない。
「ごちゃごちゃ余計なこと考えるなよ。不安になる暇もないくらい愛してやるから、な?」
拓斗くんの囁きに頭がくらくらとしてくる。
彼が欲しい。
何も考えたくない。
何も考えられなくなるくらい、私を愛して欲しい。
「俺と家族になろ?俺と家族、つくろ?」
震えたままの手で持っていたピルのシートを自らゴミ箱へと離した。
何も考えられなくなるくらい愛して。
拓斗くんと一つになりたい。
悲痛な顔で拓斗くんは続ける。
「彩綾の身体なんだから、彩綾が決める権利がある。けどさ、避妊目的だったら、俺たち2人の将来にも関わることだろ?俺ってそんなに信用ない?俺に話せないほど、相談できないほど俺って頼りない?」
こちらに視線を持ってきたが、私は拓斗くんの顔が見れなかった。震え始めた唇を噛んでそれを止めた。
「確かに、しばらくは2人でいたいって言ったけどさ、子どもができたらできたでそれでいいと思ってた。子どもって授かりものだし。結局は結婚するんだし、同じことだって。でも、彩綾にとっては違ったんだろ?もしできちゃったらそのせいで俺が逃げられなくなって仕方なく彩綾と結婚することになっちゃうとか思った?それともできちゃったらまた俺が前みたいに戻っちゃうと思った?」
「……っ」
全部全部図星だった。私が考えていたことは筒抜けだったんだ。
どれだけ愛情を見せられても、不安がずっとそこにはあった。愛されてると感じても、いつかのことを考えしまう。捨てられるんじゃないかって。
そんな気持ちのまま子どもなんて作れない。作っちゃいけない。育てる自信なんてない。まして、また1人になって子どもと自分だけ残されたらって考えたらさらに怖かった。
私は弱い人間だ。本当に弱い。
離れたら生きていけなくなるのは私の方。もう、拓斗くんがいない人生なんてら考えられない。それなのに、どうしてか拓斗くんを信用しきれない自分がいる。
また拓斗くんが前みたいに戻ったらって考えたら、そして今度こそ振られたら、もう私は、生きていけない。怖い。怖いよ。
あなたのいない世界を想像しただけで身体が動かなくなって冷えていく。
そんな私の元に拓斗くんが近づく。冷えた涙を拭ってくれて、温かい手で冷え切った私の両手を包み込んだ。
「彩綾、愛してるんだ、お前を。子どもが出来ても離れていったりしないよ。結婚しても、子どもが出来ても、お互い年取っても、太ったって病気になったって俺は彩綾の側にい続けるよ。彩綾だけを愛し続ける。約束する」
こつんとおでこに拓斗くんの額があたった。
その言葉を信用できればどれだけ救われるか。
信じきれない私はどこかおかしいのかもしれない。だってこんなに、私のこと好きでいてくれるのがわかるのに。その腕の中に完全に身を委ねるのが怖いのだ。
「って言っても彩綾は信じてくれないよな」
はは、と自嘲気味に笑う拓斗くん。
「だったらもう、俺の好きにする。だってどうせ、彩綾はもう俺なしじゃ生きられないだろ?俺が彩綾なしには生きられないのと一緒で」
え?と拓斗くんのその言葉に私は顔を上げた。
「入籍は覚えやすいから結婚式の日と一緒にしようって言ってけど、やめよ。もう日曜に届けを出しに行こう。待っていられない」
そんな好きにするって……。
いきなり入籍?
突然のことについていけない。
「避妊薬出せよ、全部。そんでそこのゴミ箱に捨てて」
備え付けのすぐ手の届く所にある小さなゴミ箱を指さす。
「もう俺はセックスする時は避妊はしない」
ドキリと心臓が揺れた。
避妊しないってことはもうコンドームを付けてくれないってこと。
ピルを飲まずにゴムなしでセックスしたら妊娠する可能性はある。
「お前を繋ぎ止めておくにはもう子ども作った方がいいってわかった。余計なこと考えて悩まれるよりも俺のしたいようにする。いずれ子どもは欲しいと思ってたし、今できても変わらないよ」
教え込むように優しく私をさとす。
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「ピル捨てて俺に抱かれるか、今日はこのまま家に帰るか」
どうする?と耳元で囁かれてうなじあたりがゾクゾクと痺れた。吐息が頬にかかり、唇がかすかに触れていった。
ぎゅうっと抱きしめられて、ぐりぐりっと熱く固くなったものが私のお腹あたりに押し付けられた。
「な、彩綾、俺のもうこんなになっちゃってる…、我慢できないって…」
熱い視線に射抜かれて、身体が熱くなる。
私に選択肢を与える拓斗くん。帰るという逃げ道も作ってくれている。
怖いけど、でも私にはあなたがいない方がもっと怖い。
震える手でピルをカバンから取り出して拓斗くんに渡そうとした。けれど拓斗くんはそれを受け取ろうとはしない。
「ダメ。自分で捨てて?」
そんな。自分で?
びくりとピルを手に持つ腕が大きく揺れた。
ぐるぐると頭が回ってどうしたらいいかわからない。
「ごちゃごちゃ余計なこと考えるなよ。不安になる暇もないくらい愛してやるから、な?」
拓斗くんの囁きに頭がくらくらとしてくる。
彼が欲しい。
何も考えたくない。
何も考えられなくなるくらい、私を愛して欲しい。
「俺と家族になろ?俺と家族、つくろ?」
震えたままの手で持っていたピルのシートを自らゴミ箱へと離した。
何も考えられなくなるくらい愛して。
拓斗くんと一つになりたい。
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