【BL】「私のミルクを飲んでくれないか」と騎士団長様が真剣な顔で迫ってきますが、もう俺は田舎に帰ります

ノルジャン

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 今後? ワンナイトなんだから俺たちに今後もなにもあったもんじゃないのに。
 もしかして、わざわざ俺のことを故郷まで見送ってくれるつもりだったのか?!
 スミスさん、いい人にもほどがあるだろ。東の村にはもちろん俺1人で帰れるし、そのつもりだ。
 しかも意味を知らない単語が出できて混乱してきた。

「あー、そっか、王都では通じるんだけど、蜜月期は一般的にはなんていうんだっけ? えーと、初夜?」

「しょ、しょや???」

 しょや、という言葉が俺の頭では変換されず、ますますわからない。

「いや、ちょっと違うか……。んー、なんて言えば……発情期?」

「はつじょうき……」

 全くわからん……。

 俺の理解していない困惑の様子に、スミスさんの顔色がどんどん悪くなっていく。

「え? ……ちょ、ちょっと待って、昨日イチゴは私のプロポーズの言葉を受けてくれたよね?」

「ぷ、ぷろぽーずぅうう???」

 待って待って。
 そんな記憶全くないんだけど!

「私のミルクを飲んでくれるって言ったじゃないか! 番いになってくれるから、私のミルクを飲んでくれたんじゃないの?!」

「はえぇえ! あ、あれってプロポーズの言葉だったの?!」

 ミルク飲んでくれがプロポーズになるのは無理があるだろ!

「そうだよ! 牛獣人と番いになるプロポーズの言葉で……私は牛獣人ってことは王都民はみんな知ってるし、当然イチゴも知ってるかと思ったのに……まさか、知らなかった、なんてことは……ない、よね?」

 ちょちょちょ。
 情報が濃すぎて内容が頭に入ってこない!
 
 スミスさんは牛獣人?!で、ミルク飲んでって言葉がプロポーズの言葉で……?
 
 しかも番いって、もしかしてセフレじゃなくてパートナーとかそういう意味?
 めっちゃ勘違いしてた。

 ……えぇ?
 なにそれ?
 ちょっと話についていけない。
 
 そして俺は、大事なことに気づいてしまった。

「待って! スミスさんって俺のこと、もしかして好き、なの?」
 
「好きじゃなきゃ私のミルクを飲ませたりしないよ! イチゴは好きでもない相手と、あんなえっちなミルク飲めるの」

 俺を非難するようにキッと睨みつけてくるスミスさん。その目には涙が滲んでた。
 
「のっ、のめるわけないしゃん! 俺、スミスさんだったから……スミスさんのこと好きだから飲んだんだよ」
 
「イチゴ……!」

 ほっとした顔をしながら、ギュウギュウと苦しいくらいに抱きしめられた。むちむちの胸筋に溺れそうになって息が苦しかったけど我慢した。

 しばらくの間抱きしめられて、スミスさんは落ち着いたのかゆっくりと腕が離される。

 

「それでイチゴ? その荷物はなにかな?」


 鋭い眼光がギラギラと光って、細い目がさらに細められて俺を睨みつける。

 背中に背負ったパンパンに膨れ上がった鞄が見つかってしまった。

 草食系の牛とは思えないほど強い眼光だ。獲物を見つめる大型動物みたいでめっちゃ怖い。
 思わず萎縮してしまった。
 
 いや、なんか牛とミルクってイメージで勝手に草食系とか思っちゃってたけど、牛は牛でもスミスさんは闘牛かなんかなのか?!

「えっ……えと、これはそのー……」

 ダラダラと汗が流れてくる。

「番いになって、あんなに愛し合ったのに、俺のことを捨てようとするんだ?」

 捨てようとするとか人聞きが悪い!
 だってワンナイトだと思ってたし、俺はスミスさんのこと好きだったけど、スミスさんの方は俺なんかその他大勢の1人だと思ったんだもん。

 しかも、スミスさん自分のこと俺とか言ってる!

「イチゴ? 何とか言ったらどうだ?」

「す、スミスさん? いつも私って言ってるのになんで俺って、しかも口調がちょっと乱れて……っ」

「国を守る騎士だからね、一人称は直したよ。けど感情的になると、どうしても昔からの言葉遣いがでてくんだよな」

 じりじりと距離を詰められる。
 俺は後ろに後退すると、ぼふん、と自分のベッドの上に尻もちをついた。

 その上からスミスさんがのしかかる。

「や、スミスさん……っ」

「あれだけした早朝に元気に出て行こうとするんだ。まだまだ体力はあり余ってるみたいだね?」

「い、いや……そんなことは……」

 実は、俺の体はちょっと寝たらかなり体力は回復していた。だけど、昨日散々いじられた大事なところはどこもかしこもヒリヒリとしている。

「体でわからせないとダメみたいだな?」

 ちょっとイラついた感じで、ふー、と息を吐き長い薄茶の髪をかきあげる仕草もカッコいい……じゃなくて!

「すす、スミスさん! 今日仕事は!?」

「今日は土の日で休みだよ。明日も休みだから、この2日間でたっぷりと教え込んであげる。イチゴは俺の番いだってこと」

 のしっ、と体重をかけられてスミスさんの膨らんだ股間を押し付けられると、昨日快楽を教え込まれた体は、じくり、と熱くなって反応してしまった。
 

「ふッ、や、…………ッ」
 

 拒否の言葉は甘くて深いキスで塞がれた。


 

 その後は離してくれなくて部屋から一歩も出れず、スミスさんに体を好き放題貪られた。
 昨夜より激しく甘やかさせてどろどろにされ、この時俺は絶対にスミスさんを怒らせたらだめだと学んだ。
 

「愛してるよ、俺の可愛い番い……」
 

 甘い言葉をずっと囁かれて耳までとろけていった。

 月の日の朝までずっと俺は甘い嬌声を上げ続けて、スミスさんのミルクをいっぱい注がれて飲み続けた。

 
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