【BL】できそこないΩは先祖返りαに愛されたい

ノルジャン

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 みんなのためを思って自分の時間を削ってやっていた事だったのに、それが当然だ、みたいな態度に家族みんながなっていった。
 それが本当に苦しかったんだ。俺だけ家族として受け入れて貰えていない気がした。
 俺だけ血のつながらないただの使用人みたいな、そんな扱いに耐えられなくなっていった。
 きっと、俺だけが家族の中でオメガだったということが大きな要因だったんだと思う。両親も、俺がオメガという診断を受けた直後から「なんだってオメガなんかに」って冷たい目で見下ろされた。
 家族は、オメガの俺を受け入れられなかったんだって。
 その時の辛い気持ちが溢れてきて顔が曇った。

「あ、いや!心配すんなよ?そんな当時みたいにあくせく働くことはないから!お願いしたいのは男一人分のお世話だけだし」
「あ……子どもいる家族とかじゃないんだ?」

 それを聞いてホッとした。家事代行というから、子持ち共働き夫婦の忙しい世帯を想像していた。そうなるといくらタイセーの頼みで仕事を選べる立場にない無職の俺でも昔を思い出しちゃうからちょっと嫌だなと思った。
 でも男のお世話か。一人だけならそんなに大変そうでもない。むしろ仕事がしやすそうだ。
 家庭料理にはなっちゃうけど、料理を作るのは得意だ。自慢じゃないけど家族の中でも美味しいって評判だった。大家族だったから、要領よくテキパキと家事をこなせていたと思うし。たまにおっちょこちょいを発揮したりはしていたが。タイセーも、俺の作る料理を美味い美味いって言っていつもがっついて食べてくれていた。

「俺の仕事仲間なんだけどさ、生活力がないんだよな。一人暮らしで放っておくと勝手に餓死しそうになって……食べるの忘れてたとか言ってさ。それでちゃんと飯食えよっつったら逆に食べ過ぎてブクブクに太り始めたりして……。誰かが面倒見てやらないとダメっぽくて」
「なんか変わったやつなんだな、そいつ」

 家族の世話、と聞くとドキリと心臓が嫌な音を立てるくらいには嫌悪感が湧く。だけど、俺は元々は世話好きな性格みたいで、そんなだらしのない生活能力の低いやつがいるってなると話は変わってくる。
 今は一人で生活しているけど、長年自分の家族をお世話していた影響もあるのか、人のお世話をする、面倒を見るって言うのは好きなのかもしれない。そんな生活力のないやつは俺が面倒を見てやらないと、という気持ちがむくむくと湧いて出てきた。
 変わってそうだけど、すごくそいつに興味が出てきたな。
 
「変わってるけど、まぁ素直でいいやつだよ。種族柄なのかあんま表情読めないけど、チャットではめちゃくちゃ陽気なやつでそのギャップが面白くてさー」
「仕事仲間ってことはゲーム配信の?」
「そうそう!あいつソロでやってたんだけど、最近俺らのチームに入ってくれて、一緒にゲームして配信してる」

 タイセーはゲーム配信者として活躍している。結構その界隈で人気のあるゲーマー配信者だ。
 俺も遊びで過去に一緒にゲームしたことあるけど、操作が下手すぎてなんの役にも立てなかった。
 面白いとか思う前にもうゲームキャラが死んでしまう。
 だからゲームの上手いやつってだけで尊敬する。あと、パソコンとかの機器に強そうで羨ましい。
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