俺は勇者になりたくて今日もガチャを回し続ける。

横尾楓

文字の大きさ
75 / 92
第7章

晴天でも雨は降る。

しおりを挟む
♢コテージに泊まって朝

朝食を済ませた後は部屋で少し休憩。
フローリアのライブまで時間があるから
それまでこの辺りを見て回ろうと思う。
結局何もしてないのに申し訳がないけれど
来たからには楽しみたい。

「荷物はホテルの方に運んでおきますね」
「ありがとうミト。行ってきます」

密林地帯には古代ヤシが群生していて
ほかの植物も見かけないものばかり。
それにしても良い天気だ。.....あれ?

「今日から雨が降るんじゃなかったの?」
「うん...間違いないと思うよ」

まあ、観光には晴れてた方がいいのだけれど...
雨なんて降りそうもない感じで
木々の隙間から真っ青な空がのぞく。

「ここは私たち種族や精霊が守ってきた森です」
「だからこのように手付かずの自然がー」

この子はミトの双子の妹でヨツ。
性格は真逆で理性的。少しだけシャイ。
密林はガイドを付けないと危ないからと
一緒について来てくれたのだ。

「もうすぐ有名な大滝が見えてきますよ」

ポツポツ...ポツ.....
ザアァァァァァァァァァァッ......

空は晴れているのに
急に激しいスコールが降り出した。
南国らしい独特の天気だ。

台風の目っアイウォール!」
「これがウェザー様の力なのですね...すごい」

その場で少し待ったけど
カレンの予報通り降り続きそうな感じだから
仕方なく今日泊まる別館のホテルに移動。
全然観光できなかったな...でも

「良かったね。念願の雨が降って」
「ウェザー様が雨雲を連れて来たのだと思います」
「そんなことないよー」

実際本当にそんなことはないらしい。
偶然が重なっただけだとカレンは言っていた。
結果オーライというやつだ。


「お待ちしておりました」
「レオナルド様とカレン様ですね」

ここで案内は交代。
昨日会えなかった長男のイトは
ホテルの総支配人兼コンシェルジュをしている。
獣の血が薄いのかほぼ人間で、結構イケメン。

別館のホテルは近代的な作りで
コテージとはまた違う高級感が漂っている。
人間も何人か雇っているようだ。

「今夜ライブを鑑賞されると伺いました」
「こちらが空いていれば是非ご利用ください」

ライブの件も話が通っていて
ロビーの大型魔術モニターを勧められた。

「実は私もファンなのですよ...」

こっそり教えてくれた。
なんだ仲間がいるじゃないか。
嬉しそうに尻尾をパタパタさせるイト。
........尻尾生えてるっ!?

「ああ、コレが気になりますか?」
「私は尻尾だけ獣が強いのです(フサフサ)」
「わぁー!かわ...(ふぐぅ)」

慌ててカレンの口を塞いだ。
危ないところだったな...

「ふふっ...別に構いませんよ。慣れてますから」

イケメンは内面までイケメンなのか...
素敵な笑顔でサラッとそう答えた。
俺が女だったら確実に惚れている。

それから昼食をとり館内で時間潰し。
トレーニングルームやサウナもあるけれど
暑いから誰も使ってなさそうだし
俺も昨日の稽古で疲れたからダラダラしていたい。

「お待たせいたしました」
「お部屋の準備が整いましたのでご案内します」

すごく高そうな部屋が用意されていた。
最上階で雨が降っていなければ海が見えるし
ふかふかで広いベッドも最高で
多分二度と泊まる機会はないと思う。

「くかぁ...(フニャフニャ...)」
カレンは寝溜めをすると言って横になった。
俺も目覚ましをかけてライブまで仮眠を...

ピッピッ...ピッピッ...ピッピッ...ピッピッ...
(んぅ...うるさいな。カレンまたピッピィを.....)


「ねえレオ、これさっきから鳴ってるよ?」

ゆさゆさと俺の体を揺するカレン。
ピッピィではなくて館内通信の音のようだ。
通話と書かれたボタンを押す。

「レオナルド様!もう十五分前ですよっ!」
(........やばっ!寝過ごしたぁぁぁ)


寝起きのままロビーまで走ると
イトの他にも何人か宿泊客が集まっていた。
魔術モニターは既に誰かの端末に繋がれていて
ライブ視聴シリアルコードも入力済のようだ。

「まだ開演前です。間に合いましたね」
「すみませんでした...」

ホテルの制服から私服に着替えたイトが
俺達の席を用意して待っていてくれた。
限定のI LOVE フローリアTシャツを着ていて
かなり熱狂的なファンのようだ。

「あ、始まりますよっ!フローリアァァァ!!」

爽やか大人イケメンのイメージが.....
いや、女子的にはコレはこれでギャップ萌えなのか?

それはさておきライブが始まった。
ここは遠い南にあるホテルのロビーだけれども
ライブ会場さながらの盛り上がりをみせた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。 ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...