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第一章 世界に降り立った俺は、人狼を探すことにしました。
化け者だ〜れだ!? chapter.01
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ゲームとやらが始まって数日が経つ。この数日でわかったことがいくつかあった。
一つ目にこの世界は、今までの世界とは違う部分がある。その代表的なものが《異能》と呼ばれるものである。
現在このゲームに参加しているプレイヤーには個々特有の異能があり、その能力を用いてゲームを進めなければいけないようだ。
二つ目にこのゲームは、人狼ゲームに似た部分がある。その証拠に陣営が三つに別れていた。
俺たちが所属する市民陣営。攻撃特化が少なく、防御特化の異能保持者が多い。
市民陣営と対立する人狼陣営。逆に防御特化が少なく、攻撃特化の異能保持者が多いようだ。
最後に中立の妖狐陣営。他陣営に比べ人数が少なく、攻撃も防御にも特化せず不死の異能保持者が多い。
しかし、人狼ゲームとは違い合計十人の戦闘不能によりゲーム終了らしい。
三つ目にこのゲームのプレイヤーは全員記憶にある最後の日付がバラバラだということだ。
俺の記憶では、ここに来る前は三月三十一日だった。
しかし、聞き込みをした全員その日付を答えることは無かった。
過去の日付のプレイヤーもいれば、未来の日付のプレイヤーもいる。
☆
周辺の建物に比べ、その建物だけ目立つように建設されているようだった。
一般住宅の中に赤色で五階建ての建物。
《異能研究部会》
表札にはそう書かれていた。
俺たちは湖エリア『アティウー』に来ていた。緑豊かで中心には大きい湖が陣取っている小さな町だった。
行き場もなく道端で困っていた俺を導いてくれた「金剛寺 昴」は、なんの躊躇もなく建物内に入っていく。
金剛寺は体育会系を象徴するかのような体育会系な女性だった。出るとこは出て引き締まるところはしっかり引き締まっている。
スカートを履いているが中にはしっかり黒のスパッツを履いている。スカートからスパッツが見えていても気にしない、そんな美少女だった。
「部会長の《赤塩 一姫》さんいる?」
「赤塩ですね。確認致しますので少々おまちください」
彼女の呼びかけで事務員の男性は、受話器を取り内線電話を始めた。
この世界には俺たちの他に現地住民が存在する。俺たちのように異能は使用できないが、好意的に思って手助けしてくれる人が多い。
しかし、中には好意的に思ってもらえない人もいるらしいので注意は欠かせないが。
金剛寺によると、赤塩という女性はお金が大好きな異能研究部会の創設者の一人だそうだ。
実際に戦闘を行っている姿を見た人物はいないが、市民陣営には珍しい戦闘向きな異能らしい。
詳しい内容までは金剛寺すら知らないそうだが、一時期自分の体を使って人体実験すらしていたのだという。
創設者は他に三人いる。
そのメンバー全員赤塩のように勉強研究が好きで時間を忘れて篭ってしまう、ある意味変わった集団のようだ。
俺たちはそんな変人集団である異能研究部会にとある理由で来ていた。
っというよりも、誰が味方か分からない以上出歩くことは命を棒に振ると思ったのだ。
そんなことをするくらいなら、どこかのグループに所属してしまった方が安全で今後の為だろう。
「お待たせ致しました。赤塩に連絡が取れましたので、エレベーターにて上階へお上がりください」
俺たちは受付の事務男性へお礼を言い、エレベーターの中へ入った。
赤塩の部屋は五階にある。
金剛寺は、エレベーターの扉を閉めると五階のボタンを点灯させた。
一つ目にこの世界は、今までの世界とは違う部分がある。その代表的なものが《異能》と呼ばれるものである。
現在このゲームに参加しているプレイヤーには個々特有の異能があり、その能力を用いてゲームを進めなければいけないようだ。
二つ目にこのゲームは、人狼ゲームに似た部分がある。その証拠に陣営が三つに別れていた。
俺たちが所属する市民陣営。攻撃特化が少なく、防御特化の異能保持者が多い。
市民陣営と対立する人狼陣営。逆に防御特化が少なく、攻撃特化の異能保持者が多いようだ。
最後に中立の妖狐陣営。他陣営に比べ人数が少なく、攻撃も防御にも特化せず不死の異能保持者が多い。
しかし、人狼ゲームとは違い合計十人の戦闘不能によりゲーム終了らしい。
三つ目にこのゲームのプレイヤーは全員記憶にある最後の日付がバラバラだということだ。
俺の記憶では、ここに来る前は三月三十一日だった。
しかし、聞き込みをした全員その日付を答えることは無かった。
過去の日付のプレイヤーもいれば、未来の日付のプレイヤーもいる。
☆
周辺の建物に比べ、その建物だけ目立つように建設されているようだった。
一般住宅の中に赤色で五階建ての建物。
《異能研究部会》
表札にはそう書かれていた。
俺たちは湖エリア『アティウー』に来ていた。緑豊かで中心には大きい湖が陣取っている小さな町だった。
行き場もなく道端で困っていた俺を導いてくれた「金剛寺 昴」は、なんの躊躇もなく建物内に入っていく。
金剛寺は体育会系を象徴するかのような体育会系な女性だった。出るとこは出て引き締まるところはしっかり引き締まっている。
スカートを履いているが中にはしっかり黒のスパッツを履いている。スカートからスパッツが見えていても気にしない、そんな美少女だった。
「部会長の《赤塩 一姫》さんいる?」
「赤塩ですね。確認致しますので少々おまちください」
彼女の呼びかけで事務員の男性は、受話器を取り内線電話を始めた。
この世界には俺たちの他に現地住民が存在する。俺たちのように異能は使用できないが、好意的に思って手助けしてくれる人が多い。
しかし、中には好意的に思ってもらえない人もいるらしいので注意は欠かせないが。
金剛寺によると、赤塩という女性はお金が大好きな異能研究部会の創設者の一人だそうだ。
実際に戦闘を行っている姿を見た人物はいないが、市民陣営には珍しい戦闘向きな異能らしい。
詳しい内容までは金剛寺すら知らないそうだが、一時期自分の体を使って人体実験すらしていたのだという。
創設者は他に三人いる。
そのメンバー全員赤塩のように勉強研究が好きで時間を忘れて篭ってしまう、ある意味変わった集団のようだ。
俺たちはそんな変人集団である異能研究部会にとある理由で来ていた。
っというよりも、誰が味方か分からない以上出歩くことは命を棒に振ると思ったのだ。
そんなことをするくらいなら、どこかのグループに所属してしまった方が安全で今後の為だろう。
「お待たせ致しました。赤塩に連絡が取れましたので、エレベーターにて上階へお上がりください」
俺たちは受付の事務男性へお礼を言い、エレベーターの中へ入った。
赤塩の部屋は五階にある。
金剛寺は、エレベーターの扉を閉めると五階のボタンを点灯させた。
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