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第7章:決意の再出発(前編)
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王都まで、あとわずか。
街道の小高い丘から見下ろすその大地には、荘厳な城壁と尖塔が、夕焼けを背に静かに浮かび上がっていた。
「……あれが、王都アルセリアか」
ハルトが思わずつぶやくと、隣でリアナが小さく頷いた。
「ええ。懐かしい、けれど……同時に怖い場所でもあるわ」
彼女の瞳には、複雑な感情が入り混じっていた。王都に戻ること、それは王族としての義務と責任を再び背負うことを意味していた。
サラは手綱を握りながら、興味深そうに王都を見つめていた。
「ふーん、これが貴族の街ってやつか。きらびやかだけど、裏もきっとドロドロなんでしょ?」
「たぶんな」
とハルトが苦笑する。ミルは、彼の肩の上でふにゃあとあくびをした。
一行は王都へ向けて歩を進めたが、その途中、ある異変に気づく。
「……なんか、空気がおかしくないか?」
レンが眉をひそめ、剣の柄に手を添える。
「魔力の流れが不自然だ。封印結界のような、いや……何かを探知している?」
リアナの表情も硬くなる。
「王都が何かに備えているのか、それとも……すでに動き出してる?」
その予感は、すぐに現実となった。
王都の門が視界に入る直前、検問所の前で異常な光景が広がっていた。旅人たちが列をなし、厳重なチェックを受けている。しかも、貴族の馬車ですら止められているようだった。
「……あれ、普通じゃないな」
「おそらく、私を探してる」
リアナが口を引き結ぶ。
「でも今は、“リアナ王女”じゃなく“旅の少女”だ。やるべきことは変わらない」
ハルトは静かに頷き、視線を仲間たちへと送る。
「ここで別れて、王都にはそれぞれ別ルートで入る。中でまた合流だ」
「やれやれ、また厄介なことになりそうだな」
「ふっ、風が騒いでいるな」
「まったく、運だけで何とかする気じゃないでしょうね?」
「もちろん、運と仲間がいれば十分だろ?」
にやりと笑って、ハルトは先に歩き出した。
その背中を、レン、サラ、そしてリアナが追いかける。ミルは小さく鳴いて、風の中を跳ねるように駆けていった。
――こうして、ハルトたちは王都への潜入を開始した。
一方その頃、王都城内。玉座の間では、重苦しい空気が流れていた。
「リアナ王女が生きていた……ですと?」
玉座の男が低く呟いた。その隣に控える黒衣の男が、無言で頷く。
「問題だな。あの娘が戻れば、民の心が動く可能性がある」
「すでに“追放騎士団”を動かしています。幸運スキルの使い手も同行しているとか。対策は必要かと」
「“彼”の再来か……面白い。だがまだ手は打つな」
王の指が、玉座の肘掛けをとんとんと叩いた。
「すべてが整った時、一気に潰す」
陰謀の気配が静かに、しかし確実に動き出していた。
そして、王都での再会と、さらなる絆の試練が、ハルトたちを待ち受けていることなど――この時の彼らは、まだ知らなかった。
街道の小高い丘から見下ろすその大地には、荘厳な城壁と尖塔が、夕焼けを背に静かに浮かび上がっていた。
「……あれが、王都アルセリアか」
ハルトが思わずつぶやくと、隣でリアナが小さく頷いた。
「ええ。懐かしい、けれど……同時に怖い場所でもあるわ」
彼女の瞳には、複雑な感情が入り混じっていた。王都に戻ること、それは王族としての義務と責任を再び背負うことを意味していた。
サラは手綱を握りながら、興味深そうに王都を見つめていた。
「ふーん、これが貴族の街ってやつか。きらびやかだけど、裏もきっとドロドロなんでしょ?」
「たぶんな」
とハルトが苦笑する。ミルは、彼の肩の上でふにゃあとあくびをした。
一行は王都へ向けて歩を進めたが、その途中、ある異変に気づく。
「……なんか、空気がおかしくないか?」
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「魔力の流れが不自然だ。封印結界のような、いや……何かを探知している?」
リアナの表情も硬くなる。
「王都が何かに備えているのか、それとも……すでに動き出してる?」
その予感は、すぐに現実となった。
王都の門が視界に入る直前、検問所の前で異常な光景が広がっていた。旅人たちが列をなし、厳重なチェックを受けている。しかも、貴族の馬車ですら止められているようだった。
「……あれ、普通じゃないな」
「おそらく、私を探してる」
リアナが口を引き結ぶ。
「でも今は、“リアナ王女”じゃなく“旅の少女”だ。やるべきことは変わらない」
ハルトは静かに頷き、視線を仲間たちへと送る。
「ここで別れて、王都にはそれぞれ別ルートで入る。中でまた合流だ」
「やれやれ、また厄介なことになりそうだな」
「ふっ、風が騒いでいるな」
「まったく、運だけで何とかする気じゃないでしょうね?」
「もちろん、運と仲間がいれば十分だろ?」
にやりと笑って、ハルトは先に歩き出した。
その背中を、レン、サラ、そしてリアナが追いかける。ミルは小さく鳴いて、風の中を跳ねるように駆けていった。
――こうして、ハルトたちは王都への潜入を開始した。
一方その頃、王都城内。玉座の間では、重苦しい空気が流れていた。
「リアナ王女が生きていた……ですと?」
玉座の男が低く呟いた。その隣に控える黒衣の男が、無言で頷く。
「問題だな。あの娘が戻れば、民の心が動く可能性がある」
「すでに“追放騎士団”を動かしています。幸運スキルの使い手も同行しているとか。対策は必要かと」
「“彼”の再来か……面白い。だがまだ手は打つな」
王の指が、玉座の肘掛けをとんとんと叩いた。
「すべてが整った時、一気に潰す」
陰謀の気配が静かに、しかし確実に動き出していた。
そして、王都での再会と、さらなる絆の試練が、ハルトたちを待ち受けていることなど――この時の彼らは、まだ知らなかった。
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