異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ

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第90話「宵の風鈴市、星色サイン! 光の指し札を星座配列にして、人波を歌に」

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 夕刻、最初のヒグラシが短く鳴いた。空は群青、屋根の線はまだ温かい。息玉は“ひとつ、ふたつ”と等間で揺れ、今日は宵の合図。

 私は鍋に湯を立て、《陽だし》を夜向けにほんの少しだけ濃く、《梅雨だれ冷やしうどん》は氷を薄く広げて“流れ”を作る。菓子枠は《ラムネ琥珀(こはく)》を星形に、“霜砂”は控えめ。新装備は“星色(ほしいろ)の指し札”“星座配列の光帯”“足拍星点(ほしだて)”“星縁ひさし”。合唱譜は“宵三行・星路版”。

「場所は?」

「寺の参道、風鈴市。軒の風鈴が連なって、人の流れが三本。星で分けるよ」

 王女セレスティアが白手袋をきゅっと整え、ビアンカは導線図に“宵”の印。ティオは団扇を一本増やして「トン・トン・スッ」を“宵拍”に柔らかく。ギルバート卿は胸章の裏に“星路”の細線を一本、マダム・コルネは懐中手帳をぱらり。

「準備、よろしい?」

「よろしい!」



 王都・寺の参道。竹灯籠が地面に淡い輪を落とし、頭上には風鈴の群れ。屋台連合は石畳に沿って帯状、私たちは三本の流れ口を“北(青)・中央(白)・南(金)”の星色で分けた。柱には《星色の指し札》を腰高に、上段には星座の並びで“北斗→夏三角”を描いた“星座配列の光帯”。足元には“足拍星点”。香り屏風は“夜縁-1度”。

 掲示板に太字——
宵の風鈴市=見通し×衛生×拍×光路

・三行は“息→道→灯(星)”、無音版併記
・星色の指し札(北=青/中央=白/南=金)を腰高に
・足拍星点で二拍誘導、風鈴は“青・白・素”で音域分離
・値札は小さめ、星縁ひさし+艶消し粉

 卿が前へ半歩。風鈴が“ちりり”。三行の宵声が、星の色に沿って落ちる。

「いらっしゃいませ。手をどうぞ、一呼吸。
 青は《陽だし》、白は《冷やし》、金は《ラムネ琥珀》。
 帰り道まで、あたたかいまま。」

 肩がすっと落ち、足が星点に吸い寄せられる。

「十秒試食どうぞー! 並ばせません、星の色へ!」



 仕込み(見せすぎない距離)

《陽だし小椀・宵》
・だし:甘露±0、塩“耳かき+1/8”。ゆず針一本。
・器:歩き椀、息返し穴-0.1mm。蓋の“扇縁”浅刻み。

《梅雨だれ冷やしうどん・宵》
・返し:淡口+みりん“雨縁”。青梅すりおろし“耳かき+1/8”。針生姜は見送り。
・器:小鉢に“雨縁”薄膜。水切り半拍長く。

《ラムネ琥珀》
・配合:砂糖:水飴=7:3、ラムネ露を“ひと息”。塩は笑顔塩を針先。
・仕上げ:表面“霜砂-ひと息”。携行は若草帯+霧返し紙。

 王女が木札(青/緑/白)を配り、ビアンカは三流の角度を1度ずつずらして交差を回避。ティオは簾の下で団扇を刻み、卿は“根・骨・縁”で星路を指す。



 事件一:提灯の“陰落ち”

 参道の中央、提灯の列が風で揺れ、星色の光帯に“陰の斑(まだら)”。白の帯が途切れ、冷やし列がよろける。

「背灯、入れます」

 私は光帯の背に“星背灯”を一本、色温“星白”で薄く灯す。星縁ひさしを3度寝かせ、値札は半歩内へ。足拍星点を二つ増やして“とん・すっ”の二拍に合わせる。

「見える!」

「白帯、戻った!」



 事件二:風鈴の“音被り”

 左右の屋台の鈴が同音で鳴り、二行目の分岐が耳で潰れる。

「音域を分けます」

 私は近隣と合図し、こちらは“青・白・素”、隣は“低・高・休”でバンド分割。ティオは二行目を半拍前、卿は一行目を深く、王女は指し札を高めに掲げる。

「青=温、白=冷、耳で分かる!」

「拍がほどけた!」



 事件三:綿菓子の“香路乱れ”

 向かいの綿菓子の甘い雲が風で流れ込み、冷やしの見送り香が前に出すぎた。喉が先に驚く。

「香路、扇尾」

 私は香り屏風の尾根を立て、角-2度。潮寄せ玉を0.2g外へ、花返し珠を内へ。見送り香を半拍遅らせ、鼻先半歩に“涼→温”の順を戻す。

「喉が楽!」

「香り、薄い星みたい!」



 事件四:琥珀の“くっつき”

 湿度で《ラムネ琥珀》の角が“ぴと”。若草帯に貼りつき、携行が遅れる。

「帯、霧返し強め」

 私は霧返し紙をもう一枚、端を0.5センチ浮かせて“息”。角に“雨留め点”を二つ。渡し角を1度寝かせ、霧扇を半拍だけ帯に当てる。

「持ちやすい!」

「冷たい顔が立った~」



 中盤。“二口半・宵の星セット”。青=小椀、白=冷やし、金=琥珀半片。緑札は“子連れ・年配・遠回り帰宅”優先。王女が笑顔珠を掲げ、星色が応える。私は渡す直前に両手一拍、湯気と涼と甘が“すうっ”と分かれた。

「値札は——」

「星縁ひさしで小さめ固定!」

「よろしい」

 魔水晶がぴこ。地球のキッチンから。

「進捗どう?」

「笑顔、青158/白176/金141! 白=冷やしが宵リード!」

「帰り道賞は?」

「今日は白→青の順。喉を先に、肩で帰る」

「“星色だしパック”、十二いける?」

「いけます!」

 世界が二つ、同じ星路で動く。



 臨時講座:星色“三行”

 参道の世話役が問う。「色で案内、覚えやすくしたい」

「三行を色に載せます」

 私は小札に書く。
『青で一息、白で分ける。/金で祝う。/帰り道まで。』

 王女が配色を示し、卿が“合”に余白。子が指で星点を踏むたび、鈴が“ちり”。



 衛生巡回:宵版

 白腕章が灯を手に現れる。「砂糖ものと冷やしの並走、衛生は?」

「三行で」

『手袋は乾→濡。/器は内→外、縁は扇縁。/甘の道具は“霧拭き”後に鈴で区切る。』

「区切り音、助かる……小椀を二つ」

 判が“ぽん”。肩が落ちる。



 勘定オペ:星盆

 硬貨が湿り、紙は灯で影る。私は勘定盆に“星縁”を付け、角度を3度寝かせる。右に“ありがとう札”、左に“釣りの鈴”。“星白”の背灯で影を消し、手の迷いを切る。

「見やすい!」

「音で終われる~」



 路地口サテライト

 屋台の裏手、暗がりに細い流れ。私は小型の星色札を三つ、矢印で“青→白→金”。凧屋の少年直伝の“風受け尾”で光を押さえ、手話の少女が無音三行。路地の息がそろい、星点が小さく光った。

「裏にも道ができた」

 小さな迷子

 金魚風鈴に見入った子が列を離れる。親の目が不安で濡れる。

「星歌で呼ぶね」

 私は黒板札に数え歌三行。
『ひとつ、あおでてをあたため。/ふたつ、しろでみちをわけ。/みっつ、きんでただいま。』

 王女が歌い、ティオが小さく団扇。子の足が星点に“とん”。親の腕へ戻る。

「ただいま」

「おかえり」



 素材メモ

 宵は“涼→温→甘”。冷やしは梅+1/8、甘は霜砂-ひと息。小椀は塩+1/8で肩へ。ラムネ露は“耳かき”で香りだけ。——文庫“宵棚”に追記。



 終盤。星色の帯を一段明るく、足拍星点は二拍の“とん・すっ”を手前に。三行は祝句を“流れ星版”に。

「ラスト四十、いきます!」

 王女が木札を配り、ビアンカが白帯の角を1度寝かせ、青帯は“ほぼI”。ティオが「十秒試食どうぞー!」、卿が締めの宵三行。

「ありがとうございました。手をどうぞ、一呼吸。
 青で温、白で冷、金で甘。
 流れ星まで、良い宵を。帰り道まで、あたたかいまま。」

 風鈴が、星の下で“ちりん”。肩が、たくさん落ちた。



 片づけ。星色の札を拭き、背灯を消し、星縁ひさしを畳む。マダム・コルネが手帳を閉じる。

「宵の風鈴市、合格。改善三点。
 一、星背灯を標準、提灯の陰落ち対策を初手に。
 二、風鈴のバンド分割(青・白・素/低・高・休)を協定化。
 三、琥珀の帯“霧返し二枚+雨留め点二つ”を規格化。」

「次は夏祭り本編。花火と海流(かいりゅう)人波、光の指し札を“光路図”に拡張するよ」

 卿が帰り際、ぽそり。

「星は、足のための地図でもある」

「名言、いただきました」

 ゲートの向こう、地球の夜更け。私は冷やしを細く、小椀をひと口、ラムネ琥珀を“かり”。合言葉は色で短く。

「一呼吸。
 青で温。白で冷。金で甘。
 帰り道まで、あたたかいまま。」

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