少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

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13 ポーションを売ろう

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「ええと……瓶、瓶……あった!」

私は街の雑貨屋で、ポーション用のガラス瓶を買い込んでいた。
本当は錬金術で作れるんだけど、肝心の材料がなかったので今回は市販の瓶で妥協。

「うん、これだけあれば大丈夫かな。」

今回作るのは、初級ポーションとマナポーション。
どちらも冒険者には必須の回復アイテムだ。

ギルドマスターのネイサさんには「何かやるなら相談を」と言われたけど、これは料理じゃないし、勝手にやっても大丈夫だよね……たぶん。


---

宿屋に戻ると、すぐに調合に取りかかる。

初級ポーションは、体力回復用。
マナポーションは、魔力回復用。

調合自体は慣れているけれど、瓶詰めの作業に意外と時間がかかってしまい、出来上がったのは夕方近くになっていた。

「ふぅ……できた。どっちも10本ずつ、合計20本。初回にしては頑張ったかも!」

出来上がったポーションたちを丁寧に箱に詰めて、私は街の商会へと向かった。


---

「こんにちは!ポーションの販売をお願いしたいんですけど!」

商会の受付に笑顔で声をかける。けれど、返ってきたのは冷たい視線だった。

「はいはい。……新人さん? 今、ポーションの取り扱いは間に合ってます。失礼します。」

「えっ……」

私の差し出したポーションを、チラリとも見ずに突っぱねられた。

(え……なんで……? 品質も悪くないし、ちゃんと錬金で作ったのに……)

「ポーションが……売れない……?」

がっくり肩を落とし、私はとぼとぼと街の通りを歩き出した。
すると――

「そこの君~! 待ってくれー!」

背後から声が聞こえてきた。

振り返ると、モフモフした巨大な熊のような獣人男性が走ってくる。

(わっ!で、でっかい……!)

あまりの大きさに、思わず小声で呟く。

「……トイレに行っておいて良かった……」

「ん?何か言いましたか?」

「あっ、いえ、なんでもないです!」

笑顔でごまかしつつも、少しだけ身構える。

男性は息を整えながら話しかけてきた。

「君、さっき商会でポーションを売ろうとしてたよね? 実は、私もそこにいたんだ。」

「えっ、そうなんですか?」

「うん。気になってね……そのポーション、私に譲ってもらえないかな?」

「えっ、本当に買ってくれるんですか!?」

「もちろん。こっちも困ってたところなんだ。」

私の顔がぱぁっと明るくなる。

「何本お求めですか?」

「全部だ!あるだけ全部、買わせてほしい!」

「ぜ、全部ですか!? ありがとうございます!」

初級ポーションは1本銀貨1枚。
マナポーションは1本銀貨1枚と銅貨5枚。

合計で金貨2枚と銀貨5枚。思っていたよりずっといい取引になった。

「いやぁ、助かったよ。最近、冒険者たちの間でも質の良いポーションが足りてなくてさ。」

「そうだったんですね……」

「私はノランって言うんだ。君の名前は?」

「ミサトです!また作ったら売りますね!」

「うん、楽しみにしてるよ!」

ノランさんは笑顔で手を振り、私からポーションの入った箱を受け取って立ち去っていった。


---

宿に戻った私は、ベッドに倒れ込んだ。

「うぅーー!疲れたぁぁ……!」

初めてのポーション販売。
不安もあったけど、結果的には完売!

「ふふっ。ノランさんみたいな人がいてくれて、よかったなぁ……」

今回売ったポーションは、あくまで練習用に作ったもの。
明日は本格的に数を増やして再チャレンジしてみよう。

「もし売れ残っても、冒険者ギルドで買い取ってくれるって聞いたし……!」

明日はもっと売れるかもしれない。
でも、その分トラブルも増えるかも……?

「……お願いだから、トラブルには巻き込まれませんように!」

私はそう呟いて、明日の準備を思いながら目を閉じた。


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