少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

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19 街がパニック?

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私たちは、クローバーを仲間にして森を出た。

「さ、街に帰ろっか!モフ丸、クローバー、ただいまって言えるかな?」

〈モフっ♪〉〈はい、主様!〉

ワクワクしながら街の門に近づくと――

「止まれっ!動くな!」

突然、門番の声が響き、私たちに剣を向けてきた。

「えっ!? どうしたんですか?街に帰ってきただけなんですけど?」

「そ、その後ろの魔獣……!それ、デビルタイガーじゃないか!?」

クローバーのことを見て、門番の顔が真っ青になる。
気づけば、街の衛兵たちが次々と集まっていた。

「え、えーと……この子、私の従魔なんですけど。名前はクローバー、可愛いでしょ?」

「「「従魔!?」」」

その場が一気にざわめいた。
Sランクの魔獣、デビルタイガー――普通なら災害指定クラスらしい。

「従魔って珍しいんですか?」

「い、いや、珍しくはないが……デビルタイガーを従魔にするなんて聞いたことがない……君、一体何者だ……?」

「え?ただの冒険者兼商人ですけど?」

「…………と、とにかく!ギルドで従魔登録をしてくれ!街に入るなら、責任もって管理するように!」

「はーい!じゃあクローバー、行こっか!」

〈主様、街に入っていいの?やったーーーっ!〉

尻尾をぶんぶん振ってるクローバー。モフ丸は肩の上でちょこんと座ってる。
ふたりとも可愛い。なのに、街に入った途端――

「ひゃあっ!デビルタイガー!?」 「逃げろぉぉ!」

人々が悲鳴を上げて逃げ出し、大騒ぎになった。

「えっ、ちょっと待って!ただの従魔ですってば~!」

パニックを尻目に、私はギルドに急いだ。


---

「着いたー!さ、登録しよっか!」

……と思ったら。

〈主様~……ぬぐぐ……〉

「クローバー?」

なんとクローバー、ギルドの入り口に引っかかっていた。

〈……ふぎゅーん〉

そして――バキッ! ドンッ!!

「ああーっ、やっちゃったぁ……」

クローバーは入り口を壊して突入してしまった。
ギルドの空気が、凍りつく。

〈主様!やっと入れました~!〉

「クローバー!壊しちゃダメだよ!あとで直すから!」

〈ご、ごめんなさい……〉

耳と尻尾がしゅんと垂れ、しょんぼりしている。
……かわいい。怒れない。

「大丈夫!一緒に謝ろうね。直せば大丈夫だから!」

〈主様~ありがとうございます!〉

クローバーの元気が戻ったところで、受付に向かう。

「すみません!従魔が入り口を壊しちゃって……あと、この子の登録をお願いします」

……シーン。

「……あれ?」

周りを見回すと、受付嬢も周囲の冒険者も、完全にフリーズしていた。
普段は賑やかなギルドが、まるで時が止まったかのように静まり返っている。

「何で、皆固まってるの……?」

すると、上の階から重たい足音が響いてきた。

「なんの騒ぎだ……何を壊し……お前か」

ギルドマスターが階段から現れ、クローバーを一目見て言った。

「……そのデビルタイガーが、従魔か?」

「はい!でも、登録がまだで……。受付の人が固まっちゃってて」

「まぁ、無理もないな。俺がやろう。ギルドカードを出してくれ。それと、この首輪をつけてやってくれ」

「はい!」

クローバーに首輪をつける。

「クローバー、苦しくない?」

〈大丈夫です、主様♪〉

「よかった!」

そして私は、ギルドの入り口の修理依頼も申し出て、無事に登録を終えた。


---

その日の夕方、ギルド内はざわついていた。

「……あれ、本当にSランクの魔獣だよな?」

「しかも、あの女……従魔と話してたよな……?」

「やばすぎだろ。あんな子がパーティーにいたら無敵じゃね?」

「パーティー勧誘しようぜ、絶対!」

全冒険者が、密かに「仲間にしたい」と思っていた。

そして、上の階からその様子を見ていたギルドマスターは呟く。

「ふふ……ミサトか。あれは手放すには惜しい逸材だな。上手く味方につけておかねば……」


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