少女は自重を知らない~私、普通ですよね?

チャチャ

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40 神の手は予測不能

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「それじゃあ、グラトン。もう一回、さっきの拳、出せる?」

「ぷにゅ?」

 私がそう聞くと、グラトンは首(らしき部分)をかしげた。

「戦闘の時だけじゃなくて、いつでも出せたら便利じゃない?例えば、木の実を取るとか、ちょっとした移動とか――」

「ぷにゅ~……ごっどはんどっ!」

 グラトンが跳ねた瞬間、またもや金色の巨大な拳が地面から飛び出した。

《ズゴォン!!》

 今度は目の前の大木が根元から吹っ飛んだ。

「……えええ!? さっきより派手じゃない!?」

〈主……使い方、完全に間違ってますよぉ……〉

〈あんなの、木の実どころか森ごと無くなるぞ……〉

「いや、私もそう思ったけどさ、こんなに出力あるなら、もっと繊細に操作できないの?」

「ぷにゅ~~?」

 グラトンは無垢な瞳でこちらを見てくる。悪意ゼロ、破壊力満点。ある意味、最も厄介な存在だ。

「と、とにかく!しばらくは封印!緊急時以外は【ゴッドハンド】禁止!」

 私の叫びに、グラトンは“はーい”とでも言いたげに跳ねたけど――

「主さまー!大変だ!モフ丸が川で流されてるぞー!!」

 フクスケの叫びに振り返ると、モフ丸がなぜか小舟に乗って、川の流れにのってどんぶらこっこしていた。

〈た、たすけ……これは主の命令では……っ!?〉

「いや命令してないわよ!? っていうか、なんでそんなとこにいるのよ!?」

「ぷにゅ?」

 グラトンがピョンと跳ねたその瞬間――

「ちょ、まってグラトン!!やめ――」

 遅かった。

 ゴッドハンド、発動。

 モフ丸の乗っていた小舟ごと、グラトンの黄金の拳が空高くぶっ飛ばした。

「ギャアアアアアアッ!? 飛んでるッ!? ワシ、今飛んでるぞおおおおおおお!?」

〈主!? あの拳、もう完全に事故兵器ですっ!〉

「う、うそでしょ……!? なんで助ける方向で、宇宙まで飛ばすのよぉおおお!!」

 その後、モフ丸はなんとか木の上に引っかかって無事だったけれど、皆でよじ登って救出する羽目になったのだった。

「……グラトン」

「ぷにゅ?」

「やっぱり、あなたは封印……じゃなくて、強制もふもふ監視対象とします!!」

 こうして我が仲間に加わった神獣グラトンは、史上最も制御不能な戦力として、今後も私たちを振り回していくのであった――。


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