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Tkata

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竜車駅到着

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 無我夢中でクルマを走らせていたので一体どれくらいの距離を走ったのかわからないが次第に魔石銃の弾丸が届かなくなり、盗賊の姿がルームミラーの彼方に去っていくのが見えた。竜の体力が限界に達したのだ。『もう大丈夫なんか?』片山は緊張の抜けない頭でそう思ったが、アリファは違った。
「このまま全速力で走り続けて。まだ追ってくるかもしれない。」
 油断せず絶えず後ろを確認しながら片山に指示を飛ばす。
「わ、わかった…」
 片山は震える声で応えた。アクセルを緩めるつもりなど微塵も無くひたすら前だけを向き必死でクルマを操り続けた。早くこの場から去りたかった。
しばらく走り続け
「もう大丈夫みたい」
とアリファがホッとした面持ちで笑顔をこちらに向けてきて片山はようやく緊張を解く事ができた。右足が棒のように突っ張っているのに気付きゆっくりとアクセルを離していった。
 2つの太陽は距離を取り、先程より小さく見える。夜が近づいているのだろう。まばらに見える木々の影が薄くなってきているのがわかる。
 方角などまるで気にせずクルマを走らせてたがどうやら竜車駅の塔には近づいていたらしい。近づいてくるにつれ、かなりの高さがある塔だということが分かってきた。おおよそ2、 30mはあろうか、細長い白い石造りでその先端は避雷針のような先の尖った意匠が施されている。上部に人が登れそうな部分があり、物見櫓のような雰囲気である。
「あれが竜車宿です?」
 落ち着きを取り戻した片山がアリファに尋ねると
「そうよ、あれが竜車駅。今日はここまでね」
 と少し疲れた声で力なく返事した。
 その返答を聞き『はぁ…やっと休める…』と片山は固く握っていたハンドルをやっと緩めることができた。
 暗くなりだした草原の海に浮かぶような竜車宿をぐるりと囲む低い石塀が見えてきた。
 塔には暖色の仄かな灯りが灯され始めていた。

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