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門番
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竜車駅をぐるりと取り囲む石塀には木製の門があり、どうやらそこが竜車駅の内部に通じる唯一の出入り口となっている様だ。
遠目にもわかるほど厳しい門番がその閉じた門の両脇に立っているのが確認できる。竜の鱗が着いた革鎧に身を固め、魔石銃であろう武器を携えている。背丈は片山よりずっと大きく3メートル近くあろうかと思われた。鎧の下から覗く腕や足に付く鍛えられた筋肉が彼等の逞しさを強調している。
片山はゆっくりとクルマを近づけると門番は銃をこちらに向け警戒態勢を取ってきた。
「なにものか!」
門番は大きな声でこちらに向かって叫んだ。クルマの窓を閉めていても車中まで充分に届く声量だった。
大きな声に驚き片山はクルマを停めた。これ以上歩を進めると間違いなく攻撃してくる勢いだ。
「片山さん、ちょっとここで待ってて。」
そう言うとアリファはクルマを降り、1人、門番の元へ向かった。1人の門番がアリファに近づき互いに歩み寄る。何やら言い合いになっている風で片山は車中でハラハラしてきた。
丁々発止で言葉を交わしたかと思うとアリファが何やらを門番に見せる。すると決着がついたのか門番がこちらに来い、というふうな合図をした。
片山は少し怯えながらそろりとクルマを進め、門番に近づき窓を開けた。事の成り行きに任せるしかなかった。
「門を開けるから少し待て」
門番はそう言うともう一人の門番と示し合わせ開門の合図を石塀の中に送った。
アリファは再びクルマに乗り込み「もぉ」と一言いうと
「これを見せたらわかってくれたわ。」
と首から下げた鉄製の認識票を片山に見せた。
「なにそれ?」
片山が尋ねると
「身分証明ね。出身地だとか名前だとかそういうのが刻まれてるの。とても大事なものよ。それにしてもオーガ族は融通が利かない上に態度が横柄なんだから!」
少しむくれてるアリファを横目に見ながら『まー何にせよ中に入れてよかった。こんなところで野宿とかまっぴらごめんや』と片山は一安心した。
ギギっと門が重たそうな悲鳴を上げながらゆっくりと開いていく。
「早く行け!」
門番が片山に言う。
『ほんま、偉そうなやっちゃな』ひとりごちながら片山はクルマを門の中へゆっくりと入れた。
門の中は市場のような活気にあふれ、外から見た印象とはまるで違う様相で片山は、ほぉと感嘆の声を漏らした。
門から真っ直ぐ伸びる道は狭くクルマがすれ違うのがやっとだ。人が多く繰り出してきておりクルマはゆるゆるとしか進めない。
道の両側には様々な商店や飲食店が並んでいる。様々な種族が行き交い黄昏時だというのに駅はまだまだ慌ただしく動いている。
竜が引く荷車と何台もすれ違う。
「あれが竜車。」
とアリファが教えてくれる。
なるほど竜車駅というだけあって竜車がいても不思議ではないが初めて見る竜に片山は落ち着かない様子で目を白黒させている。
竜は大人しく動きも荒っぽさは無くよく慣らされている様だが何しろ顔がいかつい。片山は盗賊がアレに乗って襲ってきたのかと思うとゾッとした。
「竜車宿は多分広場のほうね、このまま真っ直ぐかしら」
アリファが示す方にとりあえず進んでみる。
スマートフォンのナビは駅の中まで案内はしてくれない様だ地図が表示されていない。
日はすっかり落ちてしまって、駅中は家々や商店が灯す仄かな灯りで幻想的な雰囲気を作り出していた。
遠目にもわかるほど厳しい門番がその閉じた門の両脇に立っているのが確認できる。竜の鱗が着いた革鎧に身を固め、魔石銃であろう武器を携えている。背丈は片山よりずっと大きく3メートル近くあろうかと思われた。鎧の下から覗く腕や足に付く鍛えられた筋肉が彼等の逞しさを強調している。
片山はゆっくりとクルマを近づけると門番は銃をこちらに向け警戒態勢を取ってきた。
「なにものか!」
門番は大きな声でこちらに向かって叫んだ。クルマの窓を閉めていても車中まで充分に届く声量だった。
大きな声に驚き片山はクルマを停めた。これ以上歩を進めると間違いなく攻撃してくる勢いだ。
「片山さん、ちょっとここで待ってて。」
そう言うとアリファはクルマを降り、1人、門番の元へ向かった。1人の門番がアリファに近づき互いに歩み寄る。何やら言い合いになっている風で片山は車中でハラハラしてきた。
丁々発止で言葉を交わしたかと思うとアリファが何やらを門番に見せる。すると決着がついたのか門番がこちらに来い、というふうな合図をした。
片山は少し怯えながらそろりとクルマを進め、門番に近づき窓を開けた。事の成り行きに任せるしかなかった。
「門を開けるから少し待て」
門番はそう言うともう一人の門番と示し合わせ開門の合図を石塀の中に送った。
アリファは再びクルマに乗り込み「もぉ」と一言いうと
「これを見せたらわかってくれたわ。」
と首から下げた鉄製の認識票を片山に見せた。
「なにそれ?」
片山が尋ねると
「身分証明ね。出身地だとか名前だとかそういうのが刻まれてるの。とても大事なものよ。それにしてもオーガ族は融通が利かない上に態度が横柄なんだから!」
少しむくれてるアリファを横目に見ながら『まー何にせよ中に入れてよかった。こんなところで野宿とかまっぴらごめんや』と片山は一安心した。
ギギっと門が重たそうな悲鳴を上げながらゆっくりと開いていく。
「早く行け!」
門番が片山に言う。
『ほんま、偉そうなやっちゃな』ひとりごちながら片山はクルマを門の中へゆっくりと入れた。
門の中は市場のような活気にあふれ、外から見た印象とはまるで違う様相で片山は、ほぉと感嘆の声を漏らした。
門から真っ直ぐ伸びる道は狭くクルマがすれ違うのがやっとだ。人が多く繰り出してきておりクルマはゆるゆるとしか進めない。
道の両側には様々な商店や飲食店が並んでいる。様々な種族が行き交い黄昏時だというのに駅はまだまだ慌ただしく動いている。
竜が引く荷車と何台もすれ違う。
「あれが竜車。」
とアリファが教えてくれる。
なるほど竜車駅というだけあって竜車がいても不思議ではないが初めて見る竜に片山は落ち着かない様子で目を白黒させている。
竜は大人しく動きも荒っぽさは無くよく慣らされている様だが何しろ顔がいかつい。片山は盗賊がアレに乗って襲ってきたのかと思うとゾッとした。
「竜車宿は多分広場のほうね、このまま真っ直ぐかしら」
アリファが示す方にとりあえず進んでみる。
スマートフォンのナビは駅の中まで案内はしてくれない様だ地図が表示されていない。
日はすっかり落ちてしまって、駅中は家々や商店が灯す仄かな灯りで幻想的な雰囲気を作り出していた。
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