雨の向こう側へ

seiru

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雨の向こう側へ ⑤

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《Yuuri side》



次の日の夜__。


早番を終えて、小腹が空いたと鳴く胃の声を抑えるために、若菜ちゃんが作ってくれたというパンをひとつ頂戴して家を出た。

仁と若菜ちゃんは、どうやら順調に愛を育んでいるようで、この前は若菜ちゃんから【仁の結婚願望】について問われたらしい。

まだゆっくり話を聞いてはいないけど、アイツのことだから、誠実に答えてあげたんだろう。

そろそろ、本格的に独り暮らしの準備をしなくては。


今日こそはと気合を入れてやって来たジムは、金曜日ということもあって、仕事帰り風の男性が多く感じる。

年齢層は様々だ。

前回、真っ先に乗ったエアロバイクは、今日は2台しか空いていない。

初心者にはまずはエアロバイク、という固定観念のままに今夜も乗り込んだ。

タオルを首にかけたお決まりスタイルで深呼吸をし、両サイドから聞こえる不規則な息切れの合間を縫って、ゆるゆるとペダルを漕ぎ始める。


昨日、突如【美人さん】が誰なのか判明してからというもの、何故か不意を突いて渡辺さんを思い出してしまうという現象が続いていて。

それだけ衝撃的な出来事だったんだろうし、生まれて初めて目の前に居る男性を綺麗だと思ったことにも驚きだった。

太ももやふくらはぎの筋肉の膨らみを感じるくらいに負荷を上げ、左右で共に漕ぎ続ける男性の姿を、正面の窓ガラスの反射でちらりと確認してみる。

見たところ、20代半ばと50代後半。

若い方は身長もあるし、飄々ひょうひょうと漕いでいてイケメンだとは思うけど、決して美人とか綺麗とかいう比喩ひゆは出てこないし、そもそも似合わない。

きっと渡辺さんは、芸能界にスカウトされたこともあるんじゃないか?

そう考えたら、仁が付けた【美人さん】てネーミングにも自然と納得出来るじゃないか。

渡辺さんは、類稀たぐいまれな美貌を持つ男性。

だから俺は、まるで芸能人と知り合えたみたいな錯覚に陥って、興奮気味なんだろう。

そんな自分に笑えてくるのをこらえるために、漕ぐスピードを一気に上げて誤魔化した。



────



『汗、すごっ…。』


ちょっと張り切りすぎたかな。

無心で漕ぎ続けて、腕時計に目をやった時には結構な時間が過ぎていた。

フロアの隅の自販機で水を買い、有難い位置に備えられたベンチにふらりと腰掛ける。



水を飲み込む度に、体中の毛穴から汗が吹き出してきて、デトックスされている感じがたまらなく気持ちいい。

やっぱ運動って、いいもんだな。


『……と。』


両腕を上げて伸びをした視線の先には、ジムのロゴが入った透明の自動ドアがあって。

その向こうに、見間違えるはずがない人がこちらへ歩いてくる。

そして、ドラマでよくある、スローモーションがかかった主人公の登場のように、ゆっくりとしなやかにその人が入ってきた。


『渡辺、さん?』

『あ、こんばんは…。』

『え、あれ、今日、来れないんじゃ?』

『残業が早めに終わったんで…。』

『はーーー、なるほどっ。』

『雨宮さんは、上がりですか?』

『いや、ただ今休憩中です。』

『そうですか…お疲れ様です。』


実にぎこちない。

一応、接客業が仕事のくせに、なんだこのグダグダな対応は。

そんな俺と会話をする気もないと言わんばかりに、そのままエアロバイクの方へ向かっていこうとする渡辺さんの手首を、思わず掴んで引き止めてしまっていた。


『な…っ。』

『あ、あのっ!
ちょっと、話しません?』

『話…ですか?』

『うん。』

『いい、ですけど。』

『よかった…あ、ここ、どうぞ。』


早急さっきゅうに尻をスライドさせて、ベンチの右脇を空ける。

戸惑いを隠せずオドオドと座る渡辺さんを横にして、引き止めてしまった自分にようやく焦り始めた。

でも、昨日の店でジムに誘った理由は、渡辺さんと話がしたかったからで。

一度諦めた機会が、せっかくこうして訪れたのだから、このチャンスを逃すわけにはいかない気がする。


『渡辺さん、仕事は何を?』

『広告代理店です…。』

『そうなんですか、かっこいいな。
え、歳は幾つ?』

『えっと…26です。』

『おぉ、やっぱ若いな。
ちなみに俺は、32です。』

『若く見えますね。』

『いやいや、もうおじさんへまっしぐら。』

『そんなことないですよ。』

『あはっ、ありがとう。
優しいな、渡辺さんは。』

『あの…。』

『ん?』


ありきたりな質問しか浮かんでこない自分に嫌気がさしかかった時、さっきから絶妙に目を合わせてくれない渡辺さんが、両手の指を太ももの上で絡めながら言った。


『歳下なんで…【さん】付けじゃなくていいです。』

『いや、でも、お客様だし。』

『そうですけど…今はプライベートな時間ですから。』

『まぁ、確かに。
じゃ、下の名前、教えて?』

『え?』

『【渡辺くん】でもいいけど、それこそプライベートだし、名前の方が親近感が湧くかなって。』


単純に、本名が知りたかったんだけど。

容姿と雰囲気だけで勝手にミステリアスだと感じてしまっている彼のイメージを、本当の彼を知ることで、少しずつ壊してみたくなっているのかもしれない。


『【しょう】です…。』

『【しょう】くんかぁ。
どんな字を書くの?』

『紫に…太陽の陽で。』

『へぇー!素敵だね。
あ、俺は【ゆうり】って言います。
漢字はこれ。』


ジムの会員カードを見せると、下がり気味だった眉を上げて反応してくれた。

たったそれだけで、一瞬でも俺に興味を持ってくれたようで嬉しくなる。


『この字…いいですよね。』

『そう?
じゃぁ、母親に感謝しておくよ。
そう言えば、紫陽くんのポイントカードの匿名が【ユウリ】って、仁から聞いたんだった。
あ、仁って、俺の仕事の相方ね。』

『やっぱり…貴方のことだったんですね。
同じ名前の友人が居るって仰ってたんで…。』

『すごい偶然だよね。
どうして【ユウリ】に?』

『漫画からもらったんです。
【有閑倶楽部】っていう少女漫画なんですけど…。
母と姉が好きで、ついでに僕もコミックを読ませてもらってたんで。
漢字も貴方と同じ字です。』

『へぇ、なんか聞いたことあるタイトルだなぁ。
【悠里】は紫陽くんの好きなキャラなんだね。』

『はい…女の子なんですけど、凄く強いんです。心も体も。』

『なるほど。
読んでみようかな。』


お姉さんがいるんだ。

少女漫画を読んでいたなんて、意外ではあるけど違和感は無い。

匿名に選ぶくらいだから、本当に好きな作品なんだろうな。

今まででいちばん長く話してくれたし。

そんなことをつらつらと実感している内に、センター分けした長めの黒髪を揺らして立ち上がり、俺を見下ろす紫陽くんとやっと目が合った。


『そろそろ、バイク漕いできますね。』

『あー、ごめんね、引き止めちゃって。』

『いえ…。』


後ろ姿までキラキラして見える。

俺には無いモノを沢山持っていて、俺とは正反対と言っていいほど違う人。

この気持ちはつまり、歳下だけど【憧れ】なんだろう。

30年以上生きてきて、初めての感覚でスゲー新鮮。

ジムに通い始めたことも、彼を引き止めたことも、間違いじゃなかったという充実感に満たされながら、敢えて紫陽くんとは逆の方向にあるランニングマシンへと向かった。



────



《Shou side》



やっぱり、会ってしまった。

昨日きっぱりと誘いを断ったし、1時間は残業してきたし、会わないことに賭けてみたけど。

まんまとハズレて、ただただ悔しくて、ペダルを漕ぐ足に力が入る。

しかも、入り口で引き止められるなんて思いもしないから、咄嗟とっさに腕を掴まれて断る理由も浮かばなくて。

押されて名前まで教えてしまったのは、不覚でしかない。

社内で名前を呼ぶ人は居ないし、仲間内でも今は【ユウリ】で通っている中、久しぶりに人から【紫陽】と呼ばれてしまった。

呼ばれた相手も声も違うけど、今でも僕にとっては辛いだけの名前だと、あの人のお陰で思い知らされた。

あの後、僕を追うことなく別の場所で汗を流す姿を、エアロバイク前の窓ガラスの反射で何度か確認する。

20分くらいしてバイクを降り、ふとあの人が居る方を振り返ると、ちょうど更衣室の方へ歩いていく後ろ姿で。


『帰るんだ…。』


ホッと安堵の吐息を漏らし、あの人が使っていたランニングマシンへと移動した。



__



それから更に20分程が過ぎた頃。

今夜は体が思うように動いてくれなくて、ランニングも息切れが激しく中断した。

筋トレもしたかったけど、無理は良くないからと自分に言い聞かせて、もうあの人は居ないであろう更衣室へと、ペットボトルの水を飲みながら向かう。

いつもここに来た時は、必ずシャワーを浴びてから帰る僕は、ロッカーから新しいタオルと着替えを取り出す。

ドアの側面に付いた鏡の中の自分と目が合ったけど、あまりの冴えない顔に思い切りドアを閉めてしまい、大きな音が更衣室中に響き渡った。


『お疲れ様。』

『わっっ!』


ドアの音のすぐ後に、左の方向から男性の声がして、出したことがない声を上げてしまった。

そこには、上半身が裸で濡れた髪のままのあの人が笑顔で立っていて。

首元で振動を感じるくらい、心拍が激しくなっていくのが解ってしまって焦る。


『ごめん、驚かせちゃったかな。』

『い…いや、ドアの音にびっくりしてしまって…。』

『あー、俺もたまにやるよ。
案外軽くて勢いついちゃってね。』

『はい…。』

『シャワー浴びてきてさ。
気持ちいいね、ここの。
ヘッドが最新のやつだった。』

『そう、ですよね…。』


とっとと僕もシャワー室に向かえばいいのに、何故か体が固まって動かない。

意思に反して動かなくなるなんてこと、本当にあるんだ。

動揺がどんどん増してきて、呼吸まで苦しくなってきた。

ヤバい…倒れそう…。


『あれ、どうした?』

『ちょっと…息がっ…。』

『え!なんだろ、過呼吸かな。
運動した後だから…とりあえず、あそこの椅子に座ろ…あっ!』


一瞬だけ気を失ったのが解った。

そこから覚めなければよかったのに。

気づいた時には、裸体のその人に支えられながら、椅子へと歩いていた。

自分じゃコントロール不能な僕の体が、優しく力強く包み込まれていて。

余計に目眩めまいがしてくる…。


『よし、ちょっと待ってて。
動いちゃダメだよ。』

『…っ。』


僕を座らせたその人は、ロッカーの方へと走っていく。

息苦しくて必死で空気を吸うのに、全然入ってこない。

すぐに戻ってきたその人は、右隣に座り、僕の背中に手を当てながらビニール袋の口を広げて差し出してきた。


『これで口を覆って?』

『はい…っ。』

『そう、ゆっくり呼吸してみて。
過呼吸なら、酸素を吸いすぎないようにしないとだから。
逆に二酸化酸素を吸うと落ち着いてくるはず。』

『ふぅ…っ…ふぅ…っ』

『うん、上手。
キツかったら俺に寄っかかってもいいから。』

『すみません…。』

『謝らないでいいよ。』

『なんか…落ち着いてきたかも…。』

『そっか、よかった!』


どうして、顔をくしゃくしゃにして笑うんだ?

僕の体調が良くなることが、そんなに嬉しいのか?

赤の他人なのに。

ゲイとノンケなのに。

何の共通点もないのに。

背中に当てられた手が尋常じゃなく温かくて、体中にまで行き渡る。

目眩は治まってきているのに、視界がにじんでいくのは何故だ。


『あ…なんか今頃恥ずかしくなってきた。』

『……?』

『俺、裸じゃん。』

『ふっ…。』

『あー、なんで下向いちゃうのっ!』

『え…っ?』

『せっかくいい笑顔なのに。
笑ってくれていいんだよ?
俺、人に笑ってもらうと嬉しいからさ。』


意味が解らない。

笑ってもらうと嬉しいなんて、今まで一度も感じたことがない感情だ。


『シャワーは浴びない方がいい。
心配だから、駅まで一緒に行くよ。』

『いや…大丈夫です。』

『俺が大丈夫じゃないから。』

『……。』


どれも与えてもらった覚えがない言葉達。

落ち着いてきた僕なのに、それでも置いていこうなんてせずに、その後も静かに僕の隣に居てくれて。

隣り合って触れている腕から、今もまだ、じんわりとした温もりが僕の体内を巡っていて、このまま眠ってしまいそう。


『着替えられる?』

『はい…。』

『うん。
じゃ、俺も服着てくるから。
終わったら更衣室前で待ってる。
ゆっくりでいいよ。』


あっという間に話が進んで、大きく深呼吸した時にはひとりだった。

ゆっくりと立ち上がり、ロッカー前に立つ。

すぐに裏側から音がして、そこにあの人が居ることを感じる。

どうしたんだろう。

体はコントロール出来るようになったのに、心が自分のものじゃないみたいで。

ここから先はもう、あの人にゆだねるしかなくなる程に、手に負えなくなっていた。



────



いつもひとりの電車に、初めて人と一緒に乗り込んだ。

しかも、ドア側に立たずに座席に座るなんてことも何年振りだろうか。

まだ、少しだけぼんやりするから、現実なのか夢なのか解らない変な感覚。

だけど、この人が居るから大丈夫だという妙な安心感だけは確かで。


『普段からモノトーンの服が好きなの?』

『ぁ…はい。
色物は似合わないんで。』

『そんなことないと思うけどなぁ。
ビジュアルの良さがずば抜けてるから、何でも着こなしそう。』

『いや…。』

『その紙袋の中身、着ていたスーツ?』

『はい…。』

『じゃ、このまま俺が持ち帰って、クリーニングしておくよ。』

『いや、でも荷物になりますから…。』

『大事なもの、ポケットに入ってない?』

『ない…ですけど…。』

『取りに来るのはいつでもいいし。』

『じゃ…お願いします。』

『あ、LINE交換する?』

『え?』

『そうすれば、忙しくて店に来れなくても、ジムで会えそうな時にでも俺が持ってこれるしさ。』

『……。』


返す言葉が出てこない。

僕にこれ以上関わってほしくない。

もう何も知られたくない。

なのに。

この人の雰囲気にいざなわれて、否定や拒否をする言葉を忘れて肯定ばかりしてしまう。


『それとさ。』

『??』

『お客様じゃなくて、友達になりたい。』

『友、達…。』

『ダメかな?』


どうして?

どうしてそんなに僕に関わろうとする?

ただの興味本位なら、友達なんかにならずに店員と客の関係で十分なのに。


『解り、ました…。』

『やった!ありがとう。』

『僕、返信はマメじゃないと思いますけど…。』

『いいのいいの、紫陽くんのペースでね。』

『はい…。』

『仕上がったらLINEするよ。
他にも、話したくなったらいつでも送って。』

『ありがとうございます…。』


今日はどうしようもない日。

頭と心と体がバラバラだ。

スマホを取り出し、慣れない操作を教えてもらいながら、QRコードの画面を出して間もなく、いとも簡単に【ともだち】になっていた。


"次は~〇〇~お出口は右側です。"


『もう降りなきゃ。
ここからひとりで平気?』

『はい…もうすっかり。』

『うん。
何かあったらLINEするんだよ?』

『はい…。』


やっと離れられる。

早くひとりになって正気に戻りたい。

立ち上がって『またね。』と胸元で手を振ったその人が、ドアへと向かう背中を追おうとすると、右肩を優しく掴んで制止された。


『座ってていいよ。』

『いえ…いつも立って帰る人なんです。』

『そうなんだ。
じゃ、揺れるから足元、気をつけて。』


別に、初めて電車に乗っているわけじゃないのに、子供扱いされたと勘違いしそうになったけど。

僕の体を気遣ってくれたのだと気づいて、恥ずかしくなって顔を上げられない。

電車が停止して、ドアが聞きなれた音を立てて開き、車内の温もりに冷たい空気が襲いかかる。

ホームに降りてこちらを振り返ったその人へ、喉でつっかえてもどかしかった声を、冷たい空気の一部を大きく吸い込んでから、息と共に吐き出していた。


『あの…悠里さんっ。』

『え?』

『今夜は…会えてよかったです。』

『ぁ…うんっ!名前…。』

『……?』

『名前、呼んでくれてありがと!』


"ドアが閉まります。ご注意ください。"


"Pshuuuu…"


『名前…そういえば呼んでなかった…。』


無意識に呟いたせいで、窓が白く曇った。僕が見えなくなるまで、人目も気にせず大きく腕を振って見送る姿は滑稽こっけいで、他人のフリをしたくなる。

だけど。

曇った窓に【‪✕‬】と書こうとまでは思わなかった。



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