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【ざまぁ回】第14話 勇者パーティー、メンテせずゴーレムを壊したことで多額の弁償金を請求され顔が真っ青になる
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勇者ハロン一行は、酒場で今日もまた頭を抱えていた。
ナットを追放してからの勇者ハロン一行の有様は、それはもうひどいものだった。
――前衛の要であったゴーレムが壊れたため、戦闘が上手くいかなくなり、これまで楽に蹴散らしていたモンスター達に苦戦を強いられる。
――マップが正しく読めないためダンジョン内で迷い、体力と時間を大幅に無駄にする。
――モンスターの素材が上手く剥ぎ取れないため、素材を売った収入が大幅に減る。
――その他料理や洗濯などの雑用の質もガタ落ちし、不快な思いをしながらダンジョン探索するハメになる。
そして、ナットが渡したゴーレムのメンテナンス手順書を探して丸2日ゴミ漁りをしたが、結局見つからず。
心身ともに疲れ切ったハロン一行は、行きつけの酒場の机に突っ伏していた。
「おのれナットめ……追放したくらいでパーティーから出ていきよって……!」
「「そうだそうだ! ナットが全部悪い!」」
「しかしここに、我々を助けてくれる一通の手紙がある」
キメ顔で勇者ハロンは丁寧な装丁の手紙を見せる。
差出人は、冒険者ギルドとなっていた。
「冒険者ギルドにゴーレムを壊してしまったことを報告してあるからな。きっと、ナット以外のゴーレムを直せる人材を紹介してくれるのだろう」
それを聞いてキキとカカが飛び起きる。
「それはいいぜ!」
「早速冒険者ギルドに行きましょう!」
――
「壊したゴーレム、弁償してくださいね」
「何だと――!?」
冒険者ギルドの受付にて。
勇者ハロン一行は、期待とは全く違う言葉を突きつけられていた。
受付嬢が淡々と説明する。
――ナットは、勇者パーティーに同行するための条件として、戦闘用兼荷物持ち用のゴーレムを作ってそれを冒険者ギルドに寄贈したこと。
――勇者ハロン一行は、ダンジョン探索のためにそのゴーレムを冒険者ギルドから無償で借りていること。
――貸し出す際の契約書には、壊れた場合勇者パーティー全員で弁償するとしっかり書かれていること。
「――というわけで、勇者ハロン一行様に、これだけの金額の請求をさせていただきますね」
「「「な、なんだってええええぇ!?」」」
勇者ハロン一行は、請求金額をみて目玉が飛び出しそうなほど驚いている。
「ば、馬鹿な! なぜこんなに高額なのだ! 桁が1つ、いや2つ多いだろう!」
「あのゴーレムがこんなに高いわけないだろう!」
「兄者の言うとおりだ! 高すぎるぞ!」
勇者ハロン一行が口々に文句を言う。
いえ、契約書にも書かれている通りです。ギルドはあのゴーレムに、これだけの価値があると判断しております。
勇者ハロン一行全員の顔が青くなる。
「実際、あのゴーレムのおかげで皆様はこれまでS級ダンジョン探索を進めてこれましたし、利益もたっぷり出せていた。しかし、ゴーレムが壊れたとたん大赤字。これこそ、ゴーレムが有用だったという証拠では無いでしょうか」
勇者ハロンは言い返せなくてぐぬぬとなる。
「特別に、1週間以内にゴーレムを直せれば弁償は不要とギルド長はおっしゃっています」
「……仕方ない。非っっっっっっっっっ常に嫌だが、ナットを引き戻すための作戦を立てよう。こちらから『戻ってこい』など言うわけにはいかないから、あっちから『戻らせてください』と言わせて、かつお金のかからない作戦を」
勇者ハロンは渋々そう言った。
しかしこのパーティーには、自分のことを頭がいいと思っている馬鹿と単なる馬鹿しかいない。
そんな3人が立てた作戦が上手くいくはずもなく。
3人は、更に泥沼にはまっていくのだった。
ナットを追放してからの勇者ハロン一行の有様は、それはもうひどいものだった。
――前衛の要であったゴーレムが壊れたため、戦闘が上手くいかなくなり、これまで楽に蹴散らしていたモンスター達に苦戦を強いられる。
――マップが正しく読めないためダンジョン内で迷い、体力と時間を大幅に無駄にする。
――モンスターの素材が上手く剥ぎ取れないため、素材を売った収入が大幅に減る。
――その他料理や洗濯などの雑用の質もガタ落ちし、不快な思いをしながらダンジョン探索するハメになる。
そして、ナットが渡したゴーレムのメンテナンス手順書を探して丸2日ゴミ漁りをしたが、結局見つからず。
心身ともに疲れ切ったハロン一行は、行きつけの酒場の机に突っ伏していた。
「おのれナットめ……追放したくらいでパーティーから出ていきよって……!」
「「そうだそうだ! ナットが全部悪い!」」
「しかしここに、我々を助けてくれる一通の手紙がある」
キメ顔で勇者ハロンは丁寧な装丁の手紙を見せる。
差出人は、冒険者ギルドとなっていた。
「冒険者ギルドにゴーレムを壊してしまったことを報告してあるからな。きっと、ナット以外のゴーレムを直せる人材を紹介してくれるのだろう」
それを聞いてキキとカカが飛び起きる。
「それはいいぜ!」
「早速冒険者ギルドに行きましょう!」
――
「壊したゴーレム、弁償してくださいね」
「何だと――!?」
冒険者ギルドの受付にて。
勇者ハロン一行は、期待とは全く違う言葉を突きつけられていた。
受付嬢が淡々と説明する。
――ナットは、勇者パーティーに同行するための条件として、戦闘用兼荷物持ち用のゴーレムを作ってそれを冒険者ギルドに寄贈したこと。
――勇者ハロン一行は、ダンジョン探索のためにそのゴーレムを冒険者ギルドから無償で借りていること。
――貸し出す際の契約書には、壊れた場合勇者パーティー全員で弁償するとしっかり書かれていること。
「――というわけで、勇者ハロン一行様に、これだけの金額の請求をさせていただきますね」
「「「な、なんだってええええぇ!?」」」
勇者ハロン一行は、請求金額をみて目玉が飛び出しそうなほど驚いている。
「ば、馬鹿な! なぜこんなに高額なのだ! 桁が1つ、いや2つ多いだろう!」
「あのゴーレムがこんなに高いわけないだろう!」
「兄者の言うとおりだ! 高すぎるぞ!」
勇者ハロン一行が口々に文句を言う。
いえ、契約書にも書かれている通りです。ギルドはあのゴーレムに、これだけの価値があると判断しております。
勇者ハロン一行全員の顔が青くなる。
「実際、あのゴーレムのおかげで皆様はこれまでS級ダンジョン探索を進めてこれましたし、利益もたっぷり出せていた。しかし、ゴーレムが壊れたとたん大赤字。これこそ、ゴーレムが有用だったという証拠では無いでしょうか」
勇者ハロンは言い返せなくてぐぬぬとなる。
「特別に、1週間以内にゴーレムを直せれば弁償は不要とギルド長はおっしゃっています」
「……仕方ない。非っっっっっっっっっ常に嫌だが、ナットを引き戻すための作戦を立てよう。こちらから『戻ってこい』など言うわけにはいかないから、あっちから『戻らせてください』と言わせて、かつお金のかからない作戦を」
勇者ハロンは渋々そう言った。
しかしこのパーティーには、自分のことを頭がいいと思っている馬鹿と単なる馬鹿しかいない。
そんな3人が立てた作戦が上手くいくはずもなく。
3人は、更に泥沼にはまっていくのだった。
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