【2章完結】超古代技術【ゴーレム】を扱える世界唯一の少年、不当に勇者パーティを追放されるが、戦闘も農業も全自動化し、世界最強に成りあがる!!

音速炒飯

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【ざまぁ回】第54話 元勇者、強制労働施設【裏冒険者ギルド】で奴隷紋を刻まれる&人の話を聞かなさ過ぎて電流を流される羽目になる

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 ――強制労働施設、裏冒険者ギルド。

 今日はここに、元勇者ハロンが連れてこられた。

 今回も呪術師メルツが付き添っている。

「あー! 勇者様もここに来たんですね!」
「やーい勇者様の借金債務者ー!」

 それをキキとカカが見つけて、笑顔で駆け寄ってきた。

「黙れ! 今の私は勇者ではない!」

「「えーと、じゃあ元勇者様だ」」

「そんな屈辱的な呼び方をするな! ハロンと呼べ!」

 そのとき、ふとハロンの目がキキとカカの腹に止まる。

「そ、そのピンク色したハートの紋様は、まさか……!」

 愕然とするハロン。

「本で読んだことがあるぞ、施された者をえっちな気分にさせて、えっちな仕事をさせやすくするという紋様だな! もしや私にもそんな仕事をさせる気か、おのれ裏冒険者ギルドめ! 許せぬ!」

「していません。そういったクエストは裏冒険者ギルドも扱っていないので……」

「だが、私の身体は好きにできても、私の心までは好きに出来んと知れ……!!」

「どうしましょう。この人話を聞いてくれない……お姉ちゃん、助けて……」

 呪術師メルツは、少しくじけかけていた。

「こほん。ハロンさん、あなたの右腕には奴隷紋を刻みました……。逃げようとしたり命令に逆らったりした時に電流が流れます」

 ハロンの右腕には、星型の青い奴隷紋が刻まれていた。

「施設の説明です……。あちらにトイレがあります。その隣の扉は地上への通路ですが、絶対にそこから逃げてはいけませんよ……」

「分かった。ところで少し、用を足しに行かせてもらうぞ。間違って隣の扉を開けてしまうかもしれんがな」

”ビリビリビリッ!!”

「ぐわああああああああぁ!」

 逃げようとしたハロンの身体に電流が流れる。

 そしてハロンはよろめいて、近くにいたキキとカカの腕を掴む。ハロンの腕を伝って電流がキキとカカにも流れた。

”ビリビリビリッ!!”

「ぐああああああ! なんで俺たちまでええええええ!?」

「こんなに人の話を聞かないなんて……。ナットさんは、こんな人達とパーティーを組んでいたんですね、お気の毒に……」

 呪術師メルツが手帳をめくる。

「ここ裏冒険者ギルドでは、毎日クエストを強制受注してもらい、その報酬金で借金を返済してもらいます。今日のクエストは、闘技場の決闘の後片付けです。ステージを片付け、観客席の掃除をしてもらいます」

「ことわる。勇者に値するこの私が、なぜそんな雑用のようなことをやらねばならないのか!」

「俺も嫌だぜ、そんな下っ端みたいな仕事! なあ弟よ!」

「兄者の言うとおりだ! もっと冒険者らしい仕事をさせろー!」

”””ビリビリビリッ!!”””

 そのとき、命令を拒否したハロンたちに電流が流れた。

「「「ぐああああああああああああああああ!!」」」

「だから命令を拒否したら電流が流れると……説明したのに……この人達、話を聞かなさすぎる……。助けてお姉ちゃん……。引き取って、ナットさん……」
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