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五話
しおりを挟む優柔不断で流されやすい直樹は、強引な磯崎にずるずると言いなりになった。言いなりになっていると思うのが嫌で、いつかこの傲慢な男を足元に跪かせてやるんだとそう思う事にした。
直樹は磯崎の素性について何も知らなかった。わがままで自己中で強引な男。ただそれだけだった。
直樹は無理にでも知ろうとしなかった。
磯崎なんか好きではなかった。愛なんかない。
しかし、直樹の身体は速やかに磯崎との情事に慣れていった。
毎週金曜日の夜に、強引で自己中心的な傲慢男が来る。自分の都合のいい時間にやって来て、ドアホンを鳴らし、直樹にドアを開けさせて当然のように入ってくる。
そして傲然と直樹に命令する。
「勃たせろ」と。
すでにどこかでシャワーでも浴びたのか、男の身体から仄かに石鹸の香りがする。今日は飲んで来たのかそうでないのか、男が来る前に缶ビールを呷った直樹には分からない。
直樹は男を睨み、一旦は首を横に振ったが、男は悪びれずにただ口の端を歪めて直樹を再度促すだけだった。
諦めて直樹は磯崎の前に跪き、男のモノを口にする。ソレが見る見る力を漲らせると勝ったような気分になった。
しかし磯崎が自分の前に跪いた直樹を見下ろす目は冷たく冷めていて、唇の端だけを少し歪めて低い寂びた声で次の命令を下す。
「服を脱いで四つん這いになれ」と。
直樹はそれに唯々諾々と従いたくなかった。愛情なんか欠片も見せない、自分を奴隷のように扱う男を、愛してなんかやるものかと思った。しかし磯崎と直樹の経験値の差は如何ともしがたい。
「突っ込んで貰いたいくせに逆らうな」
磯崎は直樹を見下してそう嘯き、伸し掛かって乱暴に服を引き剥がした。
「何をっ…、やめっ……」
直樹の背筋を悪寒のようなものが走った。
「喜んでいるようだな」
磯崎に顎をしゃくられて、自分の股間が半分勃ち上がりかけていることを知って、直樹は愕然とする。隠そうとした手を掴んで磯崎は言った。
「欲しいだろう。そう言え。入れて下さいと。四つん這いになって何処に入れて欲しいか俺に示して見せろ」
磯崎は直樹の身体を暴いて煽って、容赦のない命令を下す。その言葉にどういう訳か直樹の身体が反応して、体が熱くなり中心がもっと固くなった。
直樹は耐えられなくなって磯崎に従った。
ベッドに四つん這いになって、磯崎に自分の蕾を示し「ここに入れてくれ」と願った。
磯崎は気に入らなかったのか、なおも直樹を甚振った。
蕾の中に指を入れて直樹の身体を煽り、尻を引っ叩き、背中にキスをし、太股を撫で上げ、乳首を捏ねまわした。
しかし肝心のモノは与えない。
「何が欲しいか言え」と直樹に冷たく命令した。身体がもう磯崎のモノを受け入れる準備をしている。待ち望んでいる。直樹は磯崎に逆らえなくなってねだった。
「あ…、あんたのモノが欲しい……。い、入れてくれ……」
何度も直樹に繰り返させて、やっと満足したのか甚振るのに飽きたのか、磯崎のモノが直樹の身体をこじ開けて入ってくる。
その圧倒的な質量に貫かれて、やっと直樹の身体が満足の吐息を吐く。自分の身体を一杯に満たしてくれるコレが欲しかった。
磯崎は直樹の身体を背後から貫き、好き勝手に揺さぶった。それからひっくり返して足を担ぎ上げ、好きなだけ激しく直樹の身体を突き上げた。
直樹の意識は何度も弾けて遠くへ飛んだ。そして心の奥底から思いが溢れ出る。
そうだ、こんな愛撫を待っていたのだと。自分を自由に支配する男を。逆らっても逆らっても決して敵わない腕を。自分を虐げ虜にする圧倒的な力を。
二人の駆け引きは直樹の惨敗に終わった。直樹は磯崎の足元に跪き、磯崎に乞い願い、磯崎によって欲望を満たされる。強靭で圧倒的な力によって。
磯崎との情事は、直樹を後戻り出来ないところに引きずり込んで行った。
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