異世界少女が無茶振りされる話 ~異世界は漆黒だった~

ガゼル

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1.プロローグ

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1 プロローグ
 世の中仕事をしなくては食べていけないのは一般的な常識として認識していたが、その世の中の仕事は考えていた以上に過酷なものだった。
 今年十五歳になるリンは徒然なるままに時が過ぎていくことを望んでいたのだが、一月ほど前にアルマ領ウルマという町ですさまじい災害を目にすることになってしまった。
 そしてその災害で焼きだされた後、無事に保護されてこのインセント領アマリスという町に来たとたん、早々にぬくぬくとした難民生活を送ることを断念した。
 ウルマの町ではせいぜいが水くみとか炊事、洗濯、掃除など特に身に危険が生じるとは思えないほど平和な仕事しかなく、リンを働かせていたおばさんはこき使っていたと自分では思っている節があるが、リンにとっては鼻歌交じりでこなせるような仕事ばかりだった。
 ウルマの町は天災で壊滅というか数人の生存者を残して全滅したのだが、その時のことを思い出すと、まあ何というかよく自分が生き残れたものだとリンは思う。
 正直思い出したくはないのでその辺は忘れようとしているのだが、リンと同時に救助された者は数名いたことは忘れられない。
 人口が三千人程度のウルマはともかくとして、アルマ領全体は六つの主要都市を含めて十万人に及ぶ領民がいた。
 それが一夜のうちに天災で消えてしまい、他の領地の首長たちを震撼させた。
 当初は魔族の襲来が疑われたのだが、あまりにも大規模な天災であり、また、魔族にもかなりの被害が出ていたことが知れると、領主をまとめる王族から一級天災認定が各領主に発令されたのだ。
 急遽その報を受けて救助隊が派遣され、最も近い場所に位置するアルマ領の西隣のイノセント領主の部隊にリンたちは救助されたのだった。
 アルマ領全体で何人救出されたのか知らないが、リンと同時に救助された人は二名である。
 救助したアラン隊長はその他の隊についての詳細については領主に報告する資料にはいろいろ残していたようだが、リンたちに対しては三人救助できただけでも御の字だと語るのみだった。
 リンも知り合いが教会の中で恐怖を紛らわすため、皆で故郷の歌を合唱していながら火の玉に焼かれていくのを見たときには、全身の血がどこかに流れ出したかのように気が遠くなってしまったり、死屍累々となった街道をひたすら一人で歩いたような体験をしている。
 0.1%の生還率はそれだけその地の被害が大きかったとのことの証左であり、悪夢のような天災がもたらした惨劇に対するわずかな救いでもあったことも意味する。
 そんな中でアラン隊長が保護したのは、当時十五歳の黒髪黒眼の少女リン、金髪碧眼のまだ性別すら分離していないような九歳の少女シーマ、そしてシーマと似た容姿の少女のオルテシア八歳である。
 リンは二人とは救助前は知り合いではなかったが、シーマはアルマ領主であるアルマ伯爵の娘、オルテシアはその使用人の子供だったという。
 どうやってそのような立場の娘たちが救出されたのかはリンは教えてもらえなかったが、それなりに犠牲を払った結果であろうことは想像できる。
 アルマ領主は伯爵と言っても十万人程度の領民では大したことがないということで近隣の領主たちから軽視されていたらしいが、かつてアルマ領には数十万人いたともいわれている。
 人口の減少は様々な理由が挙げられているが、だいたいの説では魔族の襲来とか病気の拡散、厳しい生活環境が主だったものだ。
 人の最前線は後退しており、その人数も王都ベルクラント以外は減少の一途を辿っていると以前シーマが説明してくれたことを記憶している。
 ところでアルマ領は土地ごと壊滅したので、もはや伯爵も平民も全く関係ないのだが、この伯爵令嬢のシーマ、救出時に堂々と使用人と立場を入れ替えて平民のふりをしていた。
 曰く「お飾りの人形になるつもりはない」とのことだが、後にリンが事の詳細を聞いてみると、アルマ領の生き残りということはそれだけで価値があるとのこと。 
 要するにアルマ領の生き残りの保護者とは、アルマ領全ての遺産を相続する身分をでっち上げ、将来的に広大な「土地の所有者」の後見人になることが出来るというわけだ。
 領主の子供を保護したとあれば、他のどのような者を保護したとしてもそれに勝るものはない。したがって「領主の娘」であるオルテシア以外はアラン隊長にとって不要の存在というわけだ。
 オルテシアはそれらのことをすべて承知で「来るべき時」のために身代わりを買って出ていた。今まで使用人としてシーマのすぐそばにいたことから、いろいろ「わかっている」らしい。ちなみに本名は既に逆転している。
 リンはシーマと共にアルマ領を放浪している難民という偽りの身の上話をして救助隊に連れられてこのイノセント領アマリスにやってきた。みすぼらしい格好をさせたら右に出る者がいないリンと、懇意にしていた女優を真似たいう名演技でシーマは難民として無事登録され、奴隷の前歴を調べられたのちに住民票の交付と一人当たり金貨三枚を得たのだった。
 なお、この世界の貨幣制度は以下のようになっている。
  銀貨:食事約一日分
  金貨:銀貨十枚分
  鉄貨:銀貨百枚分
 鉄はもっとも強靱なのでもっとも価値があり、砂鉄などから密造すると問答無用で極刑となる厳しい法律がある。
 月の都市と言われるイノセント領は、その特徴として町の入り口に太陽の紋章をかたどった門がある。
 町は周囲を高さ三メートルほどの壁で覆っており、魔獣の侵入を防いでいる。
 大抵の都市で同じような構造となっており、かつての統一国家の名残と言われている。
 ちなみに壊滅したアルマ領は星、隣のガリア領は馬の紋章であり、王都ベルクラントは山の紋章であった。
 さて元星の都市の令嬢シーマだが、流石というか育ちが違うというか頭の回転速度が並の人ではない。
 早速町の職業斡旋所、いわゆるギルドにどうやってかチーム登録をしたのだ。
 リンが呆けているうちに、難民認定された時に渡されたわずかな持ち金を使って事務所を確保し、町の管理事務所に届け出をしてあっと言う間の出来事だった。
 同じく別の町から来たと思われる集団は、近くの公園の仮設住宅で寝ていたり、野宿しているような状態でのことである。
 持ち金を使ったということは食事をかなり削っていたに違いない。
 そのまま何もしないと直ぐに初期の費用はなくなり、奴隷か娼館かのたれ死にの三択だったことをリンが知ったのはアマリスに到着して二週間ほどたってからのことだ。
 同時期に到着した者達が仮設住宅に住みながらそのような境遇に落ちていくのを目の当たりにしての話である。夏になったばかりで、冬ほど生活が切迫したものではなかったのが災いしていた。
 野宿をしている人たちはなかなか逞しくそこまでは落ちていかないので、もしかしたらそういう生活になれていたのかもしれない。
 シーマと同じような考えで他の町から流れてきた人たちやギルドの新人たちがのれん分けでいくつか同様のチームが常に登録されているらしいが、消えていくチームもそれなりに多く存在するのでチーム数は思ったより多くはない。
 シーマが確保した事務所は住居を兼務しており、一階の執務室および食堂などの共用施設と二階の住居に分かれていた。これだけの住居をどうやって手に入れたのだろうかよくわからない。
 シーマは九歳という事でリンも正直言って舐めていたのだが、とんでもない能力を垣間見せていた。
 初期費用を使ってさっさと生活費を確保できる体制にしたのはもちろんだが、例えば掃除とか日常生活をするとよくわかる。整理するのに元々そこにあるのが当然というような場所に迷い無く物を置いていくので、自分とは速度が違う。
 丁度、飼育員が猿山の掃除をしているのを猿がみているという感じだ。なんかもう、種族が違うと言われても納得する。最も得意なのは事務処理であるというから恐れ入る。文盲率の高いこの世界において、伯爵の娘であったことを差し引いてもあまりにも早熟だ。
 それでも知り合って間もない、特にこれといった特技を見せたことがないにもかかわらず、シーマがリンを手元に置いてくれているのはありがたいやら恐縮するやら。
 「あなた、何か隠しているでしょう?」
 ドキリとしたのはシーマが二つの碧眼でリンを見つめてチームウルマに誘ったときだった。
 きらきらとした興味津々といった感じで詰め寄ってきたときには動揺を隠さないようにするので精一杯だった。
 「何もないですよ」
 とリンはとぼけて答えたのだが、実は二つばかり隠していることがある。
 一つ目はリンはこの世界に流れてきたいわゆる異世界人だということである。
 当初、この異世界に来ていろいろと期待したことはあった。
 自分が魔法が使えるだの自分の方が知識が進んでいるだのいろいろ考えたのだが、残ったのは巨大な挫折感だけだった。
 いや、いろいろ試してみたのだが特に増えた能力も無いし、卓越した頭脳や体力があるわけでもないし、当時中学二年生のそのままの能力でこの世界を乗り切らなければならないと判明した時にはもう一日中寝ていたくもなったものだ。
 この世界に来てもっとも驚いたのは金属がない文明だったことであり、そこからかなり遅れた文明を期待したのだが、プラスチックは流石に無いものの、石と木材のみならずガラスやゴム製品、アルコールから石油まであるとなると中途半端な知識では太刀打ちできない。
 金属も別に存在しないのではなく、硬貨には使用されているし、戦時になると硬貨を集めて溶かして武器にするとのことである。
 要は時の支配者が武器を規制するために金属の使用を禁止しているのであり、賢しげに金属の有用性を語ったとて今更感が漂うばかりであった。
 しかし、金属を利用しないと文明はここまで発達の速度が遅いのかと思われるほどには元いた世界とは違いがあったのだが。
 また、魔法とか魔術とかいうものがこの世界のどこかで使用されていると聞かされた時には胸を躍らせたのだが、こちらの世界に溶け込んでから一年ほどたってもそのようなものを使用している者は一部を除き見たことがない。
 以前、聞いたことがあるのだが、そのような力を使用するのは魔族とか言われて迫害されるとか、あまり良いうわさは聞かなかった。
 そして特に何も取り柄がない自分が出来ることと言えば結局水くみや草むしりで手伝いをするぐらいが関の山で、王子様が現れることもなく、地元の有力者や怪しげな魔法使いに保護されることもなく、一年前まで難民扱いで地元の意地悪なおばさんにこき使われてしまっていたのだ。
 黒髪と黒い瞳は別にこの世界でも珍しくなく、悪魔の子などと石を投げられることも無かったのは幸いだった。
 そこからの紆余曲折した苦労話や細かいことは端折るとして、とにかくこの世界でも類を見ない前代未聞の厄災を逃れて生き残り、シーマと共に職業チーム「ウルマ」の初期メンバーとして仕事をすることになったのだ。
 だが共に仕事をするメンバーという認識は、そもそもチームウルマの代表者が自分になっているのを後に知らされて驚愕することになる。
 話は戻ってシーマはこのイノセント領アマリスに来て直ぐに活動を開始した。
 アマリスは領主イノセント伯の第二の都市であった。
 何度も言うがこの時シーマはわずか九歳。リンが九歳の時には何も考えないで遊んでいただろう。だいたいにして伯爵の娘なんてわがままで自分一人では何も出来ないというのが鉄板だろうに、何をしたらよいのか考えて実行に移し始めるなんてリンの元の世界では想像もつかない。
 もちろん、仕事は最も簡単な最下級のD級ばかりではあったが、設立したひと月後の現在ではそのシーマに指示される実行部隊のリンと、無口なおっさんヤライ、同じく無口な少年オラレ、そして双子の姉弟のミラとラキの六人は生活していけるだけのお金を得ることが出来ている。
 シーマがいなかったら花街に行く事になったかもしれないことを思うとリンは口に出さぬまでも深く感謝していた。少し、いやかなり無茶ぶりをされること以外は。
 もっとも、花街に落ちる前にはリンは独力で解決していた可能性もあったかもしれない。独力と言ってはもしかして語弊があるかもしれないが、リンにはかなり優秀な助言者がついているのであった。
 それはリンの二つ目の秘密、リッカである。
 先ほど除いた一部の者であるリッカは、リンがこの世界に来た直後に偶然会った妖精のような魔族のような存在である。リッカ曰く、自分もリンと同じ世界から来た人間で、この世界に来たときに人ではなかったのだそうだ。元の世界では結構成功したような話だが、すでに元の世界には未練はなく、戻るつもりは全くないと明言している。
 そして出会ったときにリンの影の中に潜り込んだのだ。元の世界が少し懐かしいから話したいと言う。
 何かしらの制約があるらしく、リッカと話ができるのはいつもというわけではなかった。
 それでも時々リンはリッカに相談ごとをする。リッカは未練はなくても懐かしさはあるらしいので、話し相手になっていた。
 リッカがいたからこそリンはこの世界で絶望せずに済んだし、ウルマの町でもそれなりに生活できていたのだった。
 リッカは元の世界ではそれなりの学者だったらしくかなりの知識を有しているが、それを積極的に生かすつもりはないとのことだ。
 リンが助言を乞うこともあるが、有用な助言を得られたことは数えるほどしかない。雑学のような知識が豊富であり、生活の知恵みたいなことばかり教えられているほかは世間話ばかりだった。
 リッカは雑学が好きだったらしいが、この異世界では全然役に立たないものがほとんどなのだそうだ。
 確かに金属関係は全滅だし、ペットボトルの活用法などの生活の知恵関係なども全く役に立ちそうにない。
 ちなみにリッカは火の玉を出したり宙に浮いたりなどいわゆる魔法とか魔術かそういう物は一切使ったことがなく、リンのプライベートな部分が丸見えな影の中に潜むという陰気な魔法っぽい魔術何かしか見たことがなかった。
 ギルドの話に戻るが、この町に来て一ヶ月、よく働いたとリンは思っていた。
 中学生の時はアルバイトもしたことがなかったので、すべて新体験であった。
 以前のウルマにいたときのいじわるおばさんにこき使われた時の「お仕事」がいわゆるアルバイトですらなかったとつくづく思い知ったのは、このアマリスの町で正当な対価を得るという仕事を始めてからだ。
 元の世界で聞いたことがあった気がするが、独りの国の国旗は黒赤金で出来ているそうで、その黒は勤勉を意味するとかいうことだ。
 漆黒の職場で働いていると、文字通り肌も黒くなってくる気がする。
 それほどシーマの無茶ぶりはリンにとってつらいものだったのだ。
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