4 / 31
1
4.卵を求めて
しおりを挟む
仕事の依頼を受けた場合、前金は報酬の半額、或いは金貨五十枚の少ない方と決められている。
そのままレンザの指導で設計事務所と工房を紹介してもらった。
地図と案内書をもらう。案内書にはギルドの角印と半券が付いている。
事務所にもどり、シーマに怪鳥ラプタの採取の仕事を請けたことを報告したところ、思った通り自分で進めるよう言われた。
「無難なものを選んでくれてホッとするわ」
シーマはそう言ってくれるが、自分でも最も良いのを選べたと思う。
レンザに紹介された設計事務所はカラール設計アマリス支店である。この設計事務所は公告によると大手設計から小規模設計まで手広くやっている企業らしい。
「どうせ相場もわからないだろうし、お任せで良いのじゃないか?」
レンザが言っていた通り、カラール設計には既に怪鳥ラプタの卵運搬機の設計図があった。すでにある設計図は打ち合わせも行わないで受付で購入して終わりである。
価格は金貨十枚。年六枚の分割払いが可能。頭金は三枚となるが二枚余分に取られる。
担当者に聞いたところ、過去には器具のチーム間の貸し借りがあったそうだが、事故があってから全面禁止になったのだそうだ。事故の内容は教えてくれなかった。
設計図は保温期器から耐衝撃機構まで揃った精密なものであった。リンではぱっと見た目、何が書いてあるかよくわからない。
次にカラール設計アマリス支店を出て同じくレンザに紹介されたカラール設計の系列会社のアマリス工房に行くと、貸し借りは不可であると念押しされた。
それよりなぜ設計と製造が二つに分けられているのかよくわからない。おそらく医薬分業のようなものなのだろうとリッカが言った。
「ユニーク依頼であれば設計さえしてしまえば製造が格安だと思うけど、それが受けられるほどまだ実力がないんだから仕方がないわ」
後ほどシーマに聞いてみたらそのようなことを言っていたから一般的なことなのだろう。特に気にしない方がよいのかもしれない。
アマリス工房の予約は三日後であった。一日で予定通りの物を製作できると言っている。
アマリス工房では技術者二人と主任技術者の三人が紹介された。運搬する物や距離、季節や所要時間によって微調整が必要なのだそうだ。
設計された器具という物は、主任技術者が一人で製作することができるが、技術者のみで製作することは法律で禁止されているとのこと。例えば同じものを十個作るとして、十個のうち九個を主任技術者、一個を技術者が作成するのはだめで、十個を技術者が途中まで作成し、主任技術者が引き継いで作成するのは良いのだそうだ。
主任技術者のシルバが丁寧に内容を説明する。
赤色の眼鏡をかけた二十五前後の長身の青年で、深いバリトンの声が特徴である。
「価格については窓口と相談してください」
シルバは技術的な内容のみしか言うつもりはないらしい。
「こちら、製品保証が三年となっております。三年が過ぎると事故があった場合の損金はお客様持ちですのでご注意ください」
使い古された設計図でも、怪鳥ラプタの卵の依頼が入ると少なくとも三年に一回は製作が必要となるのでそのたびに工房にお金が入ってくる。チームとしては器具を作ったら、三年間は繰り返し依頼を受けた方が得である。
なるほど、即決品の意味が分かってきた。器具を作ったり、船を作ったりすると有効活用するために同じ依頼を繰り替えし受けないと期限が来て使えなくなるから損なのだ。
「それでは四日後の朝、受付で受け取ってください」
眼鏡をかけ直しながらシルバが言った。
受付で価格を聞くと設計図がカラール設計のものなので割引があり、材料費金貨一枚、製造費金貨四枚であった。
前金は十五枚なので製造費がきっかりなのはもしかして意図的なものなのかもしれない。
「シーマ、支払いはどうしようか?」
あなたが決めなさいと言われるかと思ったが、シーマは全て現金で支払うように言った。
「分割にすると仕事をする度にローンが増えるから好ましいやり方ではないわ」
シーマはそういうが、そう簡単にいかないから分割払いというものがあるのだろうに。
「とにかく、お金のことより現地に下見に行ってきて。そうね、オラレとラキを連れて行きなさい」
下見。リンは考えてもみなかったことである。器具の受け取りはやっておくからと続けて言うからには三日で帰ってくる行程ではないようだ。
「期限が設定されていなくてほんと楽な仕事を取ってきてくれましたね」
今回の依頼について、期限がないということは金貨三十枚なので通常の期限が三十日間ということになる。以後一日につき金貨一枚の違約金が発生するので、通常は違約金二割ですむあたりで依頼失敗を宣告して損切をするのだ。ただ、昇運月見草のように昇運祭などのように決まりきった期限がある場合は暗黙の了解で依頼時には期限設定されていない場合もある。
「そうね、七日以内ぐらいで帰ってきてね。余裕をもって金貨七枚渡します」
三人で約二十日ちょっと分の食費である。宿代など食事以外の諸経費はこの中から出すことになる。
しかし、魔族の襲来や魔獣の跋扈する世界なので、それなりに危険があるはずだ。自らを鍛えたり護衛を雇ったりして対応するしかないのだが、氷魔山脈までは大丈夫なのだろうか。不吉な名前の山脈だが。
「明日朝に氷魔山脈の麓、レーベの町まで隊商が出ます。それについていけば良いでしょう。二日で到着する予定だから余裕です。レーベの町は有名な鷹匠の町でもあります。怪鳥ラプタの卵を売っていますが、くれぐれも買おうとしたりしないでください」
シーマはリンが設計事務所などを回っているときにレーベの町を調べたらしい。いや、もしかしたらもともと知っていたのかもしれない。怪鳥ラプタとレーベの資料を渡され、今晩中に読むように言われた。資料の返却期限が来るからということで、明日にはシーマに返さなければならないのだ。
翌日朝、リンたちはレーベ行きの隊商に紛れて出発した。
隊商はイノセント領所属の流浪商人で、公費で護衛を雇っていた。リンたちがついていくのは問題ないとのこと。他にも数人そのような者たちがいた。
オラレ、リン、ラキの順番で歩いていると時々隊商の人がリンゴのような果物やパンのような食べ物をくれた。結構かわいがってくれたのだと思う。
夜は交替で歩哨を立てていたが、それは護衛の仕事であった。
一日が終わるとリンはメモを取り出し、ラプタの卵輸送の問題点を書いていく。
設計図からラプタの卵は大きさが手のひらぐらいであることが分かっている。装置は背負うように製作されているので、オラレが一人で運搬の担当になる。
問題点とは、天候が荒れたときや太陽が昇った時に装置に直射日光が当たらないようにするための避難場所の位置、高低差や悪路によりオラレの体力で最初から最後まで持って歩くことができるかの判断などである。
「大丈夫大丈夫」
体力勝負が得意なオラレは流石である。リンは一日歩くだけでもう死にかけていた。
しかし、十歳のラキが弱音一つ吐かないのに年上のリンが愚痴を言うわけにはいかない。
その晩、リンは中継地で野営しながらこの世界の住民はなんて丈夫なのだろうと感心して眠りについた。
翌日、朝日が昇ると隊商はすぐに食事をとり始めた。
食事は事前にアマリスで購入して用意しておいた保存食である。また、隊商の中でも店を開く者がいて、飲み物などはそちらでも購入できる。食事よりも飲み物の方が需要が高いのだそうだ。
もっぱら夜の酒がメインとは言っていたが、確かに重量物の飲料は多少高くても体力のことを考えたら隊商内で購入した方が良い気がする。
翌日もまたひたすら歩き、無事予定通り夕方にはイノセント領レーベに到着することになったのである。
イノセント領レーベは赤い岩と砂の乾燥した、アマリスの半分より少し小さいくらいの規模の町だ。冬になると一面が真っ白になるそうだが、想像がつかない。
氷魔山脈はすぐそこにあるように見え、今の季節は緑色の山々がそびえている。
町の広場で隊商と別れると、レーベ-アマリス便の時間を確認してまずは宿を探すことにした。宿泊施設はいくつかあったが、下見という趣旨から一番安いものを選んだ。
一番安いとは言ってもベッドはあるし机もある。風呂とトイレは共同だが問題はない。食堂は隣接している店を紹介された。
レーベの町を見て歩くことにする。
まず町の中心の広場にもう一度行くと、そこでは隊商で一緒だった商人が様々な商品を並べていた。
すでに店を開いてからしばらく時間がたっているらしく、それを目当てにかなりの人であふれていた。
隊商にいなかった商人もいるが、何日かレーベに滞在して商売をしている人たちであろう。
『わかっていると思うが、卵に興味を示すんじゃないぞ』
突然リンの頭の中にリッカが声をかけてきた。
「なんで?」
『シーマも言っていたろう。ラプターの卵は人気商品だ。偽物が多いと予想されるし、採取の邪魔をされる可能性もある』
どちらも犯罪なので大ぴらにはできないが「騙された方が負け」のようなこの世界では危険を回避するのも重要なことだ。
「わかった」
ということはどこで採取できるかをこのレーベで聞いて歩くわけにもいかないというわけだ。
なるほど。この下見の重要性が分かってきた。
当日は器具を背負ってきているから何を探しているか一発でわかる。偽物を掴まされて違約金を払うのは嫌だから、誰にも頼らず採取場所に行かなければならないのだ。
ということは今日は山に入ってダミーの何か無難なものを取りに行かなければならない。ついでを装ってラプタ探しだ。
あらかじめそう言っておいてほしいとは思うものの、自分で気が付かなければならないことだったし、ヒントもくれていた。リッカに注意されたのは自分が至らない点であると反省しなければならないとリンは気を引き締めた。
シーマの資料によると、レーベの町にはラプタ以外にも特産品がある。植物では薬草で有名な還元草、山奥の泉に生えている山女魚桜、動物は肝が珍重される鼠熊、牙が取れる白色牙虎などである。だが名前からして動物は勝てそうにないので還元草か山女魚桜で行こう。
そのままレンザの指導で設計事務所と工房を紹介してもらった。
地図と案内書をもらう。案内書にはギルドの角印と半券が付いている。
事務所にもどり、シーマに怪鳥ラプタの採取の仕事を請けたことを報告したところ、思った通り自分で進めるよう言われた。
「無難なものを選んでくれてホッとするわ」
シーマはそう言ってくれるが、自分でも最も良いのを選べたと思う。
レンザに紹介された設計事務所はカラール設計アマリス支店である。この設計事務所は公告によると大手設計から小規模設計まで手広くやっている企業らしい。
「どうせ相場もわからないだろうし、お任せで良いのじゃないか?」
レンザが言っていた通り、カラール設計には既に怪鳥ラプタの卵運搬機の設計図があった。すでにある設計図は打ち合わせも行わないで受付で購入して終わりである。
価格は金貨十枚。年六枚の分割払いが可能。頭金は三枚となるが二枚余分に取られる。
担当者に聞いたところ、過去には器具のチーム間の貸し借りがあったそうだが、事故があってから全面禁止になったのだそうだ。事故の内容は教えてくれなかった。
設計図は保温期器から耐衝撃機構まで揃った精密なものであった。リンではぱっと見た目、何が書いてあるかよくわからない。
次にカラール設計アマリス支店を出て同じくレンザに紹介されたカラール設計の系列会社のアマリス工房に行くと、貸し借りは不可であると念押しされた。
それよりなぜ設計と製造が二つに分けられているのかよくわからない。おそらく医薬分業のようなものなのだろうとリッカが言った。
「ユニーク依頼であれば設計さえしてしまえば製造が格安だと思うけど、それが受けられるほどまだ実力がないんだから仕方がないわ」
後ほどシーマに聞いてみたらそのようなことを言っていたから一般的なことなのだろう。特に気にしない方がよいのかもしれない。
アマリス工房の予約は三日後であった。一日で予定通りの物を製作できると言っている。
アマリス工房では技術者二人と主任技術者の三人が紹介された。運搬する物や距離、季節や所要時間によって微調整が必要なのだそうだ。
設計された器具という物は、主任技術者が一人で製作することができるが、技術者のみで製作することは法律で禁止されているとのこと。例えば同じものを十個作るとして、十個のうち九個を主任技術者、一個を技術者が作成するのはだめで、十個を技術者が途中まで作成し、主任技術者が引き継いで作成するのは良いのだそうだ。
主任技術者のシルバが丁寧に内容を説明する。
赤色の眼鏡をかけた二十五前後の長身の青年で、深いバリトンの声が特徴である。
「価格については窓口と相談してください」
シルバは技術的な内容のみしか言うつもりはないらしい。
「こちら、製品保証が三年となっております。三年が過ぎると事故があった場合の損金はお客様持ちですのでご注意ください」
使い古された設計図でも、怪鳥ラプタの卵の依頼が入ると少なくとも三年に一回は製作が必要となるのでそのたびに工房にお金が入ってくる。チームとしては器具を作ったら、三年間は繰り返し依頼を受けた方が得である。
なるほど、即決品の意味が分かってきた。器具を作ったり、船を作ったりすると有効活用するために同じ依頼を繰り替えし受けないと期限が来て使えなくなるから損なのだ。
「それでは四日後の朝、受付で受け取ってください」
眼鏡をかけ直しながらシルバが言った。
受付で価格を聞くと設計図がカラール設計のものなので割引があり、材料費金貨一枚、製造費金貨四枚であった。
前金は十五枚なので製造費がきっかりなのはもしかして意図的なものなのかもしれない。
「シーマ、支払いはどうしようか?」
あなたが決めなさいと言われるかと思ったが、シーマは全て現金で支払うように言った。
「分割にすると仕事をする度にローンが増えるから好ましいやり方ではないわ」
シーマはそういうが、そう簡単にいかないから分割払いというものがあるのだろうに。
「とにかく、お金のことより現地に下見に行ってきて。そうね、オラレとラキを連れて行きなさい」
下見。リンは考えてもみなかったことである。器具の受け取りはやっておくからと続けて言うからには三日で帰ってくる行程ではないようだ。
「期限が設定されていなくてほんと楽な仕事を取ってきてくれましたね」
今回の依頼について、期限がないということは金貨三十枚なので通常の期限が三十日間ということになる。以後一日につき金貨一枚の違約金が発生するので、通常は違約金二割ですむあたりで依頼失敗を宣告して損切をするのだ。ただ、昇運月見草のように昇運祭などのように決まりきった期限がある場合は暗黙の了解で依頼時には期限設定されていない場合もある。
「そうね、七日以内ぐらいで帰ってきてね。余裕をもって金貨七枚渡します」
三人で約二十日ちょっと分の食費である。宿代など食事以外の諸経費はこの中から出すことになる。
しかし、魔族の襲来や魔獣の跋扈する世界なので、それなりに危険があるはずだ。自らを鍛えたり護衛を雇ったりして対応するしかないのだが、氷魔山脈までは大丈夫なのだろうか。不吉な名前の山脈だが。
「明日朝に氷魔山脈の麓、レーベの町まで隊商が出ます。それについていけば良いでしょう。二日で到着する予定だから余裕です。レーベの町は有名な鷹匠の町でもあります。怪鳥ラプタの卵を売っていますが、くれぐれも買おうとしたりしないでください」
シーマはリンが設計事務所などを回っているときにレーベの町を調べたらしい。いや、もしかしたらもともと知っていたのかもしれない。怪鳥ラプタとレーベの資料を渡され、今晩中に読むように言われた。資料の返却期限が来るからということで、明日にはシーマに返さなければならないのだ。
翌日朝、リンたちはレーベ行きの隊商に紛れて出発した。
隊商はイノセント領所属の流浪商人で、公費で護衛を雇っていた。リンたちがついていくのは問題ないとのこと。他にも数人そのような者たちがいた。
オラレ、リン、ラキの順番で歩いていると時々隊商の人がリンゴのような果物やパンのような食べ物をくれた。結構かわいがってくれたのだと思う。
夜は交替で歩哨を立てていたが、それは護衛の仕事であった。
一日が終わるとリンはメモを取り出し、ラプタの卵輸送の問題点を書いていく。
設計図からラプタの卵は大きさが手のひらぐらいであることが分かっている。装置は背負うように製作されているので、オラレが一人で運搬の担当になる。
問題点とは、天候が荒れたときや太陽が昇った時に装置に直射日光が当たらないようにするための避難場所の位置、高低差や悪路によりオラレの体力で最初から最後まで持って歩くことができるかの判断などである。
「大丈夫大丈夫」
体力勝負が得意なオラレは流石である。リンは一日歩くだけでもう死にかけていた。
しかし、十歳のラキが弱音一つ吐かないのに年上のリンが愚痴を言うわけにはいかない。
その晩、リンは中継地で野営しながらこの世界の住民はなんて丈夫なのだろうと感心して眠りについた。
翌日、朝日が昇ると隊商はすぐに食事をとり始めた。
食事は事前にアマリスで購入して用意しておいた保存食である。また、隊商の中でも店を開く者がいて、飲み物などはそちらでも購入できる。食事よりも飲み物の方が需要が高いのだそうだ。
もっぱら夜の酒がメインとは言っていたが、確かに重量物の飲料は多少高くても体力のことを考えたら隊商内で購入した方が良い気がする。
翌日もまたひたすら歩き、無事予定通り夕方にはイノセント領レーベに到着することになったのである。
イノセント領レーベは赤い岩と砂の乾燥した、アマリスの半分より少し小さいくらいの規模の町だ。冬になると一面が真っ白になるそうだが、想像がつかない。
氷魔山脈はすぐそこにあるように見え、今の季節は緑色の山々がそびえている。
町の広場で隊商と別れると、レーベ-アマリス便の時間を確認してまずは宿を探すことにした。宿泊施設はいくつかあったが、下見という趣旨から一番安いものを選んだ。
一番安いとは言ってもベッドはあるし机もある。風呂とトイレは共同だが問題はない。食堂は隣接している店を紹介された。
レーベの町を見て歩くことにする。
まず町の中心の広場にもう一度行くと、そこでは隊商で一緒だった商人が様々な商品を並べていた。
すでに店を開いてからしばらく時間がたっているらしく、それを目当てにかなりの人であふれていた。
隊商にいなかった商人もいるが、何日かレーベに滞在して商売をしている人たちであろう。
『わかっていると思うが、卵に興味を示すんじゃないぞ』
突然リンの頭の中にリッカが声をかけてきた。
「なんで?」
『シーマも言っていたろう。ラプターの卵は人気商品だ。偽物が多いと予想されるし、採取の邪魔をされる可能性もある』
どちらも犯罪なので大ぴらにはできないが「騙された方が負け」のようなこの世界では危険を回避するのも重要なことだ。
「わかった」
ということはどこで採取できるかをこのレーベで聞いて歩くわけにもいかないというわけだ。
なるほど。この下見の重要性が分かってきた。
当日は器具を背負ってきているから何を探しているか一発でわかる。偽物を掴まされて違約金を払うのは嫌だから、誰にも頼らず採取場所に行かなければならないのだ。
ということは今日は山に入ってダミーの何か無難なものを取りに行かなければならない。ついでを装ってラプタ探しだ。
あらかじめそう言っておいてほしいとは思うものの、自分で気が付かなければならないことだったし、ヒントもくれていた。リッカに注意されたのは自分が至らない点であると反省しなければならないとリンは気を引き締めた。
シーマの資料によると、レーベの町にはラプタ以外にも特産品がある。植物では薬草で有名な還元草、山奥の泉に生えている山女魚桜、動物は肝が珍重される鼠熊、牙が取れる白色牙虎などである。だが名前からして動物は勝てそうにないので還元草か山女魚桜で行こう。
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる