9 / 64
第一章 異世界召喚鍛冶師、爆誕!!
王都①
しおりを挟む
外が騒がしくなった。窓の外からは笑い声や怒鳴り声、叫び声や話し声など賑やかさが伝わってくる。私は窓に目を向けひょっこり顔を出した。
「うわあぁーーー!!すごーーい!!」
まだ街には着いていないというが、周りにはたくさんの食べ物を乗せた大きな荷馬車やテクテク歩いている旅人?らしき人などが、ごっちゃ混ぜになって溢れかえっていた。
私は乗合の馬車に乗っていた。この世界でいうバスのようなものだ。普通、お金を払わなければいけないらしいが、アルさんがいつも手首につけているバングルのようなものを馬車の操縦者に見せたらスィーっと乗らせてもらった。
「こら、ユキ危ない。」
怒られた。
えへへ、すみませんと私は謝った。
アルさんはローブで顔の半分を覆っている。耳や尻尾を隠すためだとか…。アルさんは人狼と人のハーフで、いくら国家職人だろうがあまりいい目で見られないらしい。
人狼の国は好戦的でいつも問題ばかり起こしていた。そして、人狼の王は力を求め神に等しいと言われる龍に手を出してしまったのだ。その結果、人狼の国は滅ぼされ、人狼という種族そのものが存続の危うい状態まで皆殺しにされたらしい。
アルさんは自業自得だとザッパり切り捨てていたが、そのせいで関係の無いアルさんまでも生きずらく、人目を気にしながら生活しなければいけなくなっている。
「ほらここまでだ!!ここからは徒歩で入出許可書をもらいに行けーー!!」
馬車の操縦者が声を張り上げて言った。ゾロゾロと乗っていた人たちは降りていった。
「俺達も降りるぞ。」
ひょいと私達も馬車を飛び降りた。皆が進むのを習って私はあとをついていこうとしたが、アルさんに制された。
「あんな所並んでたら日が暮れてしまう。俺達はあっちから行くぞ。」
ズラーと行列が並んでいる方をアルさんは指さしてスッとその近くにあるごつい入口を指した。
スタスタと慣れた感じで歩いていくアルさんのあとを私はついて行った。
入口の前にはごつい鎧を着た二足歩行の虎が大剣を腰につけ立っていた。
大虎は近づく私たちに気づいてじろりとにらんだ。
「誰だ。」
「俺だ俺。」
オレオレ詐欺みたい…と私は心の中で思った。
「アルハーベットだよ。」
そういうとアルさんはローブのフードを脱いだ。ぴょこんぴょこんと耳が姿を現した。あいかわらずモフモフの触り心地の良さそうな耳である。
「おぉ!!アルか!!なんだなんだ~?女の子なんか連れちゃって~!!」
「ヒューうるせーぞ」
じろりと睨んで牙をむきだしていた大虎は、人懐っこい笑顔を見せ近寄り難い雰囲気を破壊させるほどの、「お人好し」が似合う虎へ変わった。野生動物からペットほどの変わりようである。
「嬢ちゃん怖がらせて悪かったな。俺はヒューというもんだ。今は門番担当だが、これでもれっきとした国家騎士団の中尉だぜ。」
「わ、私はユキです。」
ふんふんユキちゃんか、可愛い名前だね。とヒューさんは言った。お世辞とわかっているが照れる。
「ヒューが今月の門番担当で助かった。書類やら何やら記入するのがめんどくさいし。」
「まぁ、それがルールだしな。」
どうやら、王都に入るには色々手続きが必要らしい。ヒューさんとアルさんは昔からの仲らしく、ヒューさんの中尉という肩書きを利用していつも面倒事をパスして王都へ入るらしい。
「ほれ、じゃあキュルス王国の国家技術者の証を見せろ。」
アルさんは手につけているバングルを見せた。どうやらただのバングルではなく国家技術者の証らしい。
「嬢ちゃんは、王都は初めてかい?」
私はコクコクと頷いた。それを見たヒューさんはにやりと笑った。
「王都はこの世界の中心となる都だ。そんじゃそこらの街とは比べ物になんないくらい、賑やかで、キラキラしてて、あらゆる物という物で溢れかえってるぜ。食べ物はうまいし、たくさんの種族が入り乱れている。」
「ほぇーーー!!」
異世界初めての街がそんなハイレベルなものとは…!!
「じゃーなヒュー。またサボって酒飲むなよ。今度は殺されっかんなー。」
「余計なお世話だ!!」
行くぞ、ユキ。とアルさんは私の手を引いた。私はビックリして固まった。アルさんは不思議そうな顔をして私をのぞきこんだ。
「どうした??行くぞ?」
私は下を向き、うん…と返事をした。
後ろの方でヒューがこの天然ヤローと叫んでいた。
私はアルさんと手を繋ぎ王都へ足を踏み入れた。
「うわあぁーーー!!すごーーい!!」
まだ街には着いていないというが、周りにはたくさんの食べ物を乗せた大きな荷馬車やテクテク歩いている旅人?らしき人などが、ごっちゃ混ぜになって溢れかえっていた。
私は乗合の馬車に乗っていた。この世界でいうバスのようなものだ。普通、お金を払わなければいけないらしいが、アルさんがいつも手首につけているバングルのようなものを馬車の操縦者に見せたらスィーっと乗らせてもらった。
「こら、ユキ危ない。」
怒られた。
えへへ、すみませんと私は謝った。
アルさんはローブで顔の半分を覆っている。耳や尻尾を隠すためだとか…。アルさんは人狼と人のハーフで、いくら国家職人だろうがあまりいい目で見られないらしい。
人狼の国は好戦的でいつも問題ばかり起こしていた。そして、人狼の王は力を求め神に等しいと言われる龍に手を出してしまったのだ。その結果、人狼の国は滅ぼされ、人狼という種族そのものが存続の危うい状態まで皆殺しにされたらしい。
アルさんは自業自得だとザッパり切り捨てていたが、そのせいで関係の無いアルさんまでも生きずらく、人目を気にしながら生活しなければいけなくなっている。
「ほらここまでだ!!ここからは徒歩で入出許可書をもらいに行けーー!!」
馬車の操縦者が声を張り上げて言った。ゾロゾロと乗っていた人たちは降りていった。
「俺達も降りるぞ。」
ひょいと私達も馬車を飛び降りた。皆が進むのを習って私はあとをついていこうとしたが、アルさんに制された。
「あんな所並んでたら日が暮れてしまう。俺達はあっちから行くぞ。」
ズラーと行列が並んでいる方をアルさんは指さしてスッとその近くにあるごつい入口を指した。
スタスタと慣れた感じで歩いていくアルさんのあとを私はついて行った。
入口の前にはごつい鎧を着た二足歩行の虎が大剣を腰につけ立っていた。
大虎は近づく私たちに気づいてじろりとにらんだ。
「誰だ。」
「俺だ俺。」
オレオレ詐欺みたい…と私は心の中で思った。
「アルハーベットだよ。」
そういうとアルさんはローブのフードを脱いだ。ぴょこんぴょこんと耳が姿を現した。あいかわらずモフモフの触り心地の良さそうな耳である。
「おぉ!!アルか!!なんだなんだ~?女の子なんか連れちゃって~!!」
「ヒューうるせーぞ」
じろりと睨んで牙をむきだしていた大虎は、人懐っこい笑顔を見せ近寄り難い雰囲気を破壊させるほどの、「お人好し」が似合う虎へ変わった。野生動物からペットほどの変わりようである。
「嬢ちゃん怖がらせて悪かったな。俺はヒューというもんだ。今は門番担当だが、これでもれっきとした国家騎士団の中尉だぜ。」
「わ、私はユキです。」
ふんふんユキちゃんか、可愛い名前だね。とヒューさんは言った。お世辞とわかっているが照れる。
「ヒューが今月の門番担当で助かった。書類やら何やら記入するのがめんどくさいし。」
「まぁ、それがルールだしな。」
どうやら、王都に入るには色々手続きが必要らしい。ヒューさんとアルさんは昔からの仲らしく、ヒューさんの中尉という肩書きを利用していつも面倒事をパスして王都へ入るらしい。
「ほれ、じゃあキュルス王国の国家技術者の証を見せろ。」
アルさんは手につけているバングルを見せた。どうやらただのバングルではなく国家技術者の証らしい。
「嬢ちゃんは、王都は初めてかい?」
私はコクコクと頷いた。それを見たヒューさんはにやりと笑った。
「王都はこの世界の中心となる都だ。そんじゃそこらの街とは比べ物になんないくらい、賑やかで、キラキラしてて、あらゆる物という物で溢れかえってるぜ。食べ物はうまいし、たくさんの種族が入り乱れている。」
「ほぇーーー!!」
異世界初めての街がそんなハイレベルなものとは…!!
「じゃーなヒュー。またサボって酒飲むなよ。今度は殺されっかんなー。」
「余計なお世話だ!!」
行くぞ、ユキ。とアルさんは私の手を引いた。私はビックリして固まった。アルさんは不思議そうな顔をして私をのぞきこんだ。
「どうした??行くぞ?」
私は下を向き、うん…と返事をした。
後ろの方でヒューがこの天然ヤローと叫んでいた。
私はアルさんと手を繋ぎ王都へ足を踏み入れた。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる