異世界召喚鍛冶師

蛇神

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第二章 悪魔と妖精

初めての魔法

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「ユキ、お前は1週間王宮で魔力コントロールの特訓な」

 私が天井付きベットの部屋に戻りベットでゴロゴロのんびりしている時に突然バン!!とナルキス国王が入ってきたかと思うと、ドンと言ってきた。私はビックリして目を見開いた。

「え?特訓って…明日アルさんの工房に帰るって話じゃなかったんですか!?」

 先の会議で、アルさんの工房に早く戻り鍛冶師としての仕事を学べ、と決まったのだ。私の疑問を読んでナルキス国王は答えた。

「武器を作ったり治したりする工程の中で魔力を使うんだ。お前、魔力の使い方分かんないだろ?」

 あ…

「アルは物心つく前から呼吸をするように使えてたらしいからな…アイツの教えはあてにならん」

 な、なるほど…。私は寝っ転がった状態から起き上がり、ベットに座った。その横にドサリとナルキス国王が当然のごとく座った。

「ずっと気にってたんですけど…王様って普通にホイホイ自由に動き回れるもんなんですか?護衛とか付き人いないようですし…?」
「案外暇なんだよ、それに俺には光の加護があるからな平気だ」

 ん?光の加護?私が首をかしげてるとめんどくさそうな顔をした。

「まぁ、その説明はおいおいな…。まずはユキ、お前の魔力を解放する。」

 そういうと、私の額に手のひらをかざしてフーと息を吐いた。

 パチパチと額が痺れた。そこからジンワリと暖かい何かが全身を駆け巡った。

「ふぐっ!?」

 私はビックリして飛び上がった。身体中に熱を感じ、自然と汗が出てきた。

「うわっ、お前の魔力量すごいな…」

 ナルキス国王が目を点にして私を見ていた。スーと熱が引いていくのを感じ、ポカポカしていた体が平常時の体に戻るのを感じた。

「ん?ん?」

 いたって、普通の状態である。

「大丈夫だ、ちゃんと魔力が解放されてる」

 そう言われても実感がない…。
 私のもの寂しそうな顔を見たナルキス国王はため息をついた。

「じゃあそうだな…妖精に働きかけて魔法使ってみるか」

 私はハッとしてナルキス国王を見つめた。

 特に秀でたものもなく、普通に勉強してそこそこの大学入って、普通に友達作ってって感じで普通の人生を歩んできた。そんな私が魔法を使うと思うと、胸がカーッと熱くなった。

「…どんな事をやるんですか?」

 私はドキドキ激しく動く心臓をどうにか抑え、ナルキス国王に聞いた。そんな私を見てフハッと笑って言った。

「簡単なことだよ、働きかけるんだ。こういう風にしてほしいって。例えば…」

 ナルキス国王が指をフイッと私へ向けた。するとブワッと風が起こり私の髪の毛を持ち上げた。

「俺は今、風の妖精に小さな風を顔に当てろと念じた」

 ニヤニヤと目をパチクリして驚く私にこれくらいは魔法学校の生徒でも簡単に出来るぞ、と言ってきた。ぐ~…なんかムカツク。

「…念じるだけでいいんですか?」
「あぁ、そうだ」

 念じるだけ…ね…。

「そうだな…ここからカーテンを動かすぐらいの風を起こしてみろ。まぁ、最初だ。失敗しても、別にどうてことない」

 念じるだけだ。簡単じゃないか。

「いいか、魔力の流れ…川の流れみたいなものを意識して風の妖精に働きかけるんだ。そして、自分が何をしたいのか念じろ」

 私は言われるままに川を想像した。風の妖精さん、カーテン動かす風ください!!私はひたすら念じた。

 すると、私の目の前にチョコんと座る真っ白なフワフワの毛玉が現れた。

『きゅ~!(了解!)』

 そのフワフワ毛玉からは甲高い鳴き声に重なるようにキンキン声の高い声の言葉で話しかけてきた。

「…へ?」

 ビュルルルル!!ガッシャァーーン!!!!!!

 その小さなフワフワは凄まじい風の魔法を展開して、カーテンに向けて放った。

 案の定、カーテンは弾け飛び、窓があった場所にはポックリと大きな穴が空いていた。

 先ほどのフワフワ毛玉がフワフワ私の太ももにポスりと落ちた。よくよく見ると、フワフワの毛の中につぶらな2つの瞳を見つけた。その真っ暗な2つの瞳は私を見つめ、どう?僕偉いでしょ!偉いでしょ!とドヤァとした。

 私は怖々と太ももの奇妙な生物は無視してナルキス国王を見た。ナルキス国王はハァーとため息をついて静かに言った。

「カーテンを動かすぐらいの風を…って言ったけど、ここまで動かさなくてもなー…っばか!!」

 怒られた…まぁ、当たり前か…。

 私に無視され続けるフワフワ君は私の手を噛んだ。

「ったぁー!」

 私はフワフワ君を引っ掴んだ。

「何するの!?痛いでしょ!!噛んじゃだめ!!」

 私は説教した。流石に無視したからって噛む必要ないと思う。

「君も君でなんで…なんでこんな吹き飛ばすの!?」

 フワフワ君は私の手のひらの中でモゾモゾと体を動かした。私に無視されなかったのがよほど嬉しいみたいだ。

『キューキュキュー!!(ごめんよ~!でも、君の魔力食べたら嬉しくてつい!)』
「え!?私の魔力食べたの!?」

 ナルキス国王に突然方をぐいっと引っ張られた。私はビックリしてナルキス国王を見つめた。

「おい…お前、何と話してる??」
「え…?なんか、フワフワ毛玉の…多分風の妖精かな??」

 ギョッとナルキス国王は目をパチパチさせた。顔を引き攣らせて無理に笑った顔をヒクヒクさせた。 

「おま…妖精が見えるのか?いや、それはいい…お前、妖精と会話できるのか!?」

 私は首をかしげてフワフワ君を見た。フワフワ君はエッヘンと体をそらした。

『キュキュキュキューキュ!!(普通の人は僕達を見ることなできない、たまに見る人がいても会話は出来ない…けど、君の場合は妖精から祝福を受けているから、そのどちらとも可能なんだ!!)』

 どうやら、私のスキル…結構チートらしい。
 
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