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第二章 悪魔と妖精
妖精の世界も苦労しそう
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部屋を吹き飛ばしてしまった私は(正確にはフワフワ君)普通の部屋では危険とのことで、ナルキス国王と地下室へ来た。
この地下室はナルキス国王が魔法の特訓をするために作った部屋だそうだ。殺風景な薄暗い部屋の壁には無数の焦げや傷があった。
周りを見渡したあと、ナルキス国王に促され、部屋に入った。その途端くぅ~…と私の腹の虫が泣き叫んだ…。確か、屋台の串焼きを食べてから1度も食べ物を口にしてなかった。私は恥ずかしくて俯いた。
「…今昼だし、昼食をここへ運んでくるよう頼んでやる」
「かたじけない」
私は国王に深く仰々しくお辞儀をした。ナルキス国王は苦笑いして、私に向き直った。
「それで?さっきの風の妖精はまだいるのかい?」
ナルキス国王はキョロキョロしながら聞いてきた。私はため息をついて答えた。
「はい…今、私の頭の上にいます」
白くてフワフワの綿毛のようなモフリとしているこの子。私の頭の上でグースカ気持ちよさそうに眠っているが、実の所コイツは風の妖精らしい。私は勝手にフワフワ君と呼ばせてもらっている。
「私の頭で寝てます…起こします?」
いや、いい。アイツら怒ると何するかわからないからな…とナルキス国王はブンブン首を振って拒否した。
「そっとしとけ、頭から落とさないようにしろよ?」
頭から落ちないも何も…私の髪の毛を鷲掴みにしてるので落ちようもないと思うのだが…。
キューキューと可愛い鳴き声が私の髪の毛を揺らしている。なんかとてもくすぐったく、頭を思いっきり揺らしてコイツを叩き落としたい…。
「我慢だ我慢!!」
笑いをこらえながらナルキス国王はニカニカ言ってきた。他人事だと思って調子こきやがって…国王じゃなかったら吹っ飛ばすところだ。
ナルキス国王はヨイショと床に座った。私もそれに習って冷たい床へ腰を下ろした。その途端、目の前に数冊の分厚い本が現れてバサバサと私のすぐ側に落ちてきた。赤い本と青い本、緑に黄色に黒に…まぁいろんな色の本がある。
ナルキス国王は赤い本を手に取った。パラパラと古く薄い紙をめくっていく。
私はなんだろうと気になって、赤い本を覗き込んだ。
3分の2ぐらいの所でピタリと紙を動かすのをやめた。そのページには何やらたくさんの図が載っていた。
「これは…妖精の階級が載っている本なんだ。このページから風の妖精のエリアなんだ…。上からS+++、S++、S+、S、A+++、A++、A+、A…というようにDまでこれが続いている」
へー!と私は驚いた。妖精に階級があるとは…こんなに階級があるなんて、どっかの有名企業みたいだ。
ちなみに!とナルキス国王はフワフワどこかえ飛んでいった私の意識を引き戻した。
「これはあくまで俺達の視点から見た階級名だ。妖精たちは上から第1ケイル、第2ケイル…と続いているんだ」
うわぁ…めんどくさ、と私は顔をしかめた。そして、あれ?と疑問に思った。
「普通は見たり聞いたりって存在を確かめたり交流したり出来ないんですよね?じゃあ、どうやって妖精の階級とか分かるんですか?」
ほお、とナルキス国王は目を細め私を試すような目で見てきた。何か変な事言ったかな?
「前々から思ってたけど、ユキって色々鋭いよね。ポケーって話聞いてないかなー?って思ってたら何気にちゃんと聞いてるし。」
「それ、けなしてません?」
私も随分とこの人に慣れてきたなーと思った。仮にもこの人呼ばわりしてるけど、国…いや、この世界を背負う王様なのだ。そんな人にこんな馴れ馴れしく…。私はおかしく感じ、笑えてきた。
「ごめんごめん、まぁ簡単に言うと妖精と契約すると、それもステータスに出るんだよ」
なるほど。
「お前の場合は、直接聞けるけどね」
グースカピーと私の頭の上で寝ているフワフワ君を見上げたが、頭に乗っているため、白い端っこの毛しか見えなかった。
「後で聞いてみます」
まぁ、どっからどう見てもフワフワ君はザコキャラにしか見えないけどね!
「…お前って本当にブレないな」
この地下室はナルキス国王が魔法の特訓をするために作った部屋だそうだ。殺風景な薄暗い部屋の壁には無数の焦げや傷があった。
周りを見渡したあと、ナルキス国王に促され、部屋に入った。その途端くぅ~…と私の腹の虫が泣き叫んだ…。確か、屋台の串焼きを食べてから1度も食べ物を口にしてなかった。私は恥ずかしくて俯いた。
「…今昼だし、昼食をここへ運んでくるよう頼んでやる」
「かたじけない」
私は国王に深く仰々しくお辞儀をした。ナルキス国王は苦笑いして、私に向き直った。
「それで?さっきの風の妖精はまだいるのかい?」
ナルキス国王はキョロキョロしながら聞いてきた。私はため息をついて答えた。
「はい…今、私の頭の上にいます」
白くてフワフワの綿毛のようなモフリとしているこの子。私の頭の上でグースカ気持ちよさそうに眠っているが、実の所コイツは風の妖精らしい。私は勝手にフワフワ君と呼ばせてもらっている。
「私の頭で寝てます…起こします?」
いや、いい。アイツら怒ると何するかわからないからな…とナルキス国王はブンブン首を振って拒否した。
「そっとしとけ、頭から落とさないようにしろよ?」
頭から落ちないも何も…私の髪の毛を鷲掴みにしてるので落ちようもないと思うのだが…。
キューキューと可愛い鳴き声が私の髪の毛を揺らしている。なんかとてもくすぐったく、頭を思いっきり揺らしてコイツを叩き落としたい…。
「我慢だ我慢!!」
笑いをこらえながらナルキス国王はニカニカ言ってきた。他人事だと思って調子こきやがって…国王じゃなかったら吹っ飛ばすところだ。
ナルキス国王はヨイショと床に座った。私もそれに習って冷たい床へ腰を下ろした。その途端、目の前に数冊の分厚い本が現れてバサバサと私のすぐ側に落ちてきた。赤い本と青い本、緑に黄色に黒に…まぁいろんな色の本がある。
ナルキス国王は赤い本を手に取った。パラパラと古く薄い紙をめくっていく。
私はなんだろうと気になって、赤い本を覗き込んだ。
3分の2ぐらいの所でピタリと紙を動かすのをやめた。そのページには何やらたくさんの図が載っていた。
「これは…妖精の階級が載っている本なんだ。このページから風の妖精のエリアなんだ…。上からS+++、S++、S+、S、A+++、A++、A+、A…というようにDまでこれが続いている」
へー!と私は驚いた。妖精に階級があるとは…こんなに階級があるなんて、どっかの有名企業みたいだ。
ちなみに!とナルキス国王はフワフワどこかえ飛んでいった私の意識を引き戻した。
「これはあくまで俺達の視点から見た階級名だ。妖精たちは上から第1ケイル、第2ケイル…と続いているんだ」
うわぁ…めんどくさ、と私は顔をしかめた。そして、あれ?と疑問に思った。
「普通は見たり聞いたりって存在を確かめたり交流したり出来ないんですよね?じゃあ、どうやって妖精の階級とか分かるんですか?」
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「それ、けなしてません?」
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「ごめんごめん、まぁ簡単に言うと妖精と契約すると、それもステータスに出るんだよ」
なるほど。
「お前の場合は、直接聞けるけどね」
グースカピーと私の頭の上で寝ているフワフワ君を見上げたが、頭に乗っているため、白い端っこの毛しか見えなかった。
「後で聞いてみます」
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