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第二章 乙女ゲーム?
騎士団長
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「そこで、何をしている」
目の前にはボロボロの年端もいかない少年。そしてその少年を囲みながらニタニタと笑う男たち。
何をしようとしているかなど、一目瞭然だった。
「お前たちは、そこで、何をしているのかと、聞いているのだが?」
1度目の問いの時よりも、更に圧を加えて問いただす。
「な、んだテメエ!?」
「邪魔しよってのか!?」
「そ、そうだぞ、邪魔すんじゃねえ!今お楽しみ中なのがわかんねえのか!?」
男たちが唾を飛ばしながら罵声を浴びせてくる。
その間も、男たちに囲まれている少年は強引に髪を引っ張られているせいで、苦悶に満ちた表情を浮かべている。
───これは、なりふり構っていられないな。
「俺の名はトリテレイア・エンゼルランプ。
この国の騎士団長を務めているものだ。
敢えて聞こう。
お前達はそこの少年に暴行を加えようとしているが──·····
この罪の重さが、お前たちに分かるか?」
先程の圧よりもさらに圧を加え、殺気を飛ばす。
ヒィッと怯えあがった男たちは足をガクガクと震わせながら、一目散に逃げていった。
男たちに髪を掴まれていた少年に駆け寄る。
先程の圧で怯えあがっているだろう。
そう思ったが、俺が駆け寄りなり、ありがとうございす。と心底安心したような顔でお礼を言ってきた。
鈴のように可愛らしい声だった。話し方も丁寧だから、どこかの貴族の子供かもしれない。
……そして、俺に怖がっている素振りさえ見せない。普通の子供ならば、この俺の圧に大泣していてもおかしくないのに、だ。
感情のコントロールがこの歳でここまでできているのは、貴族の子だろう。まあ貴族の子供だとしても俺に怯える子供だっているがな。
俺の息子のように。
「少年。君、貴族の出だな?」
「………そう、です。」
やはりそうか。
大方、厳しい教育に音を上げて家から飛び出して来たのだろう。この年頃の子にはよくある事だ。
───···ここで少年の姿に目がいった。
紅い髪は、先程強引に引っ張られていたせいで、お世辞にも整っているとは言えない。
先程まで苦痛に歪んでいた顔は、泥だらけで擦り傷もあるがとても綺麗な顔をしているようだ。だが、泣いていたのか、目元は腫れている。
未成熟のその体は、どこも傷と泥だらけだ。膝からは血が流れている。
───どうやら、転んでいたようだ。
「傷が化膿するといけない。
傷の手当をするぞ。着いてこい。」
「あ、はい。今行きま──ってあれっ、?」
少年は立とうとしているが、どうやら脚が震えて立てないようだ。
無理もない。あんなことをされたあとなのだから。
「す、すみません。なんか、立てないみたいで。
もう少し待っていただければ、直ぐについて行きます。」
その少年の言う通り、少し待ってから行くことにしようとしたが、辺りは段々と人が集まってきている。
待つ必要もないだろうと思った俺は、その少年を抱き上げた。
───軽すぎる。
腕の中で慌てる少年を無視して、俺は歩き始めた。
目の前にはボロボロの年端もいかない少年。そしてその少年を囲みながらニタニタと笑う男たち。
何をしようとしているかなど、一目瞭然だった。
「お前たちは、そこで、何をしているのかと、聞いているのだが?」
1度目の問いの時よりも、更に圧を加えて問いただす。
「な、んだテメエ!?」
「邪魔しよってのか!?」
「そ、そうだぞ、邪魔すんじゃねえ!今お楽しみ中なのがわかんねえのか!?」
男たちが唾を飛ばしながら罵声を浴びせてくる。
その間も、男たちに囲まれている少年は強引に髪を引っ張られているせいで、苦悶に満ちた表情を浮かべている。
───これは、なりふり構っていられないな。
「俺の名はトリテレイア・エンゼルランプ。
この国の騎士団長を務めているものだ。
敢えて聞こう。
お前達はそこの少年に暴行を加えようとしているが──·····
この罪の重さが、お前たちに分かるか?」
先程の圧よりもさらに圧を加え、殺気を飛ばす。
ヒィッと怯えあがった男たちは足をガクガクと震わせながら、一目散に逃げていった。
男たちに髪を掴まれていた少年に駆け寄る。
先程の圧で怯えあがっているだろう。
そう思ったが、俺が駆け寄りなり、ありがとうございす。と心底安心したような顔でお礼を言ってきた。
鈴のように可愛らしい声だった。話し方も丁寧だから、どこかの貴族の子供かもしれない。
……そして、俺に怖がっている素振りさえ見せない。普通の子供ならば、この俺の圧に大泣していてもおかしくないのに、だ。
感情のコントロールがこの歳でここまでできているのは、貴族の子だろう。まあ貴族の子供だとしても俺に怯える子供だっているがな。
俺の息子のように。
「少年。君、貴族の出だな?」
「………そう、です。」
やはりそうか。
大方、厳しい教育に音を上げて家から飛び出して来たのだろう。この年頃の子にはよくある事だ。
───···ここで少年の姿に目がいった。
紅い髪は、先程強引に引っ張られていたせいで、お世辞にも整っているとは言えない。
先程まで苦痛に歪んでいた顔は、泥だらけで擦り傷もあるがとても綺麗な顔をしているようだ。だが、泣いていたのか、目元は腫れている。
未成熟のその体は、どこも傷と泥だらけだ。膝からは血が流れている。
───どうやら、転んでいたようだ。
「傷が化膿するといけない。
傷の手当をするぞ。着いてこい。」
「あ、はい。今行きま──ってあれっ、?」
少年は立とうとしているが、どうやら脚が震えて立てないようだ。
無理もない。あんなことをされたあとなのだから。
「す、すみません。なんか、立てないみたいで。
もう少し待っていただければ、直ぐについて行きます。」
その少年の言う通り、少し待ってから行くことにしようとしたが、辺りは段々と人が集まってきている。
待つ必要もないだろうと思った俺は、その少年を抱き上げた。
───軽すぎる。
腕の中で慌てる少年を無視して、俺は歩き始めた。
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