黄昏一番星

更科二八

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序章 新天地と仲間との出会い

72話 氣

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「表情わかりやすすぎないか?」
洗い場から戻ってきた俺の顔を見てエドガーが呆れている。

「何も恥じる必要無いし」
「そうか?」
エドガーは秘め事を美徳とするタイプなんだろうか?

「思ってたより早かったねー」
早いと思われるのは心外だが早すぎる頃合いでもないはずだ。
まあ実際割と早い方なのは確かがなのだが。

「ゆっくりやれればその方が好きなんだけどな、俺があまり一人になるのもよくないだろ?」
「そうだったんだよねー、鍛錬を見たらもう護衛の意味無い気がするんだけど、一応任務だしねー」

モーガンは反省していたようだ。
「できれば別れるときはトレイがいるときでお願い」
「ああ、俺も配慮がかけていた。すまなかったな」
気が急いて忘れてたんだもん。

戻った後は俺、エドガー、モーガンの3人は食堂で朝食をとった。
トレイはまだ寝てるので後だ。
ここの食堂はやはり兵舎というべきだろう、質より量だ、だからと言って味が悪いわけでは無い。

エドガーはまだ手が震えているが頑張って一人で食べていた。
ただ相当苛立ったのか途中から顔を突っ込んで食べようとしたので止めた。

「エドガー、人であるうちはその食べ方はやめたは方がいい」
「だってよー、ぼろぼろ落として上手くいかなくて腹立つ」
「はははっ!獣人の子供はよくその食べ方して怒られるよなー!」
「ほら、食べさせてやるから、いまはまだ我慢してくれ」
「くそー部屋に戻ったらもっと練習してやる。昼には完璧にする!」

部屋に戻って少ししたらトレイも起きた。
モーガンが朝のことを説明する。

「へー、タイガって氣使えるんすね」
「鬼族は氣の力が高いものが多いからな、俺の故郷では鬼の奴らは基礎ぐらいは皆体得してたな」
「氣ってなんかわかりづらいっすよね、感覚的過ぎて、気合いだ!って言われてもよくわかんなくて苦手っす」
「みんなそう言うよねー。俺も全然わかんない、上官に聞いてもそんなことより剣の腕磨けって言われるしなー」
上官も分かってないな。

「なあタイガ、氣ってなんだ?」
会話にさっぱりついていけないエドガーが聞いてきた。

「エドガーさっき俺の鍛錬見てどう感じた?」
「なんか凄かったな、凄い力強さとか、なんかめちゃくちゃ硬そうとか?」
「そう、その感覚が氣を感じたということなんだ。
エドガーが俺に意識を向けた事でエドガーの氣が俺の印象を読んだ。
それをより細かく色々な情報を意識的に読み取ることが氣を読むということだな。
誰がどこに意識を注目しているとか、どう動こうと考えてるとか、魔力や氣の動き分かるようになる。
それと、氣に力を持たせ、体に染み込ませたり、外側に纏ったりするのを闘氣という。
エドガーが感じたみたいに硬くなったり、身体能力を上げたりできる。
この2つが氣を使う技術だな」

「・・・ごめん、目がいってしまって」
俺の股間ガン見してたもんな。
今の話で俺がエドガーの視線がどこに向いていたのか気づいていたことを察したようだ。
実際にはエドガー以外にもあの場の人間の視線は俺の股間に向いていた。

「それは全然気にしないからいい」
見たけりゃ全然見せる。
自慢の息子だ!
なんなら本気モードを見せてもいい。

「ちゃんと使える人に聞くと違うなー」
「俺はその鍛錬見てないから良くわかんねえっす。起こしてくれれば良かったのに」
「ちょっとぐらいなら教えてやってもいいぞ」
「本当っすか!お願いしたいっす!」
護衛されてるうちはやることなくて暇なのだ。
鍛錬かエドガーのリハビリぐらしいかやることないのだから、氣を教えるなんて暇つぶしにはちょうどいい。
そして俺たちは再び中庭へ向かった。
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