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2章 終末を呼ぶ狼
312話 釈放
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ギルダナの北街区にある魔法兵団の詰め所の前。
「じゃあな。悪い事はすんなよ」
竜人族の男は首を何度と縦に振る。
それを見た兵士の男は詰め所の中に戻って行った。
教会の奴隷であった3人目の男、角が折られ、翼を切られた竜人族のリーガルは兵士に見送られ釈放された。
そしてリーガルは途方に暮れる。
何をしたら良いのかわからない。
任務の為に街に出る事を許されていた同じ奴隷の2人の同僚と違い、リーガルはこれまで1度も自由に街を歩いた事がない。
闇と空間属性という珍しい魔力の属性を生かして教会幹部の側で影に潜み護衛をさせられていた。
暗殺向きな能力ではあるが、絶望的に度胸がなく、逆に助けようとする始末だったので、護衛専門となり殺しは行わなかった。
そのお陰で罪には問われず釈放とはなったが、リーガルは生活能力が皆無だった。
重要人物と関わる関係でリーガルは喉が潰されていて口がきけない。
幼い頃から教会に攫われて来て、教育もまともに受けていないので、文字の読み書きもままならない。
奴隷でいるうちは命令される事以外のことを制限されていてこんな状態でもそこまで困る事は無かった。
でもいざ自由の身になると何もできない。
どうやって生活していけば良いのか、何がしたいのかもわからない。
リーガルには一つだけ望みがあった。
教皇に言われていたこと。
何年にも渡る巡礼の旅が終われば、聖女様が体の傷を癒してやると。
しかしそれは叶わなかった。
あの夜リーガルは教皇を守れずに1人のオーガ族の男に教皇共々捕まってしまった。
教皇や教会のものたちがよくない事をしていたのは知っている。
護衛以外にさせられていた奴隷としての仕事から、自分の境遇の悪さはずっと実感していた。
だから教皇が捕まった事は当然だと思うし奴隷から解放された事は嬉しかった。
だけど望みは叶わなかった。
角や翼は無くても困らない。
だがせめて喉だけは治したかった。
希望の聖女も実はかなり良くない存在で、既に倒されてしまったのだと聞いた。
30年も前の傷を治せる回復術師はこの国にいないのだとも言われた。
叶わなかった事を悔やんでも仕方がない。
竜人族の人生はまだまだ長い。
生きていればどこかでチャンスはあるかもしれない。
リーガルにはこの街で兵士以外に1人だけ知っているものがいる。
リーガルを捉えたオーガ族の男。
なんでも兵士ではなくギルドというところで働く傭兵らしい。
あの男のお陰で、悪い事をしていた教皇はとらえられ、自分も奴隷から解放された。
だから凄く恩を感じる。
伝わるかどうか分からないが礼はしたい。
目的もないままでは何も始まらないと思ったリーガルは、あの日見た白髪のオーガ族を探すために行動を始めた。
「じゃあな。悪い事はすんなよ」
竜人族の男は首を何度と縦に振る。
それを見た兵士の男は詰め所の中に戻って行った。
教会の奴隷であった3人目の男、角が折られ、翼を切られた竜人族のリーガルは兵士に見送られ釈放された。
そしてリーガルは途方に暮れる。
何をしたら良いのかわからない。
任務の為に街に出る事を許されていた同じ奴隷の2人の同僚と違い、リーガルはこれまで1度も自由に街を歩いた事がない。
闇と空間属性という珍しい魔力の属性を生かして教会幹部の側で影に潜み護衛をさせられていた。
暗殺向きな能力ではあるが、絶望的に度胸がなく、逆に助けようとする始末だったので、護衛専門となり殺しは行わなかった。
そのお陰で罪には問われず釈放とはなったが、リーガルは生活能力が皆無だった。
重要人物と関わる関係でリーガルは喉が潰されていて口がきけない。
幼い頃から教会に攫われて来て、教育もまともに受けていないので、文字の読み書きもままならない。
奴隷でいるうちは命令される事以外のことを制限されていてこんな状態でもそこまで困る事は無かった。
でもいざ自由の身になると何もできない。
どうやって生活していけば良いのか、何がしたいのかもわからない。
リーガルには一つだけ望みがあった。
教皇に言われていたこと。
何年にも渡る巡礼の旅が終われば、聖女様が体の傷を癒してやると。
しかしそれは叶わなかった。
あの夜リーガルは教皇を守れずに1人のオーガ族の男に教皇共々捕まってしまった。
教皇や教会のものたちがよくない事をしていたのは知っている。
護衛以外にさせられていた奴隷としての仕事から、自分の境遇の悪さはずっと実感していた。
だから教皇が捕まった事は当然だと思うし奴隷から解放された事は嬉しかった。
だけど望みは叶わなかった。
角や翼は無くても困らない。
だがせめて喉だけは治したかった。
希望の聖女も実はかなり良くない存在で、既に倒されてしまったのだと聞いた。
30年も前の傷を治せる回復術師はこの国にいないのだとも言われた。
叶わなかった事を悔やんでも仕方がない。
竜人族の人生はまだまだ長い。
生きていればどこかでチャンスはあるかもしれない。
リーガルにはこの街で兵士以外に1人だけ知っているものがいる。
リーガルを捉えたオーガ族の男。
なんでも兵士ではなくギルドというところで働く傭兵らしい。
あの男のお陰で、悪い事をしていた教皇はとらえられ、自分も奴隷から解放された。
だから凄く恩を感じる。
伝わるかどうか分からないが礼はしたい。
目的もないままでは何も始まらないと思ったリーガルは、あの日見た白髪のオーガ族を探すために行動を始めた。
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