黄昏一番星

更科二八

文字の大きさ
316 / 519
2章 終末を呼ぶ狼

313話 異世界転生

しおりを挟む
気がついたら異世界だった。
何を言っているのか分からないと思うだろうが、私の知っている常識では最早物語の定番となっていた状況をまさに今私は体験している。

ぼんやりとまとまりのなかった思考が徐々にはっきりとし始め、物事を考えられ始めた時に昔の記憶にある自分と今の自分に差がある事に気がついた。
私は子供になっている、それも赤ん坊。
生まれて1年ぐらいだった。

しかし過去の記憶や今の年齢以上の意識があっても赤子の体は無意識な反応を繰り返して自由は効かず、思考もまた覚束ない。
はっきりと自分の意思で思考と行動できるようになるにはあと1年かかることとなる。
こちらの両親には静かすぎる子供だと心配されまくっていた。
私の両親を見たのが異世界転生と思ったきっかけだ。

記憶にある日本という国で生きていた頃の両親と違う、なんとも外国人。
ヨーロッパのあたりの人種の顔をしていて、格好もなんか中世っぽい。
そして両親はどこからとも無く光を灯したり火を起こしたり水を出したりしていた。
正に魔法だ。確実に異世界転生だ。
終わってしまった前の人生には少し悔いがあるが、物語の中のことが実際に体験できるものとなりワクワクした。

私の思い出せる記憶では年齢は25歳だったはずだ。
最後の記憶は恐ろしいものだった。
農家の実家を手伝って畑仕事をしている時に空からたくさんの車が降り注いできた。
当然逃げようとしたがそこからの記憶がない。おそらく空から降ってきた車に潰されてしまったんだろう。
物語でよくあるような、誰かを助けようとしてトラックに跳ねられる展開じゃなかった。

私がいた世界ではその時度々超常現象が目撃されていてオカルトブームが始まっていた。
SNSには毎日のように不思議な光景の映像が流れてくるがほぼどれも合成で作られた映像にすぎなかったがたまにテレビでも報道される程の本物のような現象もあった。
そんな不思議な事が世界で起こり始めた折に私は転生して魔法のあるこの異世界にきた。
元いた世界と何か関係があるのかもしれない。

しかしさ、定番なら転生する前にこの世界の神様とかと会っちゃったりして、チートな能力もらったりしてっていう展開があるんじゃないの。と思うのだが、私の記憶には何もない。
もしかしたら何かあるのかもしれない。
あればいいな。
ど田舎生まれど田舎育ち、なんの出会いもリアルなときめきもないまま過ぎた青春。
今度の人生はできるだけ華やかなものになればいいな。
イケメン貴族とか強くてかっこいい冒険者とかに見そめられたらどうしよう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安
ファンタジー
ごく普通のフリーター・岩倉運命は謎の少年に刺され、命を落としてしまう。そんな岩倉運命だったが、サダメ・レールステンとして転生を果たす…

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

陰陽師と結ばれた縁

サクサク
ファンタジー
2本に古くから続く一族の直系に生まれた女の子、安倍咲月は一族の中では霊力と神力が少なく、使用人や分家の親族からは“役たたず”と呼ばれていた。 だが、現当主である成親は彼女に最大限の愛情を注いでいる。 そして、そんな彼女の傍には強い力を持たないのその姿を見る事すっらできない、守護神である十二神将が控えていた。 18歳の誕生日に他の兄妹と同じように、一族内での成人式裳儀に挑むことになるのだが・・・・・。 ※なろう、カクヨムでも同じ小説を掲載中です。 どうぞよろしくお願いいたします。

聖女召喚2

胸の轟
ファンタジー
召喚に成功した男たちは歓喜した。これで憎き敵国を滅ぼすことが出来ると。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

処理中です...