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第一章:狂愛・壊れた家族
2・こんなことは間違っている sideリア*
しおりを挟む「あ……あ……ぁっ……!」
家に帰るなり、義兄は私をベッドに押し倒した。
養父が亡くなってから義兄が求めてくるのは、私の唇だけではなかった。
首筋に唇を這わせ、弄るように私の身体に触れた。
こんな事は間違っている。
間違っているのに……身体は反応してしまう……
これは、私もいけなかったのかもしれない。
私は……義兄に初めて求められた日、一度だけ、封印していた心を解いてしまったのだ。言葉にこそしなかったが、そっと秘めたまま気付かれないように。義兄は私を好いているわけではない。あれは一時の気の迷いだったのだと思っていた。しかしそれ以来、義兄は頻繁に私を求めるようになってしまった。
心を解くべきではなかった。
けれどもあの時は、憔悴しきっていた義兄を放っておけなかった……。
あの時の一度だけと決めて、それ以降は抵抗しようとした。
でも、抵抗すればするほど、義兄は私を険しい顔で見つめ、力強く手首を掴んで拘束された。
身体は抵抗できない。ならば、せめて心だけは。
心だけは、抵抗し続けようと誓った。
「友達とパンケーキか……いいご身分だな」
低い声で、義兄が呟くように言った。
「いけませんか……? 友達は大切にするものです」
私は、確かに養われている身だ。
それでも、友人を大切にすることは間違っていない。
そこは、絶対に譲れない。
「……ゴンドル族のくせに……」
「……え?」
今、なんて──
「あぁぅっ!」
いつもより乱暴にされる。
ゴンドル族のくせに
確かにそう言った。
義兄も結局は私をそういう目で、蔑んでいたのだ。
しかし、悲しむ間もないほど、激しい動きが私を襲う。
執拗に突いてくる義兄を感じてしまい、声が抑えられなかった。義兄の顔を見る余裕もない。
慈しみ、怒り、悲しみ、悔しい思い、複雑な感情を抱えながら、義兄を受け入れるしかなかった。
「お兄様……! 激しすぎます……っ!」
いつもと違う動きに──私は、初めての絶頂を迎えた──。
あまりの出来事に、私の身体は高揚していた。
しかし、このままではいけない……。
血は繋がっていないと言えど、私たちは兄妹だ。
「お兄様は……」
隣で背を向けて横たわる義兄に、私は意を決して訊くことにした。
「うん……?」
「お兄様は、なぜそんなに私に構うのですか? こんな事は間違っています……!」
反発したことにより、また何かされるのではと身構えた。
しかし、義兄は厳しい表情ながらも冷静だった。
「……聞かない方が身のためだ」
「そんな! ひどいです、お兄様! 私は、これからずっと理由もなくお兄様に抱かれ続けなければならないんですか!?」
悔しい気持ちでいっぱいになり、ついに義兄の前で涙を見せてしまった。
すると、義兄の表情がさらに厳しくなった。
「ならば、言ってやろう……。おまえが……憎いからだ…!」
「……え?」
どういう、こと……?
「おまえのせいで父は死んだ」
「私の……せい……?」
「そうだ。ゴンドル族であるおまえを庇ったせいで、父は死んだのだ!」
「そんな……っ!」
「俺は、おまえを一生恨み続ける。ボロボロになるまで……。逃げる事を許さない……!」
「おにい……さま……」
ほんの少しでも、愛情が感じられれば……などと思った私が愚かだった。
私は、何を期待していたのだろうか。
義兄の非道な告白に、目の前が真っ暗になった────。
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