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第36話、移住者が来て人口が増えて味噌、醤油を作る
しおりを挟むいよいよボルトン男爵領に移住者が来始めた。
一回目の移住者は20台の大型馬車を連ねて500人が着いて住宅に案内すると、住宅が広く綺麗なので驚いていた。
それもそのはずで住宅は前世の公団住宅を真似た建物で、所帯者は3LDK、独身者は1LDKでシャワー室やトイレはこの世界になかった簡易水洗なので驚くのも当たり前だ。
移住者は失業者が多くキィウ王都の貧民街に住んでいた人や、食料不足の領地に住んでいた人たちなどで服もボロボロの服を着ている人が多い。
移住者の移動が終わったのは1か月後で、やはり所帯者が多く部屋は余ってホッとした。
移住者が全員、住まいに落ち着いた頃に移住者を住宅の集会所に集めて説明会を開いた。
家賃は仕事が決まるまで無料で仕事が決まったなら家賃と管理費を合わせて1カ月小銀貨5枚を貰うと言うと、家賃は旅館に2泊するくらいで安いので喜んでいた。
こちらの希望は農作地を無償であげるので農業に従事して欲しいと言うと移住者から。
「農業をした事がないので不安だ」
と言う声が上がり俺が。
「心配なのは分かるが、農業を覚えるまで指導員を付けるので安心してくれ。勿論、農業が嫌な人はギルドで別な職業を探して好きな職業についても良い」
俺の説明でどうやら安心して農業に従事する移住者が90%になり、これで農業者が増えて作物の生産も上がり、食料事情も少しずつ改善出来るだろう。
移住者が農業に慣れたら念願の稲作を始めるつもりだ。
これで領地の食料不足は無くなるが、この世界の食料不足を改善するのはまだまだで、次は稲作、調味料など課題はたくさんあるが、焦らずやれるところから実行に移す事にした。
出来る作物も増えたので今度は大豆、胡椒、てん菜(別名砂糖大根)を栽培して砂糖、味噌、醤油などの調味料を作る事にした。
砂糖が出来ればお菓子やケーキも作れるので食生活が豊かになるだろう。
調味料の作り方はAI知能の百科事典の入っているパソコンを召喚して使えば色んな物の作り方が書いてあるので出来るだろう。
大豆、てん菜、胡椒の栽培は移住して来た新しく農民になった人たちに栽培させた。
何でも俺がしては色んな事が広がらないので料理の好きな住民に作らせることにして、幸いギルドが出来たのでギルドで募集した。
募集に応じたのはキィウ王都で料理人をしていた28歳の男性で名前はモーリスだ。
モーリスはこの世界にないパソコンを見てビックリしていたが、研究熱心で大豆などの収穫が始まるまでに味噌、醤油の作り方を覚えてしまった。
収穫した大豆を使い味噌と醤油が出来上がったのは1年後で、味見をしてみると前世の味噌と醤油に劣らない味で感心した。
俺がこの世界に転生した時は薄い塩味で料理はまずかったが、胡椒、マヨネーズ、ドレッシングなども作り、今は食事をするのが楽しみになった。
俺は17歳になり、領地はますます発展している。
醤油と味噌が出来たので刺身が食べたくなり、漁業がどうなのか調べたが、漁業をする人はいるが、この世界には海の魚を食べる習慣がなく、川で取れる魚を食べる人がいるくらいだ。
漁師は小さな船で海岸の近くでアジに似た魚を取り自分たちで食べている。
俺は漁師に干し魚の作り方を、モーリスに焼き魚、煮魚、刺身の作り方を教えてモーリスは魚の料理教室を開き住民に料理と食べ方を教え始めたのだ。
すると海の魚が美味しいのが分かり、住民が魚を食べ始め魚が売れ始めたので漁師が増え始めた。
勿論、俺は大好きな刺身を食べられるようになり大満足だ。
モーリスには前世の料理を教え味噌、醤油、マヨネーズ、ドレッシングを使った日本料理店の第一号を領地に開いたが、将来は世界中に日本料理店を出してチェーン店にしていくつもりでいる。
料理店で食べた味を覚え家庭でも調味料を使い始め、モーリスは後に料理の革命児と呼ばれたのだ。
思わぬ副作用で味噌と醤油が売れて、調味料を商業ギルドに登録して調味料を作る工場を増やして、利益が出て次の農地や作物を作る資金が出来たのは嬉しい誤算だった。
それからも噂を聞いた人たちが移住して来るのでボルトン男爵領の人口が今でも増え続けている。
だが、良い事ばかりではなくて、キィウ王都に定期的にトラックを走らせているので色々な情報も入るようになり、またアネットからの手紙にも情報が書いてある。
それによると、まだ俺以外の領地は小麦や作物の不作が続き餓死する人もいるらしい。
それにボロニァ帝国は寒冷地が多く、作物を作る土地が少ないので農地が多いサンビア王国の土地を奪い取る為に侵略を速めて近い内に宣戦布告をして侵略を始めるらしいのだ。
その為にクレア姉さんとブレント王子の結婚式も今年する予定だったが延期になるかも知れないと言って来た。
本当ならボロニァ帝国は船で攻めて来るのでボルトン男爵領に上陸するかも知れないので大変だ。
ボロニァ帝国がボルトン男爵領に上陸した場合に備えて軍隊を作る事にしたのだ。
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