6 / 18
第6話、雨降って地固まる
部屋に帰ると涙を流している私を見てエレンが。
「お嬢様何があったのですか? 」
「アルバート様に私とは結婚しないと言われたわ。多分、私が大女で可愛げがないので嫌になったのでしょう」
「まさか、そんなことを言われたのですか」
「私は他の土地で暮らすので荷物をまとめて頂戴」
「本気なのですか? 」
「最初に私を見て言ったのは、「まだ帰らなかったのか」で次は「私は誰とも結婚しない」と言って、馬鹿にしているわ。迎えの馬車を寄こしておいて、結婚する気がないなら最初に断れば済むのにあんまりだわ」
エレンも怒り。
「私が文句を言ってきます」
その時、廊下に足音がしてユリアが。
「話があるのでドアを開けて下さい」
エレンがドアのカギを外して開けると、エレンの他に、ベティとセバスが部屋に入り、他の使用人も廊下に集まり様子を見ているとセバスが。
「オリビア様、申し訳ございません。弁解になるかも知れませんがアルバート様について話しても良いでしょうか? 」
此処で拒絶するのは大人気ないので。
「話してください」
「ありがとうございます。私はアルバート様の教育係になり、小さい時から知っておりますが、小さい時から利発で思いやりのある優しい方でした。7歳の時に両親が視察中にサブリ帝国の暗殺団に襲われ乗っていた馬車が谷底に転落して亡くなり、その後はグレース様が引き取って面倒を見てくれました。その後のアルバート様は武術に励み王国一の強者と言われ、20歳の時に自らシェバ辺境の領主になりサブリ帝国の侵略に備えております」
そこまで話すと水を飲み話を続けて。
「年頃になったアルバート様を心配してグレース様が何人かの令嬢と付き合わせたのですが、何があったのか分かりませんが、それからは一生独身で過ごすと言われ今まで女性と付き合った事はありません。そんなわけで女性の扱いには慣れていない朴念仁になりました。私の教育が女性の事については放っていたのが間違いでこのような事になり、申し訳ございません」
今度はユリアが。
「女の私がついていながら女性について教えなかったのは私の責任です。でもアルバート様は思いやりがあり優しいかたなのでどうか温かい目で見て上げて下さい」
最後にベティが。
「私が文句を言いましたが。アルバート様は反省して、「悪かった。あんな素晴らしい女性は初めてで私は舞い上がって飛んでもない事をいってしまった。何としても引き留めてくれ」と言っていました。私からもお願いします。アルバート様を許してあげてください」
3人の話を聞いていたエレンが怒り。
「お嬢様―! 反省するのはオリビア様です。短気は損気と言いますが何故、最後までアルバート様の話を聞かなかったのですか。皆さん私の教育が悪く迷惑を掛けました。申し訳ありません」
私は初めてエレンに本気で叱られ、皆さんが心配しているので。
「心配をかけて申し訳ございません。短気をおこし、これからは反省して注意します」
心配で廊下に来ていたアルバート様が料理長のベンに背中を押されて部屋に入り。
「申し訳なかった。私の言葉でオリビアに傷をつけてしまった。私は反省して女性の気持ちを理解するように心がけるから許してくれ」
「いえ、私こそアルバート様の事を何も知らいなのに短気を起こして申し訳ございません。これからはお互いを知る為にお話をしましょう」
セバスがため息をつき。
「ふぅ~、良かった。アルバート様、オリビア様を逃がしたら2度とこんな良い女性と巡り合えませんぞ。結婚しなさい」
アルバート様が。
「まだ知り合ったばかりでオリビアも戸惑っているだろうから結婚を前提に付き合ってみてから決めるのが良いだろう。オリビアもそれで良いか」
「はい、私もその方が良いです」
エレンが余計な事を言い。
「アルバート様は顔は山賊みたいですが、心の優しい子供みたいに純情で良い人ですね」
エレンの顔は山賊みたいにはアルバート様は苦笑していましたが何とか仲直りで来たみたいです。
皆が帰ってからお母様が亡くなってからは母親代わりに育ててくれたエレンに1時間も正座をされて説教されました。
今日から食堂で食事をするように言われ食堂に行くと、アルバート様が照れているのか頭を掻きながら。
「おはよう。昨日はすまなかった」
「おはようございます。いえ、私の方こそすみませんでした」
ベンが自ら朝食を運んで来て。
「どうやら仲直りしたみたいですな。雨降って地固まるといいますが、仲良くなって安心しました」
用意した食事は私のは、スープ、野菜サラダにパンですがアルバート様のは朝から分厚いステーキ3枚にスープにパンなのです。
いくら身体が大きいとは言え食べ過ぎで、それも野菜は無くて肉だけで食生活を改善しないと高血圧で脳梗塞や心筋梗塞を起こすので何とかしなくてはと思いました。
私は料理も得意なのでアルバート様の食事を作ろうと思ったのでアルバート様が仕事に出かけた後にベンに。
「アルバート様の食事の事ですが、今のままでは血液がドロドロになり心臓に負担がかかり脳梗塞や心筋梗塞になりやすいので肉だけでなく野菜も多めに食べさせてくれませんか、何なら私が作りましょうか」
「ん?? 血液? 脳梗塞? 心筋梗塞? わしには何が何だか分かりません。アルバート様に何度も野菜も食べるように言ったのですが野菜の料理を出すと食べないので今の料理になりました」
しまった! 前世では当たり前のことですが医学の遅れているこの世界では理解できない事を忘れていた。
これからの事を考えると、やっぱり文明の進んだ世界の記憶を持っている事を言って協力してもらわないといけないみたいです。
皆に言う前にエレンに言わないと拗ねると困るので部屋に帰ると。
「エレン変に思われると思って言わなかったけれど、12歳の時お母様が亡くなった時、私が寝込んだでしょう。その時この世界と違う文明の進んだ世界で生きていた記憶が蘇ったのよ」
エレンは驚きもせずに。
「前世の記憶を持っている人は結構いるけれどこの世界と違う記憶を持っているのは珍しいですね」
私はもっと驚くか変人と思われるかと思っていたので拍子抜けしたのです。
でもこれなら皆に話しても大丈夫だと思いました。
皆を集めて話すのも仰々しいのでアルバート様に話してアルバート様から皆に話してもらう事にしました。
でも、その晩から雨が降り出し翌日は風も出て雨も激しくなりまるで台風みたいです。
皆は河が氾濫しないかと河を見ているので私の話をするどころではない。
暴風雨は3日間続き幸い河は氾濫せずに農作物が無事でホッとしました。
でも、私はあと1mも増水すれば氾濫したので、初めて見る河の水が龍のようにうねりながら流れる凄い流れを見て恐怖を覚え氾濫した時は、あの激流が平地に流れ出したなら大変なので街の移転はしなくても必ず堤防だけは何があっても築こうと決意したのです。
あなたにおすすめの小説
「愛があれば十分だ」と私を捨てた婚約者へ――では、その婚約破棄の条件から確認いたしましょう
師走
恋愛
伯爵令嬢リディア・エーヴェルは、貴族たちの婚約や離縁、持参金や相続に関わる条件調整を陰でまとめてきた実務家だった。
だがある夜会で、婚約者である王太子側近ユリウス・グランツから「君は条件ばかりで冷たい。愛があれば契約などいらない」と一方的に婚約破棄されてしまう。
静かに婚約破棄を受理したリディアは、その場で持参金返還、贈与品、名誉回復の文言など必要事項の確認を始めるが、誰もその意味を理解しない。
けれど彼女が婚約から外れた直後から、王都では縁談、婚約、離縁の調整が次々と滞り始める。今まで多くの案件を陰でまとめていたのは、ほかでもないリディアだったのだ。
そんな中、法務局の裁定官補佐セオドア・ヴァレントから、王女ヘレナの婚姻条件を見直してほしいと依頼が舞い込む。
北方大公家との政略結婚。けれど提示された条件は、婚姻ではなく人質の引き渡しに等しいものだった。
「条件は愛の代わりではありません。ですが、愛が壊れたときに人を守ることはできます」
傷つきながらも再び交渉の場に立つリディアは、王女の未来を守るため、そして自分自身の人生を取り戻すため、契約と誠意を武器に王都最大の婚姻交渉へ挑む。
一方、自分を支えていたものの大きさに気づいた元婚約者は、今更になって復縁を望み始めるが――。
小説家になろう様でも掲載中
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
たいした苦悩じゃないのよね?
ぽんぽこ狸
恋愛
シェリルは、朝の日課である魔力の奉納をおこなった。
潤沢に満ちていた魔力はあっという間に吸い出され、すっからかんになって体が酷く重たくなり、足元はふらつき気分も悪い。
それでもこれはとても重要な役目であり、体にどれだけ負担がかかろうとも唯一無二の人々を守ることができる仕事だった。
けれども婚約者であるアルバートは、体が自由に動かない苦痛もシェリルの気持ちも理解せずに、幼いころからやっているという事実を盾にして「たいしたことない癖に、大袈裟だ」と罵る。
彼の友人は、シェリルの仕事に理解を示してアルバートを窘めようとするが怒鳴り散らして聞く耳を持たない。その様子を見てやっとシェリルは彼の真意に気がついたのだった。
妹に婚約者を奪われた上に断罪されていたのですが、それが公爵様からの溺愛と逆転劇の始まりでした
水上
恋愛
濡れ衣を着せられ婚約破棄を宣言された裁縫好きの地味令嬢ソフィア。
絶望する彼女を救ったのは、偏屈で有名な公爵のアレックスだった。
「君の嘘は、安物のレースのように穴だらけだね」
彼は圧倒的な知識と論理で、ソフィアを陥れた悪役たちの嘘を次々と暴いていく。
これが、彼からの溺愛と逆転劇の始まりだった……。
婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!
さこの
恋愛
婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。
婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。
100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。
追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
婚約破棄? ありがとうございます。やっと本当の人生が始まります
たくわん
恋愛
婚約破棄された令嬢がすべきことといえば、泣くか、喚くか、復讐を誓うか——らしい。
リーナ・フォスター公爵令嬢がしたことは、荷造りだった。
「冷たくて人を愛せない」と王太子に切り捨てられた夜、リーナは一度も振り返らずに王城を出た。向かった先は辺境の荒れ地。目的は薬草の栽培と薬品事業の立ち上げ。前世の記憶から温めてきた、誰にも言えなかった計画の実行だ。
リーナはそこで不器用だが誠実な騎士ヴァルターと出会う。一方、残された王太子とその新しい婚約者は、少しずつ、静かに、取り返しのつかない方向へと歩んでいたーー。
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?