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2-4.
しおりを挟むフォンが立ち去ると、すぐに、イザベルが遙香の横をすり抜け部屋の扉を開く。
「お帰りなさいませ。ただいま、お茶をご用意して参ります。しばしお待ちください。」
遙香を部屋のソファに座らせると、イザベルはお茶の用意のため部屋をでた。
リンジーは、部屋に入ると、就寝の準備のためすぐに奥の扉から寝室の方へ向かっていった。
テーブルには、フルーツが盛られたかごが置かれている。その横に、少量切り分けられ盛り付けられた皿が置いてあった。
夕食の時に、フォンが指示をしていたものだろう。
遙香は、切り分けられているフルーツに手を伸ばした。
すっ、と横から制される。
「ん?」
アルベルト・シェリスフォードが、横から遙香の伸ばした右手を押さえ、反対の手で、フルーツをつまむ。
そのまま、アルベルトは自分の口にフルーツを放り込んだ。
「え?」
遙香は、呆気に取られてアルベルトを見上げる。遙香の右手はまだアルベルトに押さえられたままだ。
アルベルトがフルーツを飲み込む様子を、遙香はただ呆然と眺めていた。
「お腹が空いていたのですか?」
遙香は、おずおずと尋ねた。
「いや、毒味だ。」
アルベルトは、表情を変えず、淡々と答えた。
「・・・」
沈黙の重たい空気を破ったのは、お茶の用意を持って戻ったイザベルだった。
「お待たせいたしました。お茶とホットミルクをご用意いたしました。
どうかなさいましたか?」
アルベルトを見上げたまま固まっていた遙香は、イザベルの声に、はっ、と我に返る。
改めて、アルベルトの方に向き直り、聞いた。
「あの。」
「はい。」
「いえ、その。
お身体は大丈夫ですか?」
「今のところ、問題ない。」
「・・・。先に、確認しておきたいのですが、私は誰かに毒を盛られる可能性があるのでしょうか?」
遙香の問いに、アルベルトは、少し考えたあと、
「護衛としての通常の行動だ。」
と、短く答えた。
そのやり取りを見たイザベルは、何かを察したように補足した。
「大丈夫ですよ。このフルーツは、ヴァッハヴェル様の指示でご準備したものですので、毒はありません。
近衛騎士団は、王族の警護に当たるもの達です。いついかなるときも、警護対象に不測の事態が起こらぬよう、目を光らせています。
シェリスフォード様も、誰が準備したかわからないものだったので、確認したのではないでしょうか。」
安心させるよう、遙香の目を見ながらイザベルは言った。
そこに、寝室の準備を終えたリンジーが戻ってきた。
イザベルは、思い付いたように言った。
「安心してお休みいただくために、皆でお茶でも飲みながら、少しお話ししませんか?」
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