異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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嗤う悪女の華麗なる復讐劇

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二年前に戻っていた。処刑台の上で、あの忌々しいルイス皇太子の顔と、偽善的な笑顔の聖女オリーネの顔が、ぼんやりと浮かんだのを覚えている。その時、強烈な光に包まれ、意識を失った。そして、気がついたら、婚約破棄される前の、あの嫌な日々に逆戻りしていたのだ。

二度とあの屈辱を味わいたくない。二度と、あの二人の餌食になるわけにはいかない。

私はアサリア・クレメント、かつては公爵令嬢と呼ばれた女だ。今は、そう呼ばれることもなくなったけれど。

前回の人生、私はルイス皇太子に婚約破棄され、オリーネにすり替えられた罪を着せられ、処刑された。皇室の陰謀に巻き込まれ、何もできずに死んだ。悔いが残る、というより、腹立たしい。面白くない。

今回は違う。私は悪女になる。本物の、恐ろしい悪女だ。

まず、婚約破棄を阻止する必要はない。むしろ、積極的に破棄させよう。ルイス、オリーネ、あの二人には、とことん嫌な思いをさせてやる。

それから、噂を流す。オリーネの聖女ぶりは、偽善だと。ルイス皇太子の女癖の悪さを、徹底的に暴いてやる。証拠?そんなものは、いくらでも作れる。

私の父、クレメント公爵は、影響力のある人物だ。公爵家の力を使って、あの二人を徹底的に潰してやる。

最初は、少し戸惑った。悪女なんて、演じるのは難しい。でも、すぐに慣れた。だって、私は、本気で彼らを憎んでいるのだから。

ルイス皇太子との舞踏会。前回は、彼に振られ、涙を流して逃げ出した。今回は違う。笑顔で、彼に近づいた。そして、彼の耳元で、ささやいた。

「皇太子殿下、婚約破棄、承知いたしました。あなたのような、つまらない男とは、付き合えませんわ」

彼の驚いた顔が、最高に面白かった。

それから、オリーネ。聖女の仮面の下に隠された醜い本性を、次々と暴いていった。彼女の秘密の恋、金銭問題、全てを、公に晒した。

当然、反撃はあった。だが、私は、全てを予測していた。そして、それ以上に強力な反撃で、彼らを追い詰めていった。

ルイス皇太子は、失脚し、オリーネは、聖女の称号を剥奪され、追放された。

そして、私は、自由に生きた。

もう、誰にも縛られない。自分の好きなように、贅沢をし、美しい服を着て、楽しい日々を送った。

復讐は、想像以上に爽快だった。

しかし、復讐だけが人生の目的ではなかった。

私は、たくさんの友達を作り、愛する人と出会い、幸せな家庭を築いた。

前回の人生では、味わえなかった幸せを、私は手に入れた。

あの時の、処刑台の上での絶望、悔しさ、怒り。それらは、私を強くした。そして、新たな人生を歩むための、原動力になった。

二度と、あの屈辱を味わうことはない。

私は、アサリア・クレメント。二度目の、そして、本当の私の人生を、謳歌するのだ。

あの二人の、絶望的な顔を見るたびに、私は、心の中で静かに笑った。

これは、私の、華麗なる復讐劇の、終わりではない。始まりだ。


そして、私は、新たな目標を定めた。それは、この国を、より良い国にしていくことだ。

ルイスとオリーネの悪行によって傷ついた人々を助け、公正で平等な社会を作る。

それは、私にとって、新たな挑戦であり、そして、最高の喜びとなるだろう。

復讐は終わった。しかし、私の物語は、まだ続く。
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