異世界ファンタジーまとめ【短編集】

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公爵令嬢の婚約破棄戦略

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リリアナ・ルーシェント。八歳で王太子シェザート殿下との婚約を決めつけられた、ルーシェント公爵家の令嬢である。

父と国王の思惑が絡み合った、文字通りの政略結婚。王妃になるなんて、考えただけでもゾッとする。でも、貴族の娘として、そう簡単に拒否できるものでもない。仕方なく、婚約を受け入れたものの、現実は想像以上に酷かった。

シェザート殿下は、この婚約に最初から反対だったらしい。私のことを婚約者として、まるで認めてくれないのだ。エスコートはゼロ。贈り物もゼロ。あるのは、婚約者だからと押し付けられる仕事の山と、殿下自身の浮気の噂だけ。

「婚約者なのに、なぜこんな扱いなの!?」

何度か、父に訴えてみたけれど、「王室との繋がりは、ルーシェント家の繁栄にとって必要不可欠だ」と、冷たく一蹴されるだけだった。

父は、国の未来を担う王室との繋がりを、私より重視する。ルーシェント家の富と権力、そして私の幸せなど、彼にはどうでも良いらしい。

そんなある日、私は街で奇妙なチラシを見つけた。

「ESN大賞8、GOマンガ原作者大賞受賞作家が贈る!ネトコン13で人生逆転!婚約破棄成功率99%!」

ESN大賞?GOマンガ原作者大賞?ネトコン13?さっぱりわからないけれど、「婚約破棄」という文字に、私の目は釘付けになった。

藁にもすがる思いで、チラシに書かれた住所へ向かった。そこは、一見普通の小さな占い屋だった。

「婚約破棄をご希望とのことですね。お名前は?」

老婆は、不思議な雰囲気を纏っていた。まるで、私の心の内を読んでいるみたいだ。

「リリアナ・ルーシェントです。どうすれば婚約破棄できるんですか?」

「ふむふむ…ルーシェント公爵家の令嬢、王太子殿下との婚約…なるほど。これは、少々厄介な案件ですね」

老婆は、水晶玉を覗き込みながら、ゆっくりと話した。

「殿下は、貴女を婚約者とは認めておらず、貴女の父上も、王室との繋がりを優先しておられます。普通の手段では、婚約破棄は難しいでしょう」

「じゃあ、どうすればいいんですか!?」

私は、声を荒げてしまった。

老婆は微笑んで、「貴女には、秘策がありますよ」と、小さな紙切れを差し出した。

そこには、「ネトコン13」という言葉を始め、何やら専門用語が羅列されていた。

「これは…ゲームの攻略法ですか?」

「そう。この『ネトコン13』というオンラインゲームで、殿下に勝てば、婚約破棄できるでしょう。ただし、これは簡単ではありません。貴女は、ゲームのスキルを磨く必要があります」

老婆の言葉に、私は半信半疑ながらも、藁にもすがる思いでゲームを始めることにした。

ネトコン13は、想像以上に難しいゲームだった。最初は全く勝てなかった。何度も何度も負けて、心が折れそうになった。でも、婚約破棄という目標を思い浮かべると、不思議と頑張れた。

私は、ゲームの攻略サイトを見漁り、仲間と協力し、必死にスキルを磨いた。

そして、数ヶ月後、ついに私は、ゲーム内でシェザート殿下を倒すことに成功した。

ゲーム内の勝利は、現実世界にも影響を及ぼした。

シェザート殿下は、私のゲームの腕前に驚き、そして、私のことを少しだけ認めてくれたらしい。

「…まさか、あのリリアナが…」

殿下は、私のことを「婚約者」としてではなく、「ライバル」として認識し始めたのだ。

その隙をついて、父に婚約破棄を申し出た。

父は、最初は反対したが、私がゲームで殿下を圧倒した事実と、私の強い意志の前に、ついに折れた。

「…わかった。婚約を破棄しよう」

父は、渋々ながら婚約破棄に同意した。

長い闘いの末、私はついに自由を手に入れた。

王太子との婚約破棄という、誰もが不可能だと思っていたことを成し遂げたのだ。

ネトコン13、そして老婆の不思議な力のおかげで。

私は、もう誰にも支配されない。自分の人生を、自分で切り開いていく。

あのチラシに出会わなければ、私は今も王太子との不幸な婚約に縛られていたかもしれない。

運命のチラシは、私の人生を大きく変えてくれたのだ。そして、私は、この経験を活かして、新たな人生を歩み始める。
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