異世界ファンタジーまとめ【短編集】

テタの工房

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最弱暗黒神クーヤの地獄開拓記

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クーヤは、生まれた時から「暗黒神」だった。

いや、正確には「暗黒神様として生まれた」と、謎の黒服集団に告げられたのだ。むちむちとした小さな体で、まだオムツが取れたばかりのクーヤは、その意味がさっぱり分からなかった。ただ、毎日、大量の書類にサインさせられ、訳の分からない呪文を唱えさせられる日々が続いた。

「貴女は、悪魔の為に身を粉にしてキリキリ働けや!」

黒服のリーダー、いかにも悪そうな顔をした男(名前は忘れてしまったけど)は、そう言ってクーヤに「何でも出せる本」なるものを押し付けた。それは、まるで魔法の道具箱のようなもので、中には奇妙なアイテムや魔法がぎっしり詰まっていた。

「これで地獄を拓け!」

男の言葉通り、クーヤは地獄開拓という、訳の分からない仕事に就くことになった。地獄は、想像以上に酷かった。溶岩が流れ、悪臭が漂い、巨大な悪魔がうろちょろしている。クーヤは、その小さな体で、必死に働いた。

しかし、クーヤは「最弱」の暗黒神だった。魔法は全然うまく使えないし、体力も全然ない。すぐに疲れて、泣きべそをかいてしまうこともあった。

そんなクーヤを助けてくれるのが、自称「最強の従僕」たちだった。

一人目は、巨大な熊の姿をした魔物、グリム。見た目は怖いが、実際は甘党で、クーヤが作ったクッキーを喜んで食べてくれる優しいやつだった。

二人目は、口癖が「ドヤァ!」のイケメン勇者、アルフレッド。強そうに見えるが、実は方向音痴で、地獄で迷子になることもしばしば。それでも、クーヤを全力で守ろうとしてくれる頼もしい存在だった。

三人は、謎の美少女、リリア。クールな見た目とは裏腹に、変態的な趣味の持ち主で、地獄の生き物を使って奇怪な実験を繰り返している。時々、クーヤに協力してくれることもある、…ような気がする。

彼らは、それぞれ個性豊かで、時に喧嘩もするが、クーヤを心から大切に思っていた。

ある日、彼らは巨大な悪魔、ベリアルと遭遇した。ベリアルは、地獄の支配者であり、クーヤを暗黒神として認めようとしなかった。

「最弱の暗黒神が、何を企んでいるんだ!」

ベリアルは、恐ろしい魔力でクーヤを襲ってきた。しかし、グリムは巨大な熊手のような爪でベリアルを攻撃し、アルフレッドは必殺技(?)を繰り出し、リリアは…何だかよくわからないけど、ベリアルを混乱させていた。

クーヤは、彼らに助けられながら、必死に「何でも出せる本」からアイテムを取り出した。それは、キラキラと輝く小さな宝石だった。

宝石を握りしめ、クーヤは初めて、自分の力を信じてみた。そして、小さな声で、呪文を唱えた。

すると、宝石から眩しい光が放たれ、ベリアルは一瞬にして消滅した。

クーヤは、皆に助けられ、ベリアルを倒すことができた。

地獄開拓はまだまだ続く。これからも、クーヤと仲間たちは、笑って、泣いて、時には喧嘩しながら、地獄を少しずつ、自分たちの手で開拓していくのだろう。  最弱の暗黒神クーヤの、地獄開拓記は、まだまだこれからだ。


クーヤは、その夜、グリムが焼いてくれたクッキーを食べながら、仲間たちと星空を眺めていた。

「明日も頑張ろうね」

クーヤの小さな声が、地獄の夜空に響いた。  そして、その声は、希望に満ち溢れていた。  


終わり。
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