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帰還
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場所は国防省地下特別会議室。
長机の両端に政府高官、自衛隊統合幕僚、魔力研究所の主任らが並ぶ。
中央のスクリーンには「ディープゲート計画 最終段階」の文字。
「――70層以降への侵入は、これが人類初の公式遠征となります。」
司令官が低い声で告げる。
宇宙が前に出る。
「私が観測した限り、70層以降の魔力は既存の測定限界を超えます。
装備が持っても10分。内部環境は不明です。だが――」
言葉を切り、手のひらを見つめる。
そこには淡く光る、自身の魔力刻印。
「人間が“何か”に近づきすぎた時、門が開く。あの核はそういう存在です。
この遠征で重要なのは、“進むこと”ではなく、“戻る術を確立すること”。」
魔力研究所長が問う。
「では、戻ることは可能なのか?」
宇宙は静かに答える。
「理論上は不可能。……だが、感覚としては、帰る“意志”があれば道は繋がる。」
会議室に沈黙が落ちる。
誰もがその言葉の重みを理解していた。
やがて、司令官が口を開く。
「第一種、志願者15名。――70層遠征を正式に承認する。」
宇宙は一礼した。
「了解。準備を始めます。」
会議が終わる頃、宇宙はふと窓の外を見た。
夜明け前の東京。
東の空には、まだ見ぬ“新しい世界”を告げるように、一筋の光が走っていた。
長机の両端に政府高官、自衛隊統合幕僚、魔力研究所の主任らが並ぶ。
中央のスクリーンには「ディープゲート計画 最終段階」の文字。
「――70層以降への侵入は、これが人類初の公式遠征となります。」
司令官が低い声で告げる。
宇宙が前に出る。
「私が観測した限り、70層以降の魔力は既存の測定限界を超えます。
装備が持っても10分。内部環境は不明です。だが――」
言葉を切り、手のひらを見つめる。
そこには淡く光る、自身の魔力刻印。
「人間が“何か”に近づきすぎた時、門が開く。あの核はそういう存在です。
この遠征で重要なのは、“進むこと”ではなく、“戻る術を確立すること”。」
魔力研究所長が問う。
「では、戻ることは可能なのか?」
宇宙は静かに答える。
「理論上は不可能。……だが、感覚としては、帰る“意志”があれば道は繋がる。」
会議室に沈黙が落ちる。
誰もがその言葉の重みを理解していた。
やがて、司令官が口を開く。
「第一種、志願者15名。――70層遠征を正式に承認する。」
宇宙は一礼した。
「了解。準備を始めます。」
会議が終わる頃、宇宙はふと窓の外を見た。
夜明け前の東京。
東の空には、まだ見ぬ“新しい世界”を告げるように、一筋の光が走っていた。
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