剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

第1章 学園編の物語

第59話 これは主人公のせい

～教室～

貴族、平民と差別なく授業を行う為、教室には貴族と平民が一緒にいて、お付きのメイドと執事が貴族の隣にいてメイディにとっても居やすい場所だろう。

「…貴族もいるからもう少しお金を使っているのかと思ったけど、案外普通なんだなぁ」

大学の講義室の様な感じで、小中高の様な教室ではなく、少しずつ後ろの席が高くなっている様な感じになっている。

「私わたしとしてはそれが楽なんですけどね、装飾感が強いと居心地悪くなりそうで」

「まぁそれは納得する、汚さすぎるのも嫌だけどな」

貴族としての暮らしにはだいぶ慣れた、日本にいた頃の人生と合わせると殆ど差がないが、それでもやはり価値観には違和感が出てしまう。

「さてと席は自由なんだっけ？」

「はい、基本的に自分が座りたい所に座れば良いと思います」

そこら辺も大学と同じだ、違う点と言えば担任の教師がいる事、小中高の様にクラスがある事、剣と魔法の授業講義がある事だろう。

「そうか、なら真ん中ら辺に座るか」

「かしこまりました」

1番前はなんか嫌だし、端の方は黒板が見づらい、1番後ろは見にくいので真ん中ら辺がちょうど良いのだ。

「周りの目線が変だな」

「昨日の件ですよ、王族に対してあの行為は周りからすれば関わってはいけない人と思われても仕方ありません」

「1日でここまで広まるのか…噂って怖いな」

しかも入学初日の事だ、それなのにこの広がり具合は良い意味でも悪い意味でも使えそうだ。

「まぁ、他の奴らの事なんて無視して良いだろう、俺は俺の成すべき事を成すだけだ」

「そうですね、それにクロウ様に危害を加えようとするならば私わたしが許しません」

まぁ危害を加えるのは自分クロウなのだが、余計な人達が介入して来たり、邪魔したりするならその時は力を借りよう。

「取り敢えず、主人公リュークが何処にいるのか探さないとな、アイツがどのクラスにいるのか気になるし」

「僕がなんだって？」

「お前がどのクラスにいるのか気になるんだよ、今後の事も考えると知っておいた方が行動しやすいからな」

「あの…クロウ様？」

「？」

「…隣見てください」

そう言われて隣を見る、ワオ イケメン、それに主人公とそっくりな顔だ…そっくり？

「あ」

「…どうもです、僕に何か用があるんですか？」

「ああいや…その…そう！昨日の事でな君の事が心配だったんだ」

咄嗟に(クロウにとっての)話題を変える、主人公リュークにとっては『昨日貴族達に絡まれた事を心配している人』と思われるだろう。

「そうだったんですね、噂と違って優しいのですね」

「これだけで優しいと言われるのは変だけど噂って？」

別に心配をするぐらいなら誰でも出来る、問題はその噂だ、殆ど予想出来ているが一応知っておいた方がいいだろう。

「昨日の事ですよ、王族であるフィオナ様に難癖をつけて女性を痛めつけた最低な男って言われているんですよ」

「…スッゲェな噂って尾鰭おびれ滅茶苦茶ついてるやん」

「そうなんですか？」

「そうだよ、確かに王女と決闘はした、けど難癖つけて来たのはアッチだし、決闘なんだから怪我の覚悟はあっただろ」

王女の仕業ではないだろう、おそらく何も知らないで自分とフィオナの決闘を見ていた観客達が変な解釈してその話を広めたのだろう。

「そうなんですね」

「そうなんだよ…んでなんでリュークはそんなに素直に信じるの？」

「僕は直接見たわけではありませんから、周りの話を聞いた所で本当の貴方を分かるわけないですから」

流石は主人公、滅茶苦茶立派な人だ
他人をすぐ信じるのはやめた方がいいと思うが、彼のその行動や言動によってヒロイン達は落ちていくのだ。

「それに本当の事を知りたいならあの人に聞けば良いだけですから」

「あの人？…は？」

リュークが目線を向けた先にはヒロインであるフィオナもミオがこちらに視線を向けていた。
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続く