剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2章 前途多難な1年目

第105話 助けて主人公様!

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~教室前 廊下~

食事をいつもよりも早く終わらせて、教室へと向かう、彼女達はおかしい、今は関わるべきではない。

「と、思っていたのに…」

彼女達の食べるペースは遅い、いつもなら簡単に置いていけるのに…

「どうしたの?行かないの?」

「早く行かないと遅刻しちゃうよ?」

「そうだよ、早く行こ?」

この3人は俺達とほぼ同時に食べ終えて一緒に教室に向かっているのだ。

「何で今日に限って食べるペースが早いんだよ…」

「別に良いでしょ?」

「そうそう、貴方に関係あるんですの?」

「ボク達だって偶には早く食べ終わるよ」

その偶にはが今日の朝みたいにおかしな状況下ではなく、いつも通りの感じだったのなら別に文句を言う事はない。
(まぁ好感度を下げる為に変な事は言うつもりだけど)

しかし今日はフィオナ達の様子がおかしい、何を考えているのか全く分からない状況下の中で一緒に行動するのは怖くて仕方ない。

「と言うか俺なんか放って置いて先に行けば良いだろ?何で俺と一緒に行くんだよ」

「そんなの私の勝手でしょ?」

「あたくし達が何をしようとも貴方には関係ないはずですわ」

「ボクと剣の打ち合いをしてくれるなら考えるよ」

コイツら…まぁ確かにその通りだけど、なんか癪に触る、正論?と言うよりはなんかこう、腹が立つ言い方だ。

「はぁ…まぁお前らがどう言う行動をしようが俺には関係ないけどな」

このまま話をしていても結局は平行線を辿るだけだ、それならばここで話を終わらしてさっさと行こう。

そのまま歩くとやっと教室に着く、ドアを開けるとコチラを見て皆が驚愕する。

『おいおい何だよあの空気』

『クロウ様なんかしたのか?』

『他の女に手を出してる所見られたか?』

『修羅場だ修羅場』

聞こえてるぞー?俺は何もしてないし、他の女に手を出して…るな、メイディとエムル両方に手を出したな…

その2人の修羅場なら自業自得だけど、ミオ達に関してはよく分からない、何もしてないのにこんな空気になってしまったのだ。

「…メイディ、リュークを探してくれ」

「かしこまりました」

「エムルはここで一旦さようならだな」

「そうだね、んじゃまたお昼にね♪」

ここまでくればあとはリュークがやってくれるだろう、メイディにリュークの座ってる所を見つけてもらいそこに誘導すればこの異変も何とかなるだろう。

エムルは1つ上の学年なので、ここのクラスではない、ここからだと遠回りになるがそれでも自分の為に一緒に来てくれたのだ。

…それならこの空気も何とかしてほしかったが、どうしようもないので諦める。

「クロウ様、リューク様はアチラにいらっしゃいます」

「あ、本当だ、ほらお前らはあっちに行けよ」

「やだ」

「無理です」

「断る」

「何でだよ」

お前らはヒロイン、攻略キャラだ、そのキャラクターが主人公の所へ行かなければ物語が進まないし、勇者として覚醒しても仲間がいなければ魔王には勝てない。

だからこそ仲間(候補)であるシャル達はここに居てはいけないのだ。

「あ!クロウ様!」

「…よぉ」

目を輝かせて来たのはこの世界の主人公『リューク』…のはずなのだが、何故かハーレムにならない。

なってくれないと困るのだ、エムルはもう俺の彼女になったから、今後出てくるヒロイン達か、フィオナ達の誰かを攻略してくれないと計画が狂ってしまう。

「…なぁコイツら朝からおかしいんだが、お前何かした?」

「?…僕は知らないよ?」

「…そうか」

リュークが知らないとなるともうこれはゲームで言うバグでしかない、プレイヤーが予想だにしない行動を取るせいで起こるバグと似たような事が起こってしまった可能性がある。

むしろそうじゃないともう何でこうなったのか理解できない。

「僕はただ『惚れ薬』を飲ませただけだよ?」

「え?」

「ああ、安心して惚れ薬って言っても心の底で想っている人の気持ちを増幅させるだけだから」

「…え?」

…何で惚れ薬が出てくるんだ?
確かにゲームでも出て来るが使うのはクロウだし、それは未然に阻止出来るか、逆に主人公の好感度が上がるイベントのはずだ…何でラブコメ主人公ルートに俺が入っているだよ!!!!!!

——————————————————————
第2章 前途多難な1年目 完
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第2.5章 崩壊するゲーム

次回はキャラクター紹介
本当はもっと早くしたかったのですが、中々上手くいかなかったので許してください。

…あと面白いですか?
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