114 / 226
第2.5章 崩壊するゲーム
第109話 リュークの正体2
しおりを挟む
「お前は自分の言っている事の恐ろしさを理解していないのか?」
「?…理解してますよ?」
なのにこんな事を言っているのか?こんな事をしても大丈夫な根拠があるのだろうか?
「じゃあ何故こんな事をするんだ?」
「簡単ですよ、僕はこんな事をしても何とかなるんです」
「答えになってないぞ?」
平民がこんな事をすればタダじゃ済まない、それなのに『何とかなる』は何処にどんな自信があるのだろうか?
「…大丈夫ですよ、クロウ様、貴方は何も考えなくて良いんです、ただ僕の行動を見ていれば良いんです、そうすれば全ては丸く治るんですよ」
「…見ている?こんな事をして傍観者でいろと?」
「そうです、貴方は何もしなくて良いんです、貴方はただ今まで通りに過ごせばいいんです、それだけで全て解決するんです」
全てが解決する…何もしなくて良い、ふざけているのか、どうかは分からないが、1つの疑問が生まれる。
(この世界はゲームに酷似した世界、そして俺はその世界に転生した)
あり得ない話しではない、エムルもそうだったのだ、確かめる価値はある。
「…俺は悪役貴族で良いのか?」
「はい、今までも、そしてこれからもそのままで良いんです」
「…成る程、これでやっと理解したよ」
「何をですか?」
「…お前、転生者だな?」
思い返せばリュークの 小児性愛者発言の中でもその答えはあった、更にリュークのこの自信は前世の記憶があるからこその自信なのだ。
「へぇ、て事は君も同じなんだね?」
「どうやら正解の様だな」
否定こそしなかったが、自分の言っている事を理解していると言う事は肯定に等しい、つまり、彼は俺と同じなのだ。
「と言う事は悪役貴族らしい事が出来ていないのは君のせいかい?」
「…すみません、やろうとはしてたんです」
「まぁ、やろうとして出来なかった感じですよね?」
「…はい」
悪役貴族として活動したかったが、日本ではそんな事した事がない為、悪役貴族になりきれていないのだ。
「まぁ良いですよ、僕は何も変わりませんから」
「つまり、俺が悪役貴族をやってもやらなくても結果は変わらないと?」
「はい、魔王を倒せば全てが解決するんですから」
確かにこのゲームの目的の1つは『魔王を倒す事』、魔王を倒せばその時に1番好感度が高く、複数いた場合は選ぶ事ができ、そのヒロインと結婚する事が出来る。
「だけど、何故フィオナ達は魔王を倒す為に必要な人達だろ?何でそんな人達にあんな事をしたんだ?」
「だって邪魔なんですもん、僕は彼女達に興味がないんです、でも、もし主人公補正で僕に好意があったら大変だからクロウ様が使っていた惚れ薬を使ったんです」
「何でそんな事を?」
「僕に好意を持っているのに無碍に扱うのは酷すぎる、だけど心の底で思っている人が違ったらその人に任せようと思いまして」
中々に外道な発言だ、しかしそれなら彼女達の変わり様には納得出来る、しかし
「じゃあ何でメイド達はあんな態度なんだ?」
「メイド達には僕が『本当に好きな人を自覚させる薬』と説得したんだ、こう見えても僕は主人公だからね、好感度が高かったんだ」
「信頼されているからこそ、こんな馬鹿げた事にも同意してくれたのか」
主人公だからと言っても会話をするのは本人自身だ、好感度を上げるにも様々な工夫が必要なはずだ。
「ああ、ここまで好感度を上げてくれていた主人公には感謝しかないよ」
「…どう言う事だ?」
「僕は前世の記憶を1週間前に取り戻したんですよ、だからそれまでは主人公が物語のシナリオ通りに行動してくれたんですよ」
「…マジかよ」
と言うか2人きりで話すつもりが、宿舎へ向かう途中の中庭で全部話してしまった。
誰にも聞かれていなければいいが、もし誰かに聞かれてしまったら下手したら大問題になる。
——————————————————————
誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。
後質問等もお願いします。
「?…理解してますよ?」
なのにこんな事を言っているのか?こんな事をしても大丈夫な根拠があるのだろうか?
「じゃあ何故こんな事をするんだ?」
「簡単ですよ、僕はこんな事をしても何とかなるんです」
「答えになってないぞ?」
平民がこんな事をすればタダじゃ済まない、それなのに『何とかなる』は何処にどんな自信があるのだろうか?
「…大丈夫ですよ、クロウ様、貴方は何も考えなくて良いんです、ただ僕の行動を見ていれば良いんです、そうすれば全ては丸く治るんですよ」
「…見ている?こんな事をして傍観者でいろと?」
「そうです、貴方は何もしなくて良いんです、貴方はただ今まで通りに過ごせばいいんです、それだけで全て解決するんです」
全てが解決する…何もしなくて良い、ふざけているのか、どうかは分からないが、1つの疑問が生まれる。
(この世界はゲームに酷似した世界、そして俺はその世界に転生した)
あり得ない話しではない、エムルもそうだったのだ、確かめる価値はある。
「…俺は悪役貴族で良いのか?」
「はい、今までも、そしてこれからもそのままで良いんです」
「…成る程、これでやっと理解したよ」
「何をですか?」
「…お前、転生者だな?」
思い返せばリュークの 小児性愛者発言の中でもその答えはあった、更にリュークのこの自信は前世の記憶があるからこその自信なのだ。
「へぇ、て事は君も同じなんだね?」
「どうやら正解の様だな」
否定こそしなかったが、自分の言っている事を理解していると言う事は肯定に等しい、つまり、彼は俺と同じなのだ。
「と言う事は悪役貴族らしい事が出来ていないのは君のせいかい?」
「…すみません、やろうとはしてたんです」
「まぁ、やろうとして出来なかった感じですよね?」
「…はい」
悪役貴族として活動したかったが、日本ではそんな事した事がない為、悪役貴族になりきれていないのだ。
「まぁ良いですよ、僕は何も変わりませんから」
「つまり、俺が悪役貴族をやってもやらなくても結果は変わらないと?」
「はい、魔王を倒せば全てが解決するんですから」
確かにこのゲームの目的の1つは『魔王を倒す事』、魔王を倒せばその時に1番好感度が高く、複数いた場合は選ぶ事ができ、そのヒロインと結婚する事が出来る。
「だけど、何故フィオナ達は魔王を倒す為に必要な人達だろ?何でそんな人達にあんな事をしたんだ?」
「だって邪魔なんですもん、僕は彼女達に興味がないんです、でも、もし主人公補正で僕に好意があったら大変だからクロウ様が使っていた惚れ薬を使ったんです」
「何でそんな事を?」
「僕に好意を持っているのに無碍に扱うのは酷すぎる、だけど心の底で思っている人が違ったらその人に任せようと思いまして」
中々に外道な発言だ、しかしそれなら彼女達の変わり様には納得出来る、しかし
「じゃあ何でメイド達はあんな態度なんだ?」
「メイド達には僕が『本当に好きな人を自覚させる薬』と説得したんだ、こう見えても僕は主人公だからね、好感度が高かったんだ」
「信頼されているからこそ、こんな馬鹿げた事にも同意してくれたのか」
主人公だからと言っても会話をするのは本人自身だ、好感度を上げるにも様々な工夫が必要なはずだ。
「ああ、ここまで好感度を上げてくれていた主人公には感謝しかないよ」
「…どう言う事だ?」
「僕は前世の記憶を1週間前に取り戻したんですよ、だからそれまでは主人公が物語のシナリオ通りに行動してくれたんですよ」
「…マジかよ」
と言うか2人きりで話すつもりが、宿舎へ向かう途中の中庭で全部話してしまった。
誰にも聞かれていなければいいが、もし誰かに聞かれてしまったら下手したら大問題になる。
——————————————————————
誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。
後質問等もお願いします。
22
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる