115 / 226
第2.5章 崩壊するゲーム
第110話 3人目の日本人
しおりを挟む
~クロウの部屋~
これ以上の話しは流石に聞かせられないので一先ずクロウの部屋まで移動した。
そもそもリュークの話した内容自体他の人が聞いたら大変な事なのだが、一応2人で周囲を確認すると人がいなかったので、ここでも主人公補正の力が働いたのだろう、ありがたい事だ。
「ここならさっきの場所よりは安全だろ」
「公爵家の部屋を盗聴する人は中々いないと思いますしね」
現代日本なら逆に盗聴器や隠しカメラなどあるが、この世界なら恐らく魔法類での盗聴だろう。
「ああ、一応探知魔法も使っているが"怪しい人物"はいないよ」
「そうですか、なら安心ですね」
100%安全と言うわけではないが、兎に角物語に悪影響を及ぼす心配はない、と言う事だ。
「それで?お前は俺と同じ日本人っで良いんだよな?」
「はい」
「この世界が『ラグナロク•オリジン』の世界だと理解しているか?」
「はい、だからこそ惚れ薬の場所とかわかってたんですよ」
まぁその通りだ、ゲームの世界だと理解しているからクロウが本来手に入れるはずのアイテムを先に取得しているのだろう。
「それで、惚れ薬は本当に好きな人は誰かを見極める為にフィオナ達に盛ったと?」
「僕の推しはミオ様達じゃないんですよ」
「推し以外に好かれるのは嫌なのか?」
「嫌じゃないけど、推しに全部に注ぎ込みたいんです」
推しのアイドルに貢ぐ様なものか、自分はソシャゲに課金しているからその気持ちは理解出来る。
「その推しのヒロインとお前の2人だけで魔王を倒す、そう言う事だな?」
「はい、勇者に覚醒し、剣と魔法の腕を極限まで上げれば2人だけでも魔王に勝てる事は知っています」
知っています、と言う事はゲームで実際に試したのだろう、つまりそのくらいそのヒロインの事が好きなのだろう。
「だけど、それはゲームの中の話だろ?現実の世界で上手くいくとは思えないぞ?」
「そこは僕の努力と推しに対する愛の想いで何とかします」
「まぁ、何とかするしかないからなぁ」
何とかしてくれないとコチラが困る、魔王を倒してくれないと物語が終わらなくなり、バッドエンドを迎える事になる。
「と言うわけで、僕はハーレムに興味がないし、ヒロインの攻略は僕自身の力でヒロインと結ばれたいんだ、だからクロウ様の役割も必要ないんです」
「でも、俺がやらなくても他の奴がやるぞ?それは良いのか?」
実際にクロウが悪役貴族らしい事をしなかったせいで他の貴族がリューク達に危害を加えていた、この世界が本来の歴史通りに修正しようとしているからだと思う。
「そこは別に良いですよ、元々クロウ様は悪役貴族らしい事をして来なかったじゃあないですか」
「……それもそうか」
しようとはしたが、結局出来なかったからこそ、その実例が出来てしまったのだ、こればっかりは自分のせいなのでとやかく言えない。
「もしクロウ様の言った通りの事になった、もしくはそれが継続する事になったら、その時は僕が推しの為に頑張りますよ」
「頑張ってくれ」
応援しか出来ない、リュークは『何もしなくてもいい』と言っていた、つまりこれから先起こる困難な事でも推しと共に乗り越える為のイベントとして頑張っていくと言っているのだ、邪魔をするのは野暮だろう。
「他に何か質問はありますか?」
「ああ、ある」
「何ですか?」
「お前って前世にいた頃の名前とかは覚えているのか?」
日本にいた事は先程聞いた、しかし肝心の名前を聞いていなかった。
「覚えですよ?」
「じゃあ教えてくれないか?」
これは個人的な質問だ、答える義理はないが、リュークは快く答えてくれた。
「良いですよ、僕の名前は須藤練磨、クロウ様は?」
「俺か?俺は天城剣介、改めてこれからよろしくな」
「はい、よろしくお願いします」
そう言って2人は握手を交わす、これからは協力関係に…なりはしないが、もしもの時があるので、その時のために一応な感じだった。
——————————————————————
誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。
後質問等もお願いします。
これ以上の話しは流石に聞かせられないので一先ずクロウの部屋まで移動した。
そもそもリュークの話した内容自体他の人が聞いたら大変な事なのだが、一応2人で周囲を確認すると人がいなかったので、ここでも主人公補正の力が働いたのだろう、ありがたい事だ。
「ここならさっきの場所よりは安全だろ」
「公爵家の部屋を盗聴する人は中々いないと思いますしね」
現代日本なら逆に盗聴器や隠しカメラなどあるが、この世界なら恐らく魔法類での盗聴だろう。
「ああ、一応探知魔法も使っているが"怪しい人物"はいないよ」
「そうですか、なら安心ですね」
100%安全と言うわけではないが、兎に角物語に悪影響を及ぼす心配はない、と言う事だ。
「それで?お前は俺と同じ日本人っで良いんだよな?」
「はい」
「この世界が『ラグナロク•オリジン』の世界だと理解しているか?」
「はい、だからこそ惚れ薬の場所とかわかってたんですよ」
まぁその通りだ、ゲームの世界だと理解しているからクロウが本来手に入れるはずのアイテムを先に取得しているのだろう。
「それで、惚れ薬は本当に好きな人は誰かを見極める為にフィオナ達に盛ったと?」
「僕の推しはミオ様達じゃないんですよ」
「推し以外に好かれるのは嫌なのか?」
「嫌じゃないけど、推しに全部に注ぎ込みたいんです」
推しのアイドルに貢ぐ様なものか、自分はソシャゲに課金しているからその気持ちは理解出来る。
「その推しのヒロインとお前の2人だけで魔王を倒す、そう言う事だな?」
「はい、勇者に覚醒し、剣と魔法の腕を極限まで上げれば2人だけでも魔王に勝てる事は知っています」
知っています、と言う事はゲームで実際に試したのだろう、つまりそのくらいそのヒロインの事が好きなのだろう。
「だけど、それはゲームの中の話だろ?現実の世界で上手くいくとは思えないぞ?」
「そこは僕の努力と推しに対する愛の想いで何とかします」
「まぁ、何とかするしかないからなぁ」
何とかしてくれないとコチラが困る、魔王を倒してくれないと物語が終わらなくなり、バッドエンドを迎える事になる。
「と言うわけで、僕はハーレムに興味がないし、ヒロインの攻略は僕自身の力でヒロインと結ばれたいんだ、だからクロウ様の役割も必要ないんです」
「でも、俺がやらなくても他の奴がやるぞ?それは良いのか?」
実際にクロウが悪役貴族らしい事をしなかったせいで他の貴族がリューク達に危害を加えていた、この世界が本来の歴史通りに修正しようとしているからだと思う。
「そこは別に良いですよ、元々クロウ様は悪役貴族らしい事をして来なかったじゃあないですか」
「……それもそうか」
しようとはしたが、結局出来なかったからこそ、その実例が出来てしまったのだ、こればっかりは自分のせいなのでとやかく言えない。
「もしクロウ様の言った通りの事になった、もしくはそれが継続する事になったら、その時は僕が推しの為に頑張りますよ」
「頑張ってくれ」
応援しか出来ない、リュークは『何もしなくてもいい』と言っていた、つまりこれから先起こる困難な事でも推しと共に乗り越える為のイベントとして頑張っていくと言っているのだ、邪魔をするのは野暮だろう。
「他に何か質問はありますか?」
「ああ、ある」
「何ですか?」
「お前って前世にいた頃の名前とかは覚えているのか?」
日本にいた事は先程聞いた、しかし肝心の名前を聞いていなかった。
「覚えですよ?」
「じゃあ教えてくれないか?」
これは個人的な質問だ、答える義理はないが、リュークは快く答えてくれた。
「良いですよ、僕の名前は須藤練磨、クロウ様は?」
「俺か?俺は天城剣介、改めてこれからよろしくな」
「はい、よろしくお願いします」
そう言って2人は握手を交わす、これからは協力関係に…なりはしないが、もしもの時があるので、その時のために一応な感じだった。
——————————————————————
誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。
後質問等もお願いします。
32
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる