剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第4章~魔王討伐~

第196話 約束したから

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「いい加減に死になさい!」

「そ…そればっかりは…き…聞けないねぇ」

内臓は潰れて、全身は焼け焦げて、左眼は潰れて、もはや生きている事が奇跡としか言いようがない程の致命傷を負っているのに、クロウはそれでも剣を舐め続ける。

「帰ったら…付き合うって…約束…したんだ…約束は…守らねぇとな…へへ」

「…くだらない約束ですね、そんな無意味な事の為にこんな馬鹿な事をしているんですか?」

魔王ミロスは水魔法で鋭い槍の様なモノを作り、クロウの心臓を貫く。

「ゴフッ!?」

「ふふ、これで確実に死にますね?」

「などと…その気になっていた…お前の…姿…は…お笑いだった…ぜ」

「ダニィ!?」

心臓を貫かれた筈のクロウは不敵に笑いながら、剣を舐める、その行為になんの意図があるのかは分からないが、それでもクロウは舐め続ける。

「心臓を…ずらした…俺の…魔法で…な」

それでも胸を貫通している為血は止まらないが、心臓を守る事は出来た。

「なら、これならどうですか!!」

今度は風魔法で竜巻を作り出し、クロウを吹き飛ばす。

「さらにこうです!」

更に土魔法で巨大な岩を作り🪨、クロウを叩き潰す。

ゴグシャッ!!!!
と言う岩と人間の潰れる不気味な音が響き渡り、岩の下から大量の血が出る。

「…ここまで来れば流石に死にますよね?」

「…と、……思って…いた…のか?」

「ば…化け物め…っ!!」

「俺が…化け物?…ち…違う…俺は…人間…だ」

悪魔と言われても納得するくらいの意地と決意の力でクロウは立ち上がる、全身の骨が砕け、動かすだけでも想像を絶する痛みを受けている筈だ。

もしくはあまりの痛みに全身が麻痺し、アドレナリンが出過ぎてしまっているのかもしれない。

「剣は…良かった…無事だ」

所々にヒビが入っているが、舐めるだけなら問題はない、そう判断したのかクロウは再び剣を舐め始める。

(このバグ技は一回舐める事でどれかステータスが1だけ上がるもの…だが、"本当は違う")

これはクロウしか、いや、"天城剣介しか知らないもう一つのバグ要素"、これが成功すればクロウは勝つ事が出来る。

「そ…それさ…え、で…出来れば…」

「何をしても無駄ですよ!貴方が死ぬまで我は攻撃を続けるだけです!」

今度は火、水、風、土の4属性の魔法をレーザーのように発射させる。

「…っ!!!!!!」

それは時に触れた瞬間爆発して、時に身体を貫いて、クロウの身体を蜂の巣の様に次々と穴を開けていく。

それでもクロウは立ち上がり、踏みとどまり、剣を舐める、その不可解な行動に徐々に恐怖を魔王ミロスは感じていく。

「なんなんですか…なんなんですか!貴方は!!!」

「………」

もはや喋る事も出来なくなり、血も致死量を超える程出てしまっていた、…だが、剣を舐めると言う動作だけはクロウはやめなかった。

(…意識が朦朧として来た…けど、あの技を…あの能力を…手に入れないと…)

その技はクロウが自分の自作小説に入れてしまうほどの能力であり、それ程までに強い技なのだ。

その技を手に入れればクロウは魔王ミロスに勝つ事が出来る、だからこそクロウは起死回生の一手をこのバグ技に賭けたのだ。

「本当に気持ち悪いですね…生きている価値のない、社会の底辺チー牛以下のクソオス風情が、我に勝てると本当に思っている事が…」

魔王ミロスは恐怖のあまり心の中で思っている本当の気持ちも口に出し始めてしまう。

「本当に不愉快です…っ!!!存在するだけで害悪な性犯罪者クソオス達と同じ、加齢臭臭いクソ親父達と同じくらい気持ち悪い!!!!!」

そんな暴言を吐かれながらもクロウは無視して剣を舐め続ける、彼女の言葉にいちいち反応する程余裕がないのだ。

「さっさと死ねよ!汚物以下の害虫が!!!!!」

「…ッ!!!!!」

魔王ミロスは4つの魔法を1つに集めて巨大な光線を放った、その光線はクロウの身体全体を覆い、今まで以上の大ダメージを負う事となった。

そしてついにクロウは力尽き、膝から崩れ落ちた。

「…ふふ、やっとくたばりましたか、たかが人間風情が我に勝とうと思う事事態ありえないんですよ」

死んでくれた事に喜びながら魔王ミロスはクロウに近づく。

「頭を踏み潰してあげましょう、果物のように無様に潰れなさい♪」

そう言って魔王ミロスは足に力を込める…
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「…能……力…発…動…(後は任せたぞ、リューク勇者)」
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