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第4章~魔王討伐~
第199話 大きな背中 メイディside………?
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~魔王城内~
コツコツコツコツと足音が響き渡り、その音でメイディは目を覚ます。
「…ここは?」
「ん?起きた?」
「クロウ…様?」
メイディは目を覚ますと周囲を見渡し始める、魔王ミロスの姿がなく、今自分はクロウにおんぶされている事に気付く。
「な…なんで私をオブっているんですか!?」
「なんでって…お前が寝ているからわざわざ起こさない様におんぶしてんだろ…」
何言ってんだコイツ?と言いたげな声でメイディに答える、メイディは恥ずかしいのかクロウに早口で話しかける。
「お…下ろしてください!私は歩けます!」
「…っあ、暴れるなよ…良いからおんぶされとけって…まだ疲れてんだろ?」
「で…ですが!」
「魔王を倒した功績者を歩かせるなんて出来るかよ…全く俺が来る前に倒しやがって」
クロウの言葉にメイディは「え?」と驚いた声を出す、自分は確か魔王ミロスに…いや、魔王ミロスに見向きもされずにリュークがやられたのと同時に吹き飛ばされて皆に気づかれる事なくやられたのだ。
「なんだ?覚えてないのか?」
「いえ…私は 為術もなくやられた筈では?」
「何言ってんだよ、俺が来た時にはすでに戦いは終わっててメイディは俺が来た事に安心して倒れたんだろ?」
「そう…でしたっけ?」
「そうだよ」
なんか違う様な気がするが、クロウがそう言うのならそうなのだろう、そうメイディは考える。
「ほら、寝てな」
「…ええ…所で他の皆様は?」
「まだ奥にいるよ、俺1人じゃ流石に運べきれないからな」
確かにクロウの言う通りだ、訓練された兵士なら2~3人は運べるだろうが、クロウは普通の人、運べるのは1人だけだ。
「…そうですか」
「ああ」
「…すいません…ちょっとだけ休ませていただきます…」
クロウの心臓の鼓動音と背負う時の振動音がメイディを眠気に誘う、魔王とは碌に戦えなかったが、それまでの間は魔物達との死闘を繰り広げた為、蓄積された疲労が今来たのだろう。
「いいよ気にするな」
「…ありがとう…ございます…」
「(…クロウ様の背中はとても大きくて、暖かくて、優しくて、良い匂いで…本当に安心する)」
あんなに小さかった少年が自分を背負って歩ける程大きくなったんだなぁっと主人の成長と恋人のカッコ良さに惚れ惚れしながらくすりと笑う。
「(帰ったら暖かいご飯を食べよう、クロウ様とデートもしよう、皆んなと仲良く湖に行って遊ぶのも良い…それから…それから…)」
メイディはそのまま目を閉じる、その後可愛い寝息声が聞こえ始めて眠ったのだとクロウは理解する。
「…ゆっくり……休みな…」
———————————————————————
「…ぐっ…ま…まだだ…まだ….死ね…ない…」
メイディが寝たのを確認すると我慢していた激痛がクロウの全身を襲う。
身体から出る血が止めどなく流れ続けて足元に赤い道を作り続けている。
「…(意識が飛びそうだ…今すぐにでも楽になりたい…でも…)」
脚の力が抜けそうになるが、背中に感じる暖かさと重みを感じてなんとか踏み止まる、その間にも血が流れている為、いつ大量出血で死ぬか分からない状況だ。
背中にある彼女だけはメイディだけは、絶対に守らなければならない…その一念のみで歩き続ける。
「(…魔物は全て片付けた、リューク達は大丈夫だ…後は騎士団と合流するのみ…)」
騎士団と合流出来れば後は任せる事が出来る、そうすればリューク達も助かる。
「………やく…そく…は…まも…らない……と…」
背中から血が流れない様に、メイディに付着しない様に魔法でなんとか塞いでいるが、それも限界に近い、全身を塞ぐ事が出来れば良いが、今のクロウにはそれを出来るほどの魔力も体力も残っていない。
「(…本当に…良い女だよなぁ、メイディ…こんな屑をここまで信頼してくれるなんて…)」
「ほん……とう…に…いい…ひ……と…だ……な」
ゆっくりゆっくりと歩き続けて、クロウはようやく入り口まで辿り着く事が出来た…後はいるであろう仲間達と合流するだけだ。
———————————————————————
そして扉を開けると、外には傷だらけの兵士達が待っていた。
コツコツコツコツと足音が響き渡り、その音でメイディは目を覚ます。
「…ここは?」
「ん?起きた?」
「クロウ…様?」
メイディは目を覚ますと周囲を見渡し始める、魔王ミロスの姿がなく、今自分はクロウにおんぶされている事に気付く。
「な…なんで私をオブっているんですか!?」
「なんでって…お前が寝ているからわざわざ起こさない様におんぶしてんだろ…」
何言ってんだコイツ?と言いたげな声でメイディに答える、メイディは恥ずかしいのかクロウに早口で話しかける。
「お…下ろしてください!私は歩けます!」
「…っあ、暴れるなよ…良いからおんぶされとけって…まだ疲れてんだろ?」
「で…ですが!」
「魔王を倒した功績者を歩かせるなんて出来るかよ…全く俺が来る前に倒しやがって」
クロウの言葉にメイディは「え?」と驚いた声を出す、自分は確か魔王ミロスに…いや、魔王ミロスに見向きもされずにリュークがやられたのと同時に吹き飛ばされて皆に気づかれる事なくやられたのだ。
「なんだ?覚えてないのか?」
「いえ…私は 為術もなくやられた筈では?」
「何言ってんだよ、俺が来た時にはすでに戦いは終わっててメイディは俺が来た事に安心して倒れたんだろ?」
「そう…でしたっけ?」
「そうだよ」
なんか違う様な気がするが、クロウがそう言うのならそうなのだろう、そうメイディは考える。
「ほら、寝てな」
「…ええ…所で他の皆様は?」
「まだ奥にいるよ、俺1人じゃ流石に運べきれないからな」
確かにクロウの言う通りだ、訓練された兵士なら2~3人は運べるだろうが、クロウは普通の人、運べるのは1人だけだ。
「…そうですか」
「ああ」
「…すいません…ちょっとだけ休ませていただきます…」
クロウの心臓の鼓動音と背負う時の振動音がメイディを眠気に誘う、魔王とは碌に戦えなかったが、それまでの間は魔物達との死闘を繰り広げた為、蓄積された疲労が今来たのだろう。
「いいよ気にするな」
「…ありがとう…ございます…」
「(…クロウ様の背中はとても大きくて、暖かくて、優しくて、良い匂いで…本当に安心する)」
あんなに小さかった少年が自分を背負って歩ける程大きくなったんだなぁっと主人の成長と恋人のカッコ良さに惚れ惚れしながらくすりと笑う。
「(帰ったら暖かいご飯を食べよう、クロウ様とデートもしよう、皆んなと仲良く湖に行って遊ぶのも良い…それから…それから…)」
メイディはそのまま目を閉じる、その後可愛い寝息声が聞こえ始めて眠ったのだとクロウは理解する。
「…ゆっくり……休みな…」
———————————————————————
「…ぐっ…ま…まだだ…まだ….死ね…ない…」
メイディが寝たのを確認すると我慢していた激痛がクロウの全身を襲う。
身体から出る血が止めどなく流れ続けて足元に赤い道を作り続けている。
「…(意識が飛びそうだ…今すぐにでも楽になりたい…でも…)」
脚の力が抜けそうになるが、背中に感じる暖かさと重みを感じてなんとか踏み止まる、その間にも血が流れている為、いつ大量出血で死ぬか分からない状況だ。
背中にある彼女だけはメイディだけは、絶対に守らなければならない…その一念のみで歩き続ける。
「(…魔物は全て片付けた、リューク達は大丈夫だ…後は騎士団と合流するのみ…)」
騎士団と合流出来れば後は任せる事が出来る、そうすればリューク達も助かる。
「………やく…そく…は…まも…らない……と…」
背中から血が流れない様に、メイディに付着しない様に魔法でなんとか塞いでいるが、それも限界に近い、全身を塞ぐ事が出来れば良いが、今のクロウにはそれを出来るほどの魔力も体力も残っていない。
「(…本当に…良い女だよなぁ、メイディ…こんな屑をここまで信頼してくれるなんて…)」
「ほん……とう…に…いい…ひ……と…だ……な」
ゆっくりゆっくりと歩き続けて、クロウはようやく入り口まで辿り着く事が出来た…後はいるであろう仲間達と合流するだけだ。
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そして扉を開けると、外には傷だらけの兵士達が待っていた。
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