6 / 84
プロローグ
第6話 正体
しおりを挟む
~???~
マンル「では,魔王を討伐した暁には貴方の娘と結婚できると?」
マンルは玉座に座る???に向かって言う。
???「私の一存では決められぬ,一度娘と会って話をしてみてくれないか?」
マンル「わかりました。では,今すぐ会いに行きましょう。」
そう言ってマンルは???から退出した。
それからしばらくして???の隣にいた者が声をかける。
???「良いのですか?あんな約束をしてしまって?」
???「......仕方ないだろう,そうでもしなきゃ彼奴は梃子でも動かん。」
???は本日何度目かもわからないため息をこぼした。
???「なんであんな奴が勇者なんだ,この世界の女神が馬鹿なのか?」
???「それを聖協会の前で言わないでくださいね,言ったらこの国は滅びますよ。」
???「........はぁ,どうせあんな奴が勇者だ勝っても彼奴のいいように使われて,負けたら皆んな魔王に殺される、はぁぁぁ。」
そう言ってまたため息をこぼす。それほどまでに今回の勇者は酷いのだ。
???「なぁ、座を譲るから彼奴なんとかしてくんね?」
???「馬鹿なこと言ってないでさっさと仕事しに行きますよ?"国王"様」
国王「はぁ、わかったよ宰相」
国王,宰相「はぁぁぁぁぁあ」
国王,宰相(.......胃薬あったかなぁ?)
こうして彼ら2人の憂鬱な時間が終わり,いつもの仕事に戻る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国王の間~???
コツコツコツと規則正しい音を反響させながら,国王の娘に会いに行く。
彼は欲しいものがあったどんなものでも手に入れる,それがたとえ既に誰かのものでも,
彼は貴族の長男として生まれた,生まれも育ちも他の人達とは比べ物にならないほどに豪華だった。そしてそこの両親は長男を特に甘やかしていた。
弟や妹が持っていたものでも,
マンル「あれが欲しい。」
そう一言,言うだけで弟,妹から取り上げて渡していた。
それは,成長してからも変わらず寧ろさらにひどくなった。
あれが欲しいと思えばくれるまで、必要以上にしつこく話しかけてきたり、無視をすればそいつだけでなくその家族すらにも被害をくらわせ,平民だとそれで人生を失ったものが数えきれず、同じ貴族でも階級が高いため,自分達のミスを押しつけて、没落させたりと,とても酷かった。
なのに何故,何もしなかったのか?
いや,正確には何も"出来なかった"のだ。
それは彼らには実績がありこの国で1番貢献しているからだ。そのためあらゆる分野で盾突くものの弱みを握り,自分達に賛同している貴族達とのパイプが太いため,迂闊に行動ができないのだ。
国王も無論そんな事は知っているが、確実な証拠がないために厳重注意をするのがやっと。だからこそマンルのような無能が跡取りになった時には,国王は
国王「これで彼奴らの天下は終わりだ!」
と宰相やその他、反対貴族とともに喜んでいた。
.............女神の神託が降りるまでは。
女神の神託が聖協会から伝えられた時、彼は酷く絶望した。何故あのような者が勇者なのかと。
そこから更に彼はつけ上がった。
特に最も酷かった女好きが更に悪化したのだ。
さらに酷いのが
彼氏,又は夫がいる女性を寝取り自分の虜にし"彼女らの目の前で絶望させる"ことを何よりも楽しんでやるのだ。
ある時は夫が帰ってきたのを見計らって行為に及び目の前で寝取る,しかも寝取った女性達は皆罪悪感がなく、今まで愛していたものに、酷い振り方をし,絶望している姿を見て笑っているのだ。
そしてそれは国王の娘にも及んだ,最初は断っていた。大切な娘をあんな奴に渡したくないからだ。しかし
聖協会から
「勇者様の意思は女神様の意思,その意思を尊重するべきだ」
と言われ,さらに
マンル「娘と結婚出来ないなら魔王と戦わない。」
と言い始めていた。魔王を倒せるのは勇者だけ、その勇者が戦わないのならこの国は滅びる。
苦渋の選択のうえ国王はこう言った。
"魔王を討伐した後,娘が結婚したいというのなら"っと
流石に厳しいと思ったが、こんな奴に大切な娘は、絶対に渡したくない。
「では、魔王を討伐した暁には貴方の娘と結婚できると?」
そして,冒頭に戻るのである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
王城~庭~
マンル「君が、王女かい?」
???「はい?」
王城の中にある庭の木下で本を読んでいた私は、いきなり知らない男から声をかけられた。
マンル「君が王女かと聞いているのだが?」
いきなり話しかけられて、混乱しているとそんな事を言われる。
???「まずは貴方から名前を聞かせください」
あまりに失礼なので少しきつめに言った。
マンル「?効いてない?」
???「はい?」
マンル「あ、あああすまないね、つい考えてしまって」
???「.......そうですか」
この男,もしかして..........
マンル「そういえば、自己紹介がまだだったね、僕はマンル,勇者であり、君の未来の夫さ」
そう言ってこちらを見る。
ああ,この男,間違いないわ。
???「そうですか、勇者様でしたか。」
とりあえず勇者以降のことは無視しよう。めんどくさいし。
そうして本を閉じて,すくっと立ち上がって、
???「はじめまして、フローズと申します。」
マンル「そうか、君があの国王の娘なんだね?」
フローズ「はい、そうですが?」
私が怪訝そうに伺うと,彼はまた優しそうに笑い
マンル「実は国王と話して僕が魔王を討伐したら君と結婚する約束をしてね,その挨拶をしにきたんだ。」
フローズ「はい?」
これが彼との初めての出会いであり,この後も私"達"の人生で最も邪魔な人物でもあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後,もう2.3話あたりでプロローグは終わりです。
後作品の都合上,この作品を見てくださる方々の為に題名を変えもう少しわかりやすくしようと考えています。
今回の”正体”についてですが、勇者の正体と前話の???の正体の二つの意味で書きました。
マンル「では,魔王を討伐した暁には貴方の娘と結婚できると?」
マンルは玉座に座る???に向かって言う。
???「私の一存では決められぬ,一度娘と会って話をしてみてくれないか?」
マンル「わかりました。では,今すぐ会いに行きましょう。」
そう言ってマンルは???から退出した。
それからしばらくして???の隣にいた者が声をかける。
???「良いのですか?あんな約束をしてしまって?」
???「......仕方ないだろう,そうでもしなきゃ彼奴は梃子でも動かん。」
???は本日何度目かもわからないため息をこぼした。
???「なんであんな奴が勇者なんだ,この世界の女神が馬鹿なのか?」
???「それを聖協会の前で言わないでくださいね,言ったらこの国は滅びますよ。」
???「........はぁ,どうせあんな奴が勇者だ勝っても彼奴のいいように使われて,負けたら皆んな魔王に殺される、はぁぁぁ。」
そう言ってまたため息をこぼす。それほどまでに今回の勇者は酷いのだ。
???「なぁ、座を譲るから彼奴なんとかしてくんね?」
???「馬鹿なこと言ってないでさっさと仕事しに行きますよ?"国王"様」
国王「はぁ、わかったよ宰相」
国王,宰相「はぁぁぁぁぁあ」
国王,宰相(.......胃薬あったかなぁ?)
こうして彼ら2人の憂鬱な時間が終わり,いつもの仕事に戻る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国王の間~???
コツコツコツと規則正しい音を反響させながら,国王の娘に会いに行く。
彼は欲しいものがあったどんなものでも手に入れる,それがたとえ既に誰かのものでも,
彼は貴族の長男として生まれた,生まれも育ちも他の人達とは比べ物にならないほどに豪華だった。そしてそこの両親は長男を特に甘やかしていた。
弟や妹が持っていたものでも,
マンル「あれが欲しい。」
そう一言,言うだけで弟,妹から取り上げて渡していた。
それは,成長してからも変わらず寧ろさらにひどくなった。
あれが欲しいと思えばくれるまで、必要以上にしつこく話しかけてきたり、無視をすればそいつだけでなくその家族すらにも被害をくらわせ,平民だとそれで人生を失ったものが数えきれず、同じ貴族でも階級が高いため,自分達のミスを押しつけて、没落させたりと,とても酷かった。
なのに何故,何もしなかったのか?
いや,正確には何も"出来なかった"のだ。
それは彼らには実績がありこの国で1番貢献しているからだ。そのためあらゆる分野で盾突くものの弱みを握り,自分達に賛同している貴族達とのパイプが太いため,迂闊に行動ができないのだ。
国王も無論そんな事は知っているが、確実な証拠がないために厳重注意をするのがやっと。だからこそマンルのような無能が跡取りになった時には,国王は
国王「これで彼奴らの天下は終わりだ!」
と宰相やその他、反対貴族とともに喜んでいた。
.............女神の神託が降りるまでは。
女神の神託が聖協会から伝えられた時、彼は酷く絶望した。何故あのような者が勇者なのかと。
そこから更に彼はつけ上がった。
特に最も酷かった女好きが更に悪化したのだ。
さらに酷いのが
彼氏,又は夫がいる女性を寝取り自分の虜にし"彼女らの目の前で絶望させる"ことを何よりも楽しんでやるのだ。
ある時は夫が帰ってきたのを見計らって行為に及び目の前で寝取る,しかも寝取った女性達は皆罪悪感がなく、今まで愛していたものに、酷い振り方をし,絶望している姿を見て笑っているのだ。
そしてそれは国王の娘にも及んだ,最初は断っていた。大切な娘をあんな奴に渡したくないからだ。しかし
聖協会から
「勇者様の意思は女神様の意思,その意思を尊重するべきだ」
と言われ,さらに
マンル「娘と結婚出来ないなら魔王と戦わない。」
と言い始めていた。魔王を倒せるのは勇者だけ、その勇者が戦わないのならこの国は滅びる。
苦渋の選択のうえ国王はこう言った。
"魔王を討伐した後,娘が結婚したいというのなら"っと
流石に厳しいと思ったが、こんな奴に大切な娘は、絶対に渡したくない。
「では、魔王を討伐した暁には貴方の娘と結婚できると?」
そして,冒頭に戻るのである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
王城~庭~
マンル「君が、王女かい?」
???「はい?」
王城の中にある庭の木下で本を読んでいた私は、いきなり知らない男から声をかけられた。
マンル「君が王女かと聞いているのだが?」
いきなり話しかけられて、混乱しているとそんな事を言われる。
???「まずは貴方から名前を聞かせください」
あまりに失礼なので少しきつめに言った。
マンル「?効いてない?」
???「はい?」
マンル「あ、あああすまないね、つい考えてしまって」
???「.......そうですか」
この男,もしかして..........
マンル「そういえば、自己紹介がまだだったね、僕はマンル,勇者であり、君の未来の夫さ」
そう言ってこちらを見る。
ああ,この男,間違いないわ。
???「そうですか、勇者様でしたか。」
とりあえず勇者以降のことは無視しよう。めんどくさいし。
そうして本を閉じて,すくっと立ち上がって、
???「はじめまして、フローズと申します。」
マンル「そうか、君があの国王の娘なんだね?」
フローズ「はい、そうですが?」
私が怪訝そうに伺うと,彼はまた優しそうに笑い
マンル「実は国王と話して僕が魔王を討伐したら君と結婚する約束をしてね,その挨拶をしにきたんだ。」
フローズ「はい?」
これが彼との初めての出会いであり,この後も私"達"の人生で最も邪魔な人物でもあった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後,もう2.3話あたりでプロローグは終わりです。
後作品の都合上,この作品を見てくださる方々の為に題名を変えもう少しわかりやすくしようと考えています。
今回の”正体”についてですが、勇者の正体と前話の???の正体の二つの意味で書きました。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
2,946
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる