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序章~彼らの決意~

第8話 クロスの苦悩

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クロスには本当の家族がいない。小さい頃に全てを奪われたからだ、しかし彼にはその記憶がない、それは15年前の出来事であり、彼はまだ1歳だったからだ。

彼が義父達に拾われてから5年は本当に幸せだった。あったかいお風呂に、美味しいご飯、優しい家族に村の人々、こんな幸せがずっと続くと思っていた。

しかし、彼が6歳の誕生日、あの日、ほんの些細な出来事だった、それがこれから10以上も続く地獄になるとは誰が思うのだろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10年前

「「「「「「「クロスお誕生日おめでとう🎉」」」」」」」

その日は、義父母に義姉妹、幼馴染の両親と幼馴染が彼を祝ってくれた。
この頃が幸せの絶頂期だったかもしれない。

クロス「皆んなありがとう!」

ニヒッと笑顔で笑うそれだけでここは幸せに満ちた。

それからケーキをわけ、美味しく食べて、義父母や幼馴染の両親から誕生日プレゼントを貰い、とても喜んでいた。そして幼馴染からは

ミク「クロスこっち向いて!」

クロス「?」

そして振り向き、ミクとの顔が近く少し驚いた、その瞬間

クロス「!?」

メミル「なっ!?」

セシル「え!?」

ミク「........」

クロスの唇とミクの唇が重なっていた。

そして離れて顔を赤らめながら、

ミク「クロス、お誕生日おめでとう//////」

クロス「...........」プシュー

あまりにも衝撃的すぎて頭がオーバーヒートを起こし

バタンッ

義父母「「クロスーー!?」」

気絶した。

もしあの時起きていたらまだ未来は変わっていたかもしれない。

メミル「.............」

もしくは他の誰かが気づいていればよかったのかもしれない。

セシル「............」

ここから全てが壊れた。

————————————————————

クロス「う....うーん」

目を覚ますと、もう朝になっていた。

クロス(あれ?僕は一体?)

確か、ミクの誕生日プレゼントを貰おうとして、

クロス(/////////)かぁ!!

顔が暑くなるのがわかる、そっか、僕は彼女と///

一体落ち着く為に外に出ようと思い布団から出よう(むにっ)ん?

柔らかい、なんだろうと思い布団をめくると、

メミル「(≧∀≦)きゃ!」

クロス「..........」

ぽすっ(布団を元に戻す。) 

ペラ「(*'▽'*)/おはよ(ぽすっ)

クロス「( ・∇・)ゑ?」

何が起きているのかわからない。確かにここは子供部屋だ義姉がいるのはわかるでは何故3段ベットの1番上にいる僕の布団の中にいるのだろう?

...........ペラ

(`・ω・´)b

クロス「何してるの姉さん?」

メミル「?何って?」

首を傾げながらこちらを見る。
そして

メミル「他の女に取られないようにする為だよ!」

クロス「え?」

メミル「だってクロスあの雌猫とチューしたじゃん。」 

クロス「いや、あれは//」

メミル「だからね、これからは、」

そう言って満面の笑みで

メミル「ずっと一緒にいるよ?」 

それからメミルの様子がおかしくなった、本当にどんな時でも一緒にいた。
起きてから寝るまで(流石にトイレは泣きながら説得したら渋々OKをもらったが。)常に一緒にいた。
そしてそれを見ていたセシルは

セシル「姉さんばっかりずるい」

と瞳の光を消してそう言った。

そしてお風呂の時

クロス「ふぅ~」

メミル「はぁー」

2人で一緒に入っていた。
クロスは1人で入りたいと言ったが、メミルが、「まだ子供だからいいの!」
と言い、一緒に入っている。

クロス「ねぇ姉さん」

メミル「なーに?」

クロス「....なんでそこまで一緒にいたいの?」

メミル「え?」

クロス「確かに僕達は姉弟だけど、ここまでいくと変じゃないかな?」

クロス達はまだ子供だ普通なら別になんともないかもしれないが。

メミル「変じゃないわよ?だって姉弟だもん。」

そう言って、クロスを前から抱きつく、
そう、おかしな点は、

彼女が必要以上に近くそして抱きつくからである。

歩いている時は手を繋ぎ、腕に抱きつき
寝る時はまるで恋人のように寝る

たとえ6歳でも、これが変だというのには気づく、しかしそれを大人達に言う勇気はなくこうしてメミルに聞いているのである。

メミル「クロスはね、私にとって可愛い弟なの」

唐突に何かを言い始める。

メミル「そんな可愛い弟が誰かに盗られるのが辛くて耐えられないの。」

そう言って身体を震わせる。本当にクロスを失うのが怖いのだろう。

クロス「姉さん、僕は「私も一緒に入るー!」

ザパーン!!!

メミル「ぐは!」

クロス「あべし!」

ダイブした、その衝撃で背中を打つ

その正体は

メミル,クロス
「.............セシル?」

妹セシルであった。

セシル「姉さんばかりずるい!私も兄さんと一緒にいるー!」

そう言って暴れ出す。

メミル「ちょ、ここ風呂場!」

メミルはなんとか黙らそうとするが、

セシル「ずるいずるいずるいー!」

それを無視して暴れ出す。

しかし、

クロス「セシル?」

ぴた

クロスの一言でセシルの動きが止まる。

クロス「風呂場では静かにして、一緒に入ってもいいから」 

セシルが暴れ出すと本当に面倒くさいので、クロスは取り敢えず一緒に入る事を許可する。

セシル「いいの!」

クロス「うんいいよ。」

セシル「やったー!」

セシルはとても喜んでいた。

クロス「姉さんもいいよね?」

メミル「.......はあ、しょうがないわね」

メミルもセシルのことはよく理解しているから了解する。

こうして、セシルも風呂だけかと思ったら、メミルと同じように常に一緒に行動し始めた。

それを見てミクも「あたしもー!」

と言始めて彼女も混ざりそれからずっと
4人はいつも一緒にいた。

村の人達もここまで仲良い姿を見て微笑ましく思っていただろう。

————————————————————
これだけ見れば、別にいいんじゃね?
と思う人がいるだろう。

しかし、これが10年間続けば、どう思うかな?

そう10年間ずっとだ

もちろん、風呂場や就寝の時も一緒だ

そして彼女達は10年間でさらに悪化していった。

それは、彼が他の女性を見ると、

「ねぇなんで私じゃなくて他の女見るの?」

と、しつこく聞いてきたり、

流石に一緒に風呂はもうと言うと

「なんで、なんで私と入りたくないの?ねぇなんで、なんで、なんで、なんでなんでなんでなんで?」

とずっと聞いてくる。
寝る時も、食事も、本当にどんな時も一緒にいた。

気がついたら、彼は彼女達以外と(両親とミクの両親は除く)喋る事がほとんどなくなった。

そして何故か他の皆んなも自分を、いや"彼女達"を見ると怯えて避けてくる。

きっと知らない間に何かあったのだろう。

そこまでして俺を束縛するのにはどんな理由があるのだろう?

クロスは疲れていた。しかしその素振りを見せると彼女達はヒステリックになる為、見せないように努力しているが、我慢の限界だろう。

人間と言うのはプライベートな時間、1人の時間が大切だ何かを考えたり、反省したりと何かしらの理由でその時間は必要で大切だ

クロスにはそれがなかった。

彼は心身ともに疲れきっていた。

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いつのまにかお気に入りが1000人超えてる(゚∀゚)!

皆さんありがとうございますIoI

これからもよろしくお願いします🥺






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