転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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王都

113.

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怒涛の1日だった。
すっかり顔見知りだけになり気が抜けたのか家に着くまでもなく寝てしまった様だ。

「ククル様、お疲れのところすいません。起きていただいても良いですか」
ハナの声で意識が覚醒していく。
「んー、はーい」
起き上がるとハナがそこにいた。
「ククル様、昨日の事は覚えてますか」
コクンと頷く。
「昨日、一緒にこちらに来た女の子の事でマーサス様がお見えです。」
私はハナに着替えを手伝ってもらいとりあえず応接室に向かった。
向かいながらハナに聞くと昨日家についてからはユミンはハナが見てくれていた様だ。
「おう、朝から悪いな」
マーサスの向かいに座るアイザックの横に行く。
ユミンはまだ寝てるようだ。
「昨日は大変だったな。あの後捕らえた奴を調べたら色々出てきたな。それでだ、昨日こっちに来た女の子についてだがどうやら家族を殺されている。馬車での移動中に襲ったようで流れの旅商人だったみたいだ。」
本人にも話を聞きたくて来たんだがとりあえず先に伝えておこうと私を起こしたらしい。
今、ハナがユミンを迎えに行った。

暫くしたらユミンが部屋に入って来た。
「すまんな朝から。ちょっと話が聞きたいが大丈夫か」
頷き、そこからはマーサスの質問に答えて行く。

30分程続いた話が漸く終わりマーサスがまた来ると帰っていった。
とりあえず朝食にしようと言う事になりリビングに移動する。

4人で食事を済ませてお茶を飲みながらアイザックに聞いてみた。
「ねぇ、アイザック。今後、ユミンはどうなるの?」
「そうだな。一番妥当なのは孤児院で生活する事かな。ちゃんと働けるまで衣食住は守られるからな」
あぁ、やっぱりか。
「あのぉ、私ここに居てはダメですか?」
急にユミンが語りだした。
元々は孤児院で育ったらしく、殺された両親も実は親ではないそうだ。
衣食住の補償の代わりに仕事を手伝っていたらしく話を聞く限りでは扱いが奴隷に近い。
そんな生活に戻るのは嫌だから仕事はするのでここに居させてほしいと訴えてくる。
「アイザック、とりあえずユミンの身体が休まるまでは良いよね」
私達も直ぐには答えが出せないので一旦保留とした。
ユミンは歳が私より上で今年の夏で8歳になるそうだ。
とりあえず、ハナが部屋に連れて行ってくれたのでアイザックと話し合う事にした。
「どうしよう?」
「そうだな。ククルはどうしたい?」
「んー、話だけなら孤児院は可哀想かと思うかな。でもね、雇うとなるとあんな歳の子に仕事させるのもなって思うかな」
「ククルも仕事はしてるだろ」
「うん、確かに。でもね、私の場合は中身が大人だから」
「じゃあ、見習いとして住み込みで雇うのはどうだい?来年からククルと一緒に学校にも行かせて卒業後は好きに進路を決めさせる。見習いだとそんなに給料は出せないけど衣食住と教養は補償して。普段はハナの手伝いをさせてメイドなら働き先も沢山あるから」
そうか、それも良いかも。私には歳の近い友達も居ないし、主人と言うよりは友達として側に居て欲しいかな。
アイザックにそれを伝えるとそれでも良いんじゃないかとの事。
期限を最長でも成人の15歳迄とし、その間住み込みで見習いとして働いてもらう。良いのではないか。
「じゃあ、明日にでももう一度本人と話をしようか」
先の事が決まり、少し安心した。
今日はこの後、昨日の事情を聴きに兵士が家に来る。
それまでの間ゆっくり過ごす事にした。

午後から事情聴取に時間を取られ気がついたら夕食だった。

4人でテーブルを囲みハナの作ってくれたご飯を食べる。
流石に子供2人は疲れも取れずとっとと就寝する事にした。

翌朝、朝食後にユミンと向き合い昨日アイザックと話した内容を伝える。
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします」
涙目でお礼を言われた。
「そうと決まったら早速部屋を整えないとね」
使用人の部屋が一つ空いているので準備が整ったらそこに住んでもらう事にした。
大体1週間程で家具も届くのでそれまではゆっくり過ごしてもらう。
「折角だし、小物の買い物いこうよ」
アイザックは雇い入れる為の手続きをしてくるとの事でハナと3人で買い物に行く事にした。
大型家具以外の小物や洋服、食器や日用品など沢山買い物した。
段々遠慮して行くのを無視してある程度の買い物も終わり、今日は時間も遅いからと屋台で夕食を購入。
3人揃って家に帰るとアイザックが待ち構えていた。
「おかえり、手続きは無事終了した。明日ギルドに行って身分証かわりに登録するだけだ」
「じゃあ、明日はギルドだね。マーサスのところで登録するの?」
「いや、赤のギルドだな。中央はあまり新人の登録手続きはしてないから」
そうなんだと納得し、夕食を食べる事にした。
4日後に大型家具が届くとのことでユミンの見習いは6日後からスタートする事になった。
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