転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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王都

112.

「ん、馬車の中?」
確かダックと話していて?寝てしまってた様だ。

「オラ」
急に御者台の方が騒がしくなり扉が乱暴に開けらる。
「おう、良さそうな商品だな」
全く知らない男が急に入ってきた。
不味いと思った時には何やら薬を嗅がされて意識ぐ遠のいた。

「……」
「んー」
なんだか声がするが聞き取れない。
少し頭が冴えてくる。
そうだ。知らない男に薬を嗅がされて、、、攫われたか。
意識が戻ってるのに気づかれない様に周りに神経を走らせた。

「オイ、明日コイツらを引き渡したらこの国からトンズラするぞ。準備しとけ」
「「「ヘイ」」」
他にも誰かいる様な話に静かにまわりを見渡す。
薄暗い此処には数人の気配がした。
扉の鍵が開く音がした。
今は床に転がされてるがそのまま様子を伺う。
手足を縛られている訳では無いが下手は打てない。

「さっきの奴はまだそのままか。お前ら今日の飯だ。騒ぐなよ。コイツが目覚めたらコイツも騒がすな」
何かを置いて男が出て行く。
足音が遠かったのを確認し、起き上がった。
改めてまわりを見ると小さな人影が3つ並んでいる。
そこにいたのは獣人の子供だった。
「あなた達も連れてこられたの?」
狼の兄妹らしき2人は頷く。
兎の女の子は下を向いて震えている。
話が出来そうな狼の男の子に聞いてみるとこの2人は村から1週間前に連れ去られたとか。
兎の子は3日前に連れてこられたらしい。
「さっき聞こえきた感じだと明日どこかに連れて行かれるみたい。此処がどこだかわかる?」
分からない様で横に首を振る。
高いところにある小さな小窓から空の様子をみると夕方ぽい所から王都からそんなに遠くないかと考えた。
「あなた達、ここから出たい?」
兄妹は頷くが兎の子は伏せたままだ。
名前を尋ねると兄妹がヤルとリナ、兎の子がユミンと言うそうだ。
「よし、夜中に逃げ出すよ。とりあえずご飯食べてその時に備えよう」
ヤルは大きく頷く。
女の子二人にはリナは必ずヤルの側を離れない様、ユミンには私から離れない様伝えて先に寝かした。
ヤルに逃走経路について説明する。
いつも夕食を持ってきた後は誰も来ないらしいので早速小窓まで上がり外の様子を見てきた。
どうやら半地下にいる様で小窓から出れたら丁度地上になる様だ。
目の前が鬱蒼とした草むらだったので隠れるには良さそうだ。
私は念話でガルを呼び、クロイス経由でアイザックに話を通してもらい近くまで迎えに来てもらう。
ガルは私の居場所がわかるみたいで任せとけと張り切っていた。

外は真っ暗だ。
「ヤル、先ずはあの窓を外してくるから、そしたら女の子達を先に上がらせて。私が外から引き上げるから」

私は窓まで足場を使って一気に上がった。
静かに窓を外し、手招きして合図する。
一人づつ順調に外に出れた。
最後にヤルが外に出た時、何故か部屋の鍵を開ける音がする。
女の子二人の体が硬ったが手を繋ぎ3人を急かしながら静かに窓から離れた。
「オイ、あいつらが居ないぞ」
下が騒がしくなり、私達もとりあえず草むらに隠れながらその場を離れる。

バタバタと足音が聞こえてくる。
ユミンの手をしっかり握り、念話でガルを呼ぶ。

#ガル、近くにいるの?#
ガサガサ
一瞬、体が硬ったが姿が見えて安心した。
「ヤル、この子は私の従魔よ。早くリナと一瞬に背中に乗って。大丈夫だから」
大きなホワイトパンサーにビビりながらも恐る恐る背に乗った。
「ガル、行って。近くにアイザックも来てるんでしょ。合流して追いかけるから」
ガルが走り去ると同時に男達の声が近づいてきた。

「居たぞ。捕まえろ」
やばい。私はユミンの手を引いて走り出した。
大きな木が見えたので木と私の背中の間にユミンを庇い男達に向き直る。
「お前ら良くも。大人しくしやがれ」

手を伸ばして近づいてくる男に無詠唱でウインドカッターを放った。
「コイツ、魔法使いやがる」
そうと分かると後ろの男が詠唱を始めたので内容で打ち消しの魔法を準備し、相殺した。
「生意気な」
襲い掛かろうとした男が急に横に飛んだ。
「ゔっ」
「ククル、大丈夫か」
アイザックが来てくれた。
他にも足音がする。声の感じからマーサスが来てくれてる様だ。
「アイザック、大丈夫」
あっと言う間に男達は拘束された。
安堵からその場に座り込む。
後でグッタリしているユミンに気がついて慌てた。
「アイザック、一緒に捕らえられてた子が」
私はアイザックに抱っこされ、ユミンはマーサスが抱えてくれた。
近くに停めてある馬車まで行くとガルが姿を現した。
「ガル、ありがとう。ヤル達は?」
私の声が聞こえたのか馬車の中からハナが飛び出して来た。
「ククル様、怪我はありませんか?大丈夫でしょうか」
心配顔であちこちペタペタ触られてくすぐったい。
「ハナ、私は大丈夫よ。心配かけてごめんなさい」
「いいえ、ご無事でしたら良いのですよ。」
騒ぎ立てるハナの後からヤルとリナが顔を出した。
「二人とも大丈夫?怪我はない?」
頷きながら私の顔が見えて安心したのか硬った表情が少し緩んだ。

とりあえず馬車に乗り込み王都に向かう。
馬車が動き出した時、ユミンが気がついた。
「もう大丈夫だよ」
声を掛けたが私にしがみついて離れない。
とりあえずヤルに事情を聞くと第三領の小さな村に住んで居たことがわかった。
明日、マーサスが迎えを手配してくれる。
ユミンについては何もわからない。
王都に到着し、子供達は兵士達達が保護してくれるらしく、宿舎の前に馬車が止まる。
兄妹達は外の兵士に手伝って貰いながら馬車を降りた。
「さぁ、そちらの子も一緒においで」
優しく兵士のお兄さんが話かけてもユミンが私から離れない。
程々困ってしまいアイザックに目で訴える。
「はぁ、この子はこの調子では離れそうにない。とりあえず家で保護しておくから明日にでも訪ねて来てくれて」
兵士が上官らしき人に相談し、了承を貰えたのでこのまま家に送って貰った。
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