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王都
128.
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「ククル様、こちらにどうぞ」
どうやら隣国の方が到着した様だ。
アイザックと一緒に案内された部屋にいく。
中に入るとダックとまた見知らぬ男性がいた。
「こちらは隣国のサワラガナ殿だ。で、こっちが今回の功労者のククルとアイザックだ」
「はじめまして冒険者のアイザックです。」
「はじめまして冒険者のククルです」
「サワラガナだ。」
なんだか無愛想な人だ。
とりあえず四人でソファに座り、要件を済ます事にした。
隣国からの報酬は目録と言う形で渡された。
既に王城の一室に保管されているとか。
内容としては魔石や薬草、素材など多種多様に渡る。
どうやらダックが相談されて伝えていたとか。
そうして目録をアイザックに渡そうとした。
「失礼ですが受け取るのは私ではありません」
アイザックが受け取りを辞退すると怪訝な様子でこちらを睨んだ。
「ではこちらの子供に渡せと言う事ですか」
あら、私嫌われてる?何かしたかな?
「其方、国から聞いてきてるだろうと思うが今回の事はククルが功労者だ。一応保護者でもあるアイザックには同席させたがその行動は筋が違うのではないか」
ダックが横から口を挟んだ。
「しかし、こんな子供に渡しても…」
「それは使徒の其方が決めることではない」
「では、こちらを」
嫌そうな顔つきながらとりあえず私に差し出してきたので受け取った。
「ありがとうございます」
いただいたのでお礼を伝えてもなんの反応もない。
「ではこれでこの場はお開きとする」
使徒の人は礼をとって退室した。
「ククル、すまんかったな。嫌な思いをさせて」
ダックが誤ってきた。
「まぁ、気にしないで?でもなんでなの?」
事情を聞いてみるとどうやらさっきの使徒は元々隣国で組織の捜査の指揮官を任されていたらしい。
ところが大した成果も挙げれず捜査が膠着し出した頃に私が捕まったとかで一気に解決へ導けたとか。
挙句に冒険者ごときがと見下しているとか。
ようは私みたいな小娘に功績を取られた嫉妬らしい。
ダックは隣国との話でそれを聞いておりもしかしたらと思っていたとか。
「馬鹿馬鹿しい話だ」
「だね、まぁもう会うこともないし」
アイザックと二人呆れた溜息がでた。
一旦借りてる部屋にいき、夜会の準備をする。
今日は淡いブルーのドレスだ。
「さあ、ククル様終わりましたよ」
「ハナ、ユミンありがとう」
少し前に迎えに来てくれたアイザックのところに向かう。
「お待たせ」
「おぅ、ちゃんと令嬢になってるな。可愛らしいぞ」
「ほんと、ありがとう。アイザックも貴族様だね」
紺色の詰襟タイプの正装で丈の長い上着だからとても清楚な感じだった。
並ぶと親子みたいになる。
「じゃあいこいか」
「はぁい、ハナユミン先にお家に帰っててね。」
「「はい、行ってらっしゃいませ」」
アイザックにエスコートと言うよりは手を引かれ会場に向かった。
「あらあらククルちゃん今日も可愛らしいわ」
会場に入った途端、ワグリアナ夫妻に捕まった。
「こんばんは。ユミンの事いつもありがとうございます」
「あぁ、中々筋の良い子でこちらも十分に楽しませて貰っているよ」
二人に囲まれながら進むとおじいちゃんが入場してきた。
「おじいちゃん」
「おお、今日も可愛らしいな」
陛下の挨拶もあるので一旦アイザックと別れ、おじいちゃんと共に行く。
しばらくするとダックと先程の使者、数人の男女が会場に入場してきた。
ダックから新年の挨拶と隣国の紹介があり夜会がスタートする。
先ずは陛下の元へ挨拶に赴いた。
おじいちゃんが挨拶の言葉を述べる。
ダックは笑顔で答えこちらにニカっと笑いかけた。
「見違えるな」
「お褒めと受け取って起きます」
「これ、ククル。すいません陛下。いつもお世話になっておりますのに」
「構わん構わん。先程も嫌な役目をさせたところだ。ルーズベルト公爵気にするでない」
「ありがとうございます」
こうしてダックへの挨拶は終わり次に隣国の使徒団へと挨拶に向かう。
「ようこそ我が国にいらっしゃいました。私はヒストラル・ルーズベルトと申します」
「わざわざの挨拶恐れ入ります。私はサワラガナ・マキアルダラと申します。どうぞお見知り置きを」
「使徒の代表の方ですな。こちらは孫娘のククル・ルーズベルトです。どうぞよろしく」
「はじめましてククル・ルーズベルトと申します」
「おや、小さなのになんと礼儀の良い、大した物ですな」
どうやら私だとは気が付いてない様だ。面倒なのでとっとと挨拶を済ませてその場を後にした。
離れてからおじいちゃんに相手が気がついてないと伝えると良い笑顔で頷いてくれた。
しばらくすると叔父さんが挨拶に来てくれた。
「ククル、また家に寄せて貰っても良いか。先日の二体の件でな」
「あら、なにかありましたか?良いですよ。アイザックがきたら聞いてみます」
話をしているとアイザックがやってきたので今の話を伝える。
明後日に来る事で決まった様で叔父さんはこの場から去っていった。
アイザックに使徒が私に気が付いていないと伝えると納得した様子で頷いている。
「俺が挨拶に行ったら貴族の方でしたかとか言って驚いていたからそうだと思ったよ。」
アイザックの事ですら直ぐには気が付かなかったらしいのでそれはそうかと思った。
それからはお腹も空いたので料理を取って椅子に座り美味しくいただいた。
暫く食事に集中しているとレオン団長が現れた。
どうやら隣国の方が到着した様だ。
アイザックと一緒に案内された部屋にいく。
中に入るとダックとまた見知らぬ男性がいた。
「こちらは隣国のサワラガナ殿だ。で、こっちが今回の功労者のククルとアイザックだ」
「はじめまして冒険者のアイザックです。」
「はじめまして冒険者のククルです」
「サワラガナだ。」
なんだか無愛想な人だ。
とりあえず四人でソファに座り、要件を済ます事にした。
隣国からの報酬は目録と言う形で渡された。
既に王城の一室に保管されているとか。
内容としては魔石や薬草、素材など多種多様に渡る。
どうやらダックが相談されて伝えていたとか。
そうして目録をアイザックに渡そうとした。
「失礼ですが受け取るのは私ではありません」
アイザックが受け取りを辞退すると怪訝な様子でこちらを睨んだ。
「ではこちらの子供に渡せと言う事ですか」
あら、私嫌われてる?何かしたかな?
「其方、国から聞いてきてるだろうと思うが今回の事はククルが功労者だ。一応保護者でもあるアイザックには同席させたがその行動は筋が違うのではないか」
ダックが横から口を挟んだ。
「しかし、こんな子供に渡しても…」
「それは使徒の其方が決めることではない」
「では、こちらを」
嫌そうな顔つきながらとりあえず私に差し出してきたので受け取った。
「ありがとうございます」
いただいたのでお礼を伝えてもなんの反応もない。
「ではこれでこの場はお開きとする」
使徒の人は礼をとって退室した。
「ククル、すまんかったな。嫌な思いをさせて」
ダックが誤ってきた。
「まぁ、気にしないで?でもなんでなの?」
事情を聞いてみるとどうやらさっきの使徒は元々隣国で組織の捜査の指揮官を任されていたらしい。
ところが大した成果も挙げれず捜査が膠着し出した頃に私が捕まったとかで一気に解決へ導けたとか。
挙句に冒険者ごときがと見下しているとか。
ようは私みたいな小娘に功績を取られた嫉妬らしい。
ダックは隣国との話でそれを聞いておりもしかしたらと思っていたとか。
「馬鹿馬鹿しい話だ」
「だね、まぁもう会うこともないし」
アイザックと二人呆れた溜息がでた。
一旦借りてる部屋にいき、夜会の準備をする。
今日は淡いブルーのドレスだ。
「さあ、ククル様終わりましたよ」
「ハナ、ユミンありがとう」
少し前に迎えに来てくれたアイザックのところに向かう。
「お待たせ」
「おぅ、ちゃんと令嬢になってるな。可愛らしいぞ」
「ほんと、ありがとう。アイザックも貴族様だね」
紺色の詰襟タイプの正装で丈の長い上着だからとても清楚な感じだった。
並ぶと親子みたいになる。
「じゃあいこいか」
「はぁい、ハナユミン先にお家に帰っててね。」
「「はい、行ってらっしゃいませ」」
アイザックにエスコートと言うよりは手を引かれ会場に向かった。
「あらあらククルちゃん今日も可愛らしいわ」
会場に入った途端、ワグリアナ夫妻に捕まった。
「こんばんは。ユミンの事いつもありがとうございます」
「あぁ、中々筋の良い子でこちらも十分に楽しませて貰っているよ」
二人に囲まれながら進むとおじいちゃんが入場してきた。
「おじいちゃん」
「おお、今日も可愛らしいな」
陛下の挨拶もあるので一旦アイザックと別れ、おじいちゃんと共に行く。
しばらくするとダックと先程の使者、数人の男女が会場に入場してきた。
ダックから新年の挨拶と隣国の紹介があり夜会がスタートする。
先ずは陛下の元へ挨拶に赴いた。
おじいちゃんが挨拶の言葉を述べる。
ダックは笑顔で答えこちらにニカっと笑いかけた。
「見違えるな」
「お褒めと受け取って起きます」
「これ、ククル。すいません陛下。いつもお世話になっておりますのに」
「構わん構わん。先程も嫌な役目をさせたところだ。ルーズベルト公爵気にするでない」
「ありがとうございます」
こうしてダックへの挨拶は終わり次に隣国の使徒団へと挨拶に向かう。
「ようこそ我が国にいらっしゃいました。私はヒストラル・ルーズベルトと申します」
「わざわざの挨拶恐れ入ります。私はサワラガナ・マキアルダラと申します。どうぞお見知り置きを」
「使徒の代表の方ですな。こちらは孫娘のククル・ルーズベルトです。どうぞよろしく」
「はじめましてククル・ルーズベルトと申します」
「おや、小さなのになんと礼儀の良い、大した物ですな」
どうやら私だとは気が付いてない様だ。面倒なのでとっとと挨拶を済ませてその場を後にした。
離れてからおじいちゃんに相手が気がついてないと伝えると良い笑顔で頷いてくれた。
しばらくすると叔父さんが挨拶に来てくれた。
「ククル、また家に寄せて貰っても良いか。先日の二体の件でな」
「あら、なにかありましたか?良いですよ。アイザックがきたら聞いてみます」
話をしているとアイザックがやってきたので今の話を伝える。
明後日に来る事で決まった様で叔父さんはこの場から去っていった。
アイザックに使徒が私に気が付いていないと伝えると納得した様子で頷いている。
「俺が挨拶に行ったら貴族の方でしたかとか言って驚いていたからそうだと思ったよ。」
アイザックの事ですら直ぐには気が付かなかったらしいのでそれはそうかと思った。
それからはお腹も空いたので料理を取って椅子に座り美味しくいただいた。
暫く食事に集中しているとレオン団長が現れた。
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